【ソムリエ勉強用メモ】アメリカ編 ~ワシントン州~
~プロフィール~
栽培面積:2万ha(2017年)
ワイン生産量:170万㎘(2017年)
気候:カスケード山脈西側:冷涼な海洋性気候。やや湿度が高い
カスケード山脈東側:寒暖差が大きく乾燥した大陸性気候。灌漑必須
・ワシントン州のワイン産地のほとんどは、オレゴン州との境界線から内陸部へ広がるコロンビア・ヴァレー流域にある
・カスケード山脈の東側山麓では標高の高い冷涼な産地が広がり、カスケード山脈の西側、太平洋側ににある産地はピュージェット・サウンドのみ
・急速に成長している産地で、アメリカの生産量の4%を担う。主要品種はリースリング、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ
・19世紀には、仏・独・伊からの移民によりブドウ畑が開かれるが、小規模にとどまった
・1920年の禁酒法施行によりワイン産業は衰退。禁酒法撤廃後、ピュージェット・サウンドにワシントン州北西部で最初のワイナリーが築かれた
・ボーイング社やマイクロソフト社の本拠地、任天堂のアメリカ本社も所在
・海岸山脈はカスケード山脈に合流し、最も高いレーニエ山は4,392mに達する
・ピュージェット・サウンドは海洋性気候で、冷涼、やや湿度が高い
・太平洋からの湿った風は、カスケード山脈にぶつかって雨を落とすため、カスケード山脈の東側の内陸のコロンビア・ヴァレーには乾燥した風が吹き込む。そのため寒暖差が大きく乾燥した大陸性気候で、灌漑が必須。
7~8月の平均気温はボルドーより高いが、9~10月はブルゴーニュとほぼ同じほどまで冷え込む。生育期間を通じて昼夜の気温差は15℃以上。年間平均降水量は203㎜と非常に少ない
・冬の厳しい寒さと砂質の多い土壌、乾燥した気候ではフィロキセラが生息できないため、ワシントンのほとんどのブドウ樹は接ぎ木せず、自根で栽培される
・ブドウ畑は灌漑用水の源である河川や湖のそばにあり、大量の水による保湿効果や空気の対流により、夏の暑さや冬の厳しい寒さが緩和されるという利点がある
~主なブドウ品種~(2018年)
■白ブドウ
1位:シャルドネ
2位:ホワイト・リースリング(ドイツのリースリング)
3位:ピノ・グリ
4位:ソーヴィニヨン・ブラン
5位:ゲヴュルツトラミネル
■黒ブドウ
1位:カベルネ・ソーヴィニョン
2位:メルロ
3位:シラー
4位:カベルネ・フラン
5位:マルベック
・白黒のトータルでは1位カベルネ・ソーヴィニョン、2位シャルドネ、3位ホワイト・リースリング。1位と2位がカリフォルニアと真逆
~主な産地~
■カスケード山脈西側(海洋性気候)
【Puget Sound ピュージェット・サウンド】 ・ワシントン州で唯一、カスケード山脈西側の産地
・州内で最も冷涼。雨量が多いが主に冬の休眠期のため、生育期間中は灌漑が必要
■カスケード山脈東側(大陸性気候)
【Columbia Valley コロンビア・ヴァレー】
・オレゴン州にまたがる
・州内のほとんどを内包する広大なA.V.A。
・約1万5千年前に繰り返し起こった、大陸中央のミズーラ氷河湖決壊による大洪水によって形成された土地。様々な土壌が何層にも重なる
【Walla Walla Valley ワラワラ・ヴァレー】
・オレゴン州にまたがる
・ブドウ栽培は1850年代から。パイオニア的ワイナリーが多い地区。
・シラーは世界的に評価が高い
【Yakima Valley ヤキマ・ヴァレー】
・州で最初に認可されたA.V.A。
【Columbia Gorge コロンビア・ゴージ】
・オレゴン州にまたがる
・東西約130kmにわたるコロンビア峡谷にある地域。東部は大陸性砂漠気候、西部は太平洋からの影響で涼しく降水量も多い
【Lewis-Clark Valley ルイス・クラーク・ヴァレー】
・2016年承認、州内最新
・ワシントン州(8%)とアイダホ州(72%)にまたがる
・雪解け水が豊富なため灌漑はほとんど必要なし