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テーラーさんとの出会い

前回はある会社の方と、インドで会う予定だった話がなくなって
生地屋さんに出会うまでを書きました。
今回はその続き。

素敵な生地屋のハルンさんに教えてもらったテーラーさん。
実際にハルンさんが自分の服をお願いするときは
必ずそのテーラーにお願いするとのこと。

これは期待大!!
翌日教えてもらった電話番号に電話をし
リキシャで向かいます。(インドのトゥクトゥク)

しかしリキシャのおじさんにこの辺りだよとおろされたものの
全くそれっぽいお店がない。

googlemapを見ながら行ったり来たり。
何度歩いても見つからないので、電話をかけると
木の影の小さなお店から手を振っている笑顔でおじさんが。

「おーーーい!ここだよ〜〜〜!!」

彼がこれからお世話になるファルークさん。
「詳しくは、既にハルンさんから聞いてるからね。」と。
笑顔で迎えてくれて、いい人そう〜〜と一気に安心感。

ファルークさん

この工房はファルークさんがオーナーさんで従業員が2人。
おじいさんの代から続くオーダーメイドの縫製屋さんで
クルタと呼ばれるインドのシャツと、パンツをメインに作っている。

ファルークさんがパタンナーをしていて
お洋服のためにお客さんのサイズを測ったり、
布にチャコペンで下書きをしたり、布を切ったり。

2人の男性は縫製担当でファルークさんのお父さんが
現役の頃から一緒に働くメンバー。
合計3人でお洋服を作っているとのこと。

縫製担当の2人はイムランさんと、ファルークさんといい、同じ工房に2人もファルークさんがいるという状態で「ファルークさん」と呼ぶと2人が振り返る。笑 

左からファルークさん、ファルークさん、イムランさん、私

そんな3人体制のファルーク工房で、まずは日本から考えてきたパンツとシャツワンピを注文してみると「簡単だよ!何枚でも作れるよ。」とのこと。

少量ずつオーダーをして毎日工房に来させてもらい、インドの働き方をじっくり観察させてもらうことに。

今後もし長く一緒に仕事をさせてもらうなら、まずはインドの働き方を
知りたい。これはカンボジアでカゴを立ち上げたときの学びから。

どんな環境で仕事をしていて
どんな時間の過ごし方をしていて
どう息抜きして、何を大切にして
ご飯はいつで、帰りはどう帰るのか

インドの働き方を知りたいし
暮らしを壊してしまうような仕事のお願い方はしたくない。
作ってもらう人の人柄もちゃんと知っておきたい。わたしのこだわり。

縫製担当の2人

はじめの1週間で感じたことがありすぎるので
箇条書きで書いてみる。

  • 3人ともイスラム教なので金曜日はモスクにお祈りに行く。

  • 朝10時から夜9時まで。土日休みはなく、基本的に働き続けるけど
    家族の予定や宗教の予定などは優先して休んでいる。

  • ファルークさん(オーナー)は頻繁に外出する。(何してるか謎)

  • ファルークさん(オーナー)は歴史と政治の話が大好きでどんどん質問してくる。

  • ファルークさん(オーナー)の「明日にはできるよ。」は信用してはならない。90%出来上がらない。

  • ファルークさん(オーナー)の「わかった。」もあまり信用できない。出来上がりを見ると違うものが出来上がっていることがよくある。確認必須。

  • 縫製の2人は朝ごはんをモリモリ食べてきて、お昼は食べると眠くなるから食べない。ファルークさんはお昼を食べに帰る。

  • 縫製2人は、ファルークさん(オーナー)がいなくなると積極的に話しだすが、帰ってくるとおとなしい。

  • 3人の友達たちが1日に何度も遊びに来て工房に座って、チャイを飲みながら雑談する。だけど縫製担当の2人の手が止まることはない。

  • 縫製の2人は何枚の洋服を仕上げたかで1日の給料が決まる。

  • イムランさんの作業がとても美しい。丁寧だけど早い。ミシンと一体化しているようでずっと見ていられる。

  • ファルークさん(縫製)は奥さんがとても心配性で1日に何度もビデオ通話をかけてくる。笑 

  • みんなウェルカムだから日々は楽しい。

そんな感じ。なんとなくインドの工房をイメージしてもらえたかな。

縫製2人とその友達たち

はじめの1週間は何も言わず、ただただ様子を見て3人のキャラクターとインドでの働き方はなんとなく掴んだ。

ただ、仕上がりがはじめに言っていた予定より随分遅い。笑
ぜーーーんぜん出来上がらない。これは困った。なんとか注文のものを作って欲しい。

翌週からは少しずつどうやって伝えたらファルークさんが作ってくれるのかを探ることに。ファルークさんが布を切ってくれなければ始まらない。

・生地屋のハルンさん協力してもらう作戦→失敗。管轄外で意味ない
・本当はもっと注文したいんだけど・・・と言ってもっと注文が取れるかも?という雰囲気をにおわす→失敗。無意味
・お店の滞在時間を伸ばして8時間ほどいさせてもらう→やや成功。だけどそれは日本に帰ったらその作戦はできない。
・「足りないパーツは私が買ってくるよ!」と私も動こうとする→成功。私一人を行かせられないと、重い腰を上げてくれる。
・「この日に帰ります!それ以降は受け取れないので。」と、帰る日を伝える→大成功・・・と言っても最終日にイムランさんがめっちゃ頑張ってくれたし、この作戦は日本からはできない・・・

という残りの1週間の挑戦で、結局パンツのみ10枚ほど出来上がり、シャツワンピはできたもののサイズが整わず。いや、難しすぎる。これ、帰ったらどうなるのか、不安しかない。でもわたしはこれ以上滞在できないし。

結局パンツのみあと数十枚注文することに。
ちゃんとしたクオリティで納期はどの程度守られて日本に届くのかを実験せねば。
「この日に間に合わないと、やばいからよろしくね。」と本当の納期の1ヶ月前を伝えた。

うぅぅむ、全てを2週間でやるというのは難しかったか・・・

でもどうしてもインドの働き方を知ったり、職人さんたちとの関係をしっかり作るということに時間を取りたかったの。仕方ない。きっと初めはこんなもの。
長く気持ちよく関係を続けていくために、人間関係は大事にしたいから。
関わるみんながハッピーでいるものづくりをしたいから。

さぁ・・・パンツは無事に届くのでしょうか・・・
実はこれを書いている今もインドからは届いていません。汗

次回はどんなお洋服を考えているの??というところを。
書く予定です~






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