両手をあげて降参!
私は大学生のとき、ひっそりと苦しんでいた。
電車に乗ると息苦しく「倒れるんじゃないか」と思うと途端に動悸が激しくなり、気持ち悪くなり途中下車する日々。
講義も90分扉が閉まっている教室にいることが辛かった。電車に乗っているときと同じような息苦しさと気持ちわるさが襲ってくる。出ていこうか、でも周りにも迷惑がかかるかもしれないし、講義も最後まで聞かないと。ぎりぎりなところで自分の気持ちを落ち着かせ、なんとかやり過ごす。
どうにか大学を卒業して、就職をしたけれど、周りのいざこざに巻き込まれそうになり、どきどきする日が続く。お願いだから私のそばで険悪な空気をつくらないで。ただでさえ動悸と気持ち悪さを自分の中で抑えつけて生活していたその環境は私の精神状態に良くない影響を与えた。
ある日玄関で靴がはけなくなった。涙が止まらない。呼吸がうまくいかない。もうだめだ、休ませてもらおうと思い、連絡をした。そこから職場にはいけなくなり退職した。病院に行き、診察を受けた。投薬治療と休養を行い、ゆっくりと社会復帰を目指した。
その時にはじめて「パニック障害」https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_panic.html(厚生労働省WEBサイト)というこころの病気があることを知った。それまで嫌なことや苦手なことから逃げたいから自分は体調が悪くなっているのではないかと思っていたのだ。「自分の甘え」「私が悪い」「体調がいい時もあるってことは病気じゃない」と、自分が悪いということで自己処理をしていた。時間がかかったけれど、仕事が出来るようになった。パート勤務からはじめて、フルタイム勤務へ。
それから10年程が経ち、今は電車に乗るのも平気。閉鎖された空間にいても息苦しさは感じない。
あの時、もし自分の辛さを我慢せず親や友達に相談できていれば。はやい段階で「パニック障害」のことを知っていれば。
いまもし、息苦しさを感じたり、気持ち悪さがあったり、電車や閉鎖された空間にいると動悸が激しくなる人がいたら。それ以外でも体調の悪さや気持ちが沈んだままの人がいたら。
両手をあげて降参!しましょう。自分が辛いってことを周りの人に知らせよう。あなたは悪くない。あなたが辛いってことを知ったら助けてくれる。助けを求めること、降参することは恥ずかしいことじゃないし、悪いことでもない。誰か1人がだめでも、他の人が手を貸してくれるかもしれない。自分のせいにしないで、自分を大切に扱ってあげて。
我慢に代わる私の選択肢は「降参する」こと。
はやく降参して、自分を大切にしてあげよう。