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ECMを聴く Eberhard Weber/Fluid Rustle

冒頭からヴィブラフォンの淡い音色が辺りを包み込み、ギターが霧から顔を出すようにおぼろげな姿を現しては消えて行く。

アルバム全体でFluid(流動体)Rustle(さらさら鳴る)というタイトルさながらの音のイメージが広がっている。

このアルバムがECMの中でもユニークなのは、ノーマ・ウィンストンとシンガーズ・アンリミテッドのボニー・ハーマンのふたりのボーカリストが参加している事だろう。
ここでは所謂ジャズボーカルとは違い、アンサンブルの中でのテクスチャーとして声(ヴォイス)を配置していく類のもの。特にタイトル曲でのこのふたりのダイナミクスは凄い。
最近でいえばベッカ・スティーヴンスが表現している事が近いのではないかと思う。
ブライアン・イーノやロジャー・イーノの声の使い方もどこか連想させる。

ドラム抜きのアンサンブルはECMの根幹となり、アイヒャーも手本としたジミー・ジュフリー・3から連なるトリオの表現とも繋がり、ECMというレーベルのもつアンサンブルの考え方が現れている。
ミニマルなゲイリー・バートンのヴィブラフォン、ビル・フリゼールの浮遊感のあるエフェクティブなギター、エバーハルト・ウェーバーのうねりを持つベースの音色とジャズの枠から逸脱しながら、ジャズらしさも含んだ演奏が聴ける一枚。

Bass, Bulbul Tarang [Tarang] – Eberhard Weber
Guitar, Balalaika – Bill Frisell
Vibraphone [Vibraharp], Marimba – Gary Burton
Voice – Bonnie Herman, Norma Winstone

Composed By – Eberhard Weber
Design [Cover Design] – Maja Weber
Engineer – Martin Wieland
Photography By – Signe Mähler
Producer – Manfred Eicher
ECM1137
1979年

https://www.discogs.com/ja/Eberhard-Weber-Fluid-Rustle/release/1642780

https://itunes.apple.com/jp/album/fluid-rustle/268045565

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