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(2023:その 2) 魂と生まれかわり:前世
血のつながりと、魂のつながり。
どちらが重要かな?
と考えながら書いてみた神殿講話の原稿です。
血も大事かもしれないけれど、やはり魂の方が重要なのだと思うのですよね。
もちろん、血も魂も濃い関係もあるのかとは思いますが。
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本日は、魂と生まれかわり:前世について、お話をしたいと思います。(かしわ手)
天理教では、『魂はいきどおし』『人間は八千八度の生まれかわりをへて』『体は神様からのかしもの』と教えらえています。
私達は親神様の懐住まいの中から、この世の中にうまれでてくる訳ですけれども、私は、生まれてくる際には、この世でどのような人生を送るのか事前にある程度計画を立てて生まれてきていると思っております。
梶本惣治郎と教祖の三女、おはる様の三男として生まれた初代真柱の眞之亮様は、母はるが懐妊中より教祖みき様が「今度、おはるには、前川の父の魂を宿し込んだ。しんばしらの眞之亮やで」と語られています。
このことからもわかりますように、人間が生まれ変わる際は、親神様の思し召しがあり、役割を持って今生に生まれてくるものと考えられます。
実際に眞之亮様は初代真柱として、天理教教団の創成期に孤軍奮闘されその生涯を送られております。
さて、アメリカ合衆国のヴァージニア大学精神科の主任教授だったイアン・スティーヴンソンの著作に「前世の記憶を持つとされる子どもたち」というものがあります。
これは発話が可能になる2歳から5歳までの小さい子供たちが自発的に「前世」を語り始めたものを記録して、実際の事だったのかを検証をした研究結果や論文を一般向けにまとめなおして書いた著作です。
著者は作話説、偶然説、潜在意識説、記憶錯誤説、遺伝記憶説、超感覚的知覚説や憑依説などの可能性を検証していきましたが、最終的に生まれかわりがあったと考えるのが一番妥当な仮説ではないかと述べています。
本著の中では十二例の詳細なケースが記載されていますが、現在までの研究結果では約2000例の前世を語る子供たちの証言記録があるそうです。
これらが本当の事実であると仮定すると、生まれ変わりは必ずしも血縁関係の中だけで起こる訳でもなく、日本人だから日本人に必ず生まれ変わる訳でもなくて外国人に生まれる場合もあるようです。
また、生まれてくる子供はどの親の元に生まれてくるかを自分で判断してその母体の胎児を選ぶそうです。
動物から人間に生まれかわったという事例は紹介されていませんでしたが、そういう場合がないとも否定はされていません。
冒頭に戻りますが、天理教では人間の体は神様が作り、私達人間はその体を乗り換えながら魂が八千八度の生まれ変わりを経てきたと教えられています。
これらの事例を考えますと、人間の体自体は遺伝的に親から子へと繰り返し物体として作られてきた入れ物ではあるけれども、その中に入る魂は不変であり、体が老いて朽ちたらまた別の新しい体を魂が選んで入り込んで今生に生まれ出てくるというふうに考えるのが妥当な解釈かと思います。
そうやって体を入れ替えながら、陽気暮らしを実践する目的で今生に生まれてきているということかと思います。
ですので、血筋というものも大事かもしれませんが、私は魂のつながりの方がもっと大事ではないかと思っています。
それぞれの魂が今生での親や子、夫婦、家族、兄弟、友人、知人らを選択して生まれいでて、その関係性の中でようきぐらしの世界を築いていく。
これが親神様のお望みではないかと思っています。
私は今生では3人の方と結婚しましたが、当然血はつながっておりませんけれども魂のレベルでは深くつながっているのだと思っています。
この「前世の記憶を持つとされる子どもたち」という本は、なぜ自分が今、この時代のこの環境の中に生まれてきているのかを考えさせられる本であると思っております。
最後になりますが、今自分がこの体をいただいて、魂のつながりのある周囲の色々な方々と共にこの世界において生活をする目的は、陽気暮らしの雰囲気のある社会をつくっていくことであると改めて思っています。
そういう思いで皆様と共々に日々の生活を過ごしていきたいと思っておりますので、引き続き宜しく御願い致します。
以上つたない話ではございましたが、御清聴ありがとうございました。(かしわ手)