10月川柳まとめ(川柳26句)
鈴の鳴る靴 いま生まれなおしにいく
うららかにうなずくあなたが目を見る
蝶々は嘘をつけない 雨季がくる
エチュードをそっとひらいて海に見せる
ケーキの苺をあげるねずっとあげる
絵で描くの、いとしい日々に吹く風の
永遠はデザートだからナイフひかる
ヴェールという終わりのなさをたぐりよせる
ヴィオラとはおやすみで閉じた国の比喩
スープ皿に野の花を置く悔いのかたち
ウエハース持ってしずかに朽ちてゆく
土に詩を置くならあなた以外の名
雨域ではうなされていると犬がくる
丸襟に星をひからせて秋を呼ぶ
星のこと生きていなくてもだいすき
だいじょうぶあの銀の馬は窓だから
つやつやの横笛でいずれ犬も呼ぶ
あしたまた生き延びて見る像の場所
チョコレートは嘘をついてからこう割るの
猫にかじられてかわいくなる詩集
信仰をほぐしてしずかな雨にする
エコバッグに入るだけ海を持ち帰る
むかえたいきもちばかりで積むカボチャ
角砂糖くずれてバレリーナみたい
天気雨なにを煮れば魔法になるの
教会に持ち込めるクレヨンの色