腑に落としながら生きてゆく。
この夏から新しい仕事、関わりをはじめていて。少し抽象度高めにいうなら場づくり(ハードではなくソフト面で)なのだけど、思えば2022年以降そろりとそんな方向に舵を切っていたなと思うのです。
2022年は「自分をいかして生きる」の読書会ワークショップを著者の西村佳哲さん、そして企画として大きく展開してくれたSPBSに鈴木美波さん、主にこのお二人のご協力で形にすることができました。ファシリテーションができた、ということより、自身でコンテンツの旗を立て、そこに人が集まった、という事実が何よりうれしくて。以来、そんな魅力に取り憑かれてあれこれと邁進しているわけです。誰に指示されるわけでなく、自分の内側、それも深いところからやってくる、自発的にやってみたい、と思う意欲は誰にも邪魔できない強さや人を惹きつける魅力があるんだと思うんです。このWSの立ち上げ経緯はそうしたところから始まっていて、いまなおその意欲は止まず、大きく捉えて「(ひとの集まる)場づくり」といわれる領域には関わっていたいと思っています。
でもここに至るまで試行錯誤と紆余曲折の連続で。でも一番大事なことは自分が納得しているかどうか、もっと平たくいえば本質的にわかっているかどうかなんじゃないかな(わかったふりをしていないかと絶えず自らに問うてみる)、さらに重ねれば、ひとつひとつ時間はかかりながらも自分の腹の中を探り、腑に落としながらやってゆく、いちいちやってゆく、ということだと思うのです。即答する力が求められる世の中で、あえてエクスキューズして、留保して、時にはそのままにする。白か黒かではなくて、むしろ白も黒も、もしくはその中間にある表現しきれないグレーもある…そんなところに自分の軸足をあえて置くことで、確固とした自分、流されない自分、周りはもとより自身に対しても嘘のない自分が確立されてゆくんじゃないかと思います。自身に向けた小さな嘘は積み重なっていきながら、少しずつ自分を傷つけるのです。〝自分を大事に〟というならば、まずは自分に小さな嘘をつかない、そんなところから「本当にやりたいこと」がはじまるのかもしれません。日々の小さな瞬間の努力です。
2024.08.30 夏の終わり