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ルイス・アルベルト・スピネッタの軌跡①/アルメンドラ ロック・ナシオナルの始まり

※有料にしていますが全文読めます。

1960年代末アルゼンチンロックの黎明期からキャリアがスタートし、ロック・ナシオナルの礎のひとつを築き上げたルイス・アルベルト・スピネッタ。2012年に肺がんで亡くなるまで、短いスパンでアルバムをリリースし続け、長いキャリアの中で晩年に傑作を立て続けにリリースした事で、日本でも多くの新たなファンを増やしていた。日本盤が出ていない事と、長いキャリアの中でバンドやソロを含め名義が多数ある事から、キャリアの全体像を俯瞰できる場がほとんど無い。大半は部分的にしか紹介される機会がなく、一部の名盤と言われるものが中心に知られているだけで全体像が掴みにくい人でもある。アルゼンチンの国内の状況を含め、スピネッタが辿った奇跡をひとつひとつ紐解いていきたい。

・アルゼンチンロックの樹立 1967年

1964年のアメリカでのビートルズ旋風は、英米に限らず様々な国でカウンターカルチャーと共にバンドブームの波が押し寄せていた。ビートルズ旋風の最中の60年代は戦後の米ソの対立による冷戦や、戦後以降の半世紀の歴史はヨーロッパの東西、アジア圏、南米の各地で独裁的な政治支配に対する民主化運動が盛んに行われた時代だった。南米各地での軍事政権の台頭に対し、欧米と同様に若い世代によるカウンターカルチャー出現が権力者への対立を生み出していた。(アルフォンソ・キュアロンの「ローマ」もこの時代のメキシコの内情を取り上げていた。)
アルゼンチンでは1963年から経済の立て直しに失敗したイリア政権が1966年のクーデタにより失脚。クーデターを起こしたオンガニア将軍が大統領に就任し軍事独裁政権の時代の始まりとなった。オンガニア政権の経済政策は成功したものの、弾圧政治は反発を生み民衆による1969年にコルドバ暴動が起きる。
1967年のチェ・ゲバラ暗殺、1968年のフランス5月革命やアメリカのベトナム反戦運動の余波から、同じく1968年頃からアルゼンチン国内でも学生を中心に政府への対立運動が起こり始めていた。アメリカの「サマー・オブ・ラブ」やヒッピーカルチャーがアルゼンチン国内でも普及し始め、英米同様に長髪やミニスカートといったスタイルは封建的な社会へのアンチテーゼを若い世代が掲げ始める。
アルゼンチンロック以前はメルセデス・ソーサによる「ヌエボ・カンシオネロ」、アストル・ピアソラによるアヴァンギャルドなタンゴなどあらゆる場面で刷新が図られていたが、アルゼンチンロックの始まりは1967年にリト・ネビアが在籍したロス・ガトスのシングル「La balsa」が大ヒットしたことが契機となりスペイン語によるロック運動「ロック・ナシオナル」が出現した。1968年にロック雑誌「Pinap」が創刊され、アルゼンチン初のロックレコードレーベル「Mandioca」が設立されると「ロック・ナシオナル」は大衆化し始め、アルコ・イリス(Arco Iris)やマナル(Manal)、ヴォックス・デイ(Vox Dei)、そしてスピネッタが所属していたアルメンドラ(Almendra)らが登場する。

アルメンドラ Almendra

アルメンドラ(直訳するとアーモンド)は1967年にブエノスアイレスのベルグラーノ地区で、ルイス・アルベルト・スピネッタ(ギター・ボーカル)、エデルミロ・モリナーリ(ギター・バックボーカル)、エミリオ・デル・グエルシオ(ベース・バックボーカル)、ロドルフォ・ガルシア(ドラム)の4人で結成された。アルメンドラの母体となったのは、ブリティッシュビートに影響されたロス・ラーキンス(Los Larkins)とロス・スビロス(Los Sbirros)のふたつ。内訳はドラマーのロドルフォ・ガルシアが所属したロス・ラーキンス、エデルミロ・モリナーリがリーダーを務め、エミリオ・デル・グエルシオとその弟アンヘルも参加していたロス・スビロスはスピネッタが通っていた学校内で結成されたバンドだった。スピネッタは、最初はロス・ラーキンズで活動していたが、一時は両方のグループで演奏し、徐々に両バンドは統合されていった。スピネッタとエミリオ・デル・グエルシオは高校の同級生で、ロドルフォ・ガルシアは彼らの4歳年上と少し年が離れていた。初期アルメンドラの影響源はビートルズ、ピアソラ、フランスのジャズコーラスグループのレ・ドゥブル・シス。英米のポップスと自国のカルチャーがこの時点でクロスオーバーしている。

1967年にはアルメンドラのベースは出来上がっていたものの、ロドルフォ・ガルシアが徴兵で一年離れていたため、彼が復帰するまでデビューは棚上げされていた。その最中にロス・ガトスのブレイクが起こった事で、アルメンドラや多くのバンドにとって追い風となった。しかし、母国語によるロックという前人未到の猟奇に踏み出す前のスピネッタの心情は以下のコメントに集約されている。

「スペイン語の曲はすでにたくさんできていたが、歌うのが怖かった。いつも家族で歌っていた。火星人のような、不自然なものと解釈されるのではないかと恐れていた。」

アングロサクソン文化であるロックと、英語以外の言葉で表現することの不安や軋轢は、日本でも大瀧詠一と内田裕也の日本語ロック紛争があったように、アイデンティティ確立が最初の壁となっていた証言がスピネッタ自身のコメントからも伺える。
バンドはスピネッタの自宅で練習を重ね(スピネッタ曰く家族には多大な迷惑をかけたとコメントしている)、アルメンドラというバンド名に至るまで紆余曲折を辿っていた。
スピネッタ「何ヶ月もかかったよ。ビクーニャとか、よくわからない名前をつけていたからね...。ロドルフォとエミリオが「その名前だ、アルメンドラだ」と言うまでは。そして「Eureka」を見つけたような気がした。誰もそれじゃないとは言わなかった。当時、すでにグループには「Los」が頭につかない流れがあった。オノ・ヨーコの「ポメロ」という本が出ていた。マーマレードもそうだし、名前の前に "Los "をつけなくなったのも全体の流れだ。」
1968年、ロス・ガトスのライブ後に出会ったラジオ番組「Modart en la noche」の司会者であるリカルド・クライマンによってアルメンドラはRCAとの契約にこぎつける。フェスティバルやライブをこなした後、数枚のシングルをリリースした後、ファーストアルバムのレコーディングがスタートする。

・Almendra/Almendra 1969

リリース:1969年11月29日
Lado A
Muchacha (ojos de papel) (Luis Alberto Spinetta) 3:04
Color humano (Edelmiro Molinari ) 9:09
Figuración (Luis Alberto Spinetta )3:32
Ana no duerme (Luis Alberto Spinetta)2:42
Lado B
Fermín (Luis Alberto Spinetta)3:16
Plegaria para un niño dormido (Luis Alberto Spinetta)4:01
A estos hombres tristes (Luis Alberto Spinetta)5:56
Que el viento borró tus manos (Emilio del Guercio)2:36
Laura va (Luis Alberto Spinetta)2:47

Emilio Del Guercio:Bass,Flute,Vocals
Rodolfo Garcia:Drums,Piano,Vocals
Edelmiro Molinari:Guitar,Organ,Vocals
Luis Alberto Spinetta:Guitar,Harmonica,Vocals
Invitados Especiales:
Pappo, Sam y demás cirqueros: Coros en Figuración
Santiago Giacobbe: Órgano en Ana No Duerme
Rodolfo Alchourron: Guitarra, arreglos y dirección en Laura Va
Rodolfo Mederos: Bandoneón en Laura Va
Rodolfo Alchourrón:Orchestral Arrangements

RCAビクターの子会社であるVikからリリースされたアルメンドラのファーストアルバムは、アルゼンチンロック新たな時代の始まりとなった。サージェントペッパーエラを感じさせるサイケデリックさと、フォーキーなソフトロック、ストリングスを導入し、牧歌的な朴訥さとカラフルなサウンドがアルバム全体を包んでいる。
この頃マリファナやマジックマッシュルームなどのドラッグも蔓延し始め、モノクロームだった世界がカラフルに色づいて見えたとスピネッタは語っている。「A estos hombres tristes」の様にシアトリカルな曲もいくつかあり、次のアルバムで目指したロックオペラの片鱗がすでにこの時点で垣間見える。
スピネッタが描いたジャケット絵は、メンバーの写真の方が好ましいと一度レコード会社から却下され、ゴミ箱に破棄されるところをメンバーが拾い上げ、再度書き上げて提出し使用された。ライナーには曲ごとに目、涙、おもちゃの矢のシンボルが添えられていて、ジャケットに描かれているモチーフと曲がリンクするようになっている。

目:カバーの男が虚空で意識を失っている間に歌われる歌
「Muchacha (ojos de papel)」「Figuración」「Plegaria para un niño dormido」「Que el viento borró tus manos」
涙:「ジャケットの男」が流した千年前の涙のように明るい曲
「Color humano」「A estos hombres tristes」
おもちゃの矢:運命に縛られた男たちが「ジャケットの男」の流した涙に合わせて歌った歌
「Ana no duerme」「Fermín」「Laura va」

アルバムはヒットし、その中でもスピネッタの当時の恋人だったクリスティーナ・ブスタマンテに捧げた「Muchacha (ojos de papel)」はバンドの代表的な一曲として知られる様になる。

・Almendra/Almendra 1970

リリース:1970年12月9日
Disco 1 
Lado A
Toma el tren hacia el sur (Luis Alberto Spinetta)  3:42
Jingle (Luis Alberto Spinetta)  1:26
No tengo idea (Edelmiro Molinari)  2:46
Camino difícil (Emilio del Guercio)  2:27
Rutas argentinas (Luis Alberto Spinetta)  2:37
Vete de mí, cuervo negro (Luis Alberto Spinetta)  1:10
Aire de amor (Edelmiro Molinari)  2:57
Mestizo (Edelmiro Molinari)  2:26
Lado B
Agnus Dei (Luis Alberto Spinetta)  14:24
Para ir (Luis Alberto Spinetta)  3:57
Disco 2
Lado A
Parvas (Luis Alberto Spinetta)  5:11
Cometa azul (Luis Alberto Spinetta - Emilio del Guercio)  4:23
Florecen los nardos (Luis Alberto Spinetta)  6:47
Carmen (Emilio del Guercio)  3:02
Lado B
Obertura (Luis Alberto Spinetta)  3:01
Amor de aire (Edelmiro Molinari)  2:35
Verde llano (Edelmiro Molinari)  1:34
Leves instrucciones (Luis Alberto Spinetta - Emilio del Guercio)  1:29
Los elefantes (Luis Alberto Spinetta)  6:22
Un pájaro te sostiene (Emilio del Guercio)  2:23
En las cúpulas (Luis Alberto Spinetta)  4:40

Luis Alberto Spinetta: Guitarras, piano y voz
Edelmiro Molinari: Guitarras, órgano y voz
Emilio del Guercio: Bajo, órgano, piano, efectos y voz
Rodolfo García: Batería, percusión y coros

前作の成功から時代の寵児に躍り出たアルメンドラは、ロックオペラのアルバム制作に乗り出す。しかし名声によるプレッシャーとメンバーの音楽的プロジェクトの違いがグループ内の軋轢を生み、アルバム完成前の1970年9月に突然の解散を余儀なくされた。それまでに録音された曲を集め、2枚組のセカンドアルバムをリリースするに至る。
ファーストアルバムはスピネッタの曲が大半を占めていたが、セカンドは他のメンバーの曲も増えたことで2枚組のボリュームとなった。前作とは異なりアルバム全体にブリティッシュブルースロック色が色濃く、当時の他のバンドも同様にブルース色が濃厚なものが多い。この後のペスカード・ラビオーソの時期も含めレッド・ツェッペリンやトラフィック、ジミ・ヘンドリックスらブリティッシュブルースの影響がそこかしこに感じられる。骨太なアンサンブルの一体感とプレイアビリティの高さは、英米のロックにも引けを取らないレベルに到達しているだけに、空中分解してしまったのが悔やまれる。
幽玄なフォークロックナンバー「Para Ir」は名曲。

・Almendra/Almendra (Comp)

1 Tema De Pototo
2 El Mundo Entre Las Manos
3 Hoy Todo El Hielo En La Ciudad
4 Campos Verdes
5 Gabinetes Espaciales
6 Final

16 Hermano Perro
17 Mestizo
18 Toma El Tren Hacia El Sur
19 Jingle
20 Rutas Argentinas

ファーストアルバムにそれ以前と以後のシングルをコンパイルした一枚。
1〜6までがアルバム以前のシングル、16以降が以後のシングル。ファーストアルバム以前のシングルはビートルズを意識したようなポップな曲で、「Campos Verde」はフィルム撮影によるPVも作られている。

アルメンドラ解散後、恋人クリスティーナ・ブスタマンテとの関係が破綻し、ミュージシャンや芸術畑の人々と強く関わるようになり、薬物を大量に摂取するようになった。1969年にフェスで共演したパッポとドラムのエクトル・"ポモ"・ロレンソが加わったブルース・トリオ(スピネッタはベース)、アグレッシヴォス(Agresivos)を結成し、この時演奏されていた「Castillo de piedra」はスピネッタのソロアルバムに収録されることになる。その後、スピネッタはエデルミロ・モリナーリ、ポモ・ロレンソ、カルロス・クタイアとトラックス(Tórax)というバンドを結成しようとしたが、どちらのバンドもアルバムレコーディングまでは至らずに終わってしまった。

・Luis Alberto Spinetta/Spinettalandia y sus amigos 1971

リリース:1971年5月
Lado A
Castillo de piedra (Norberto Napolitano) 3:17
Ni cuenta te das 3:38
Tema de Pedro (Instrumental) 2:10
Dame, dame pan 3:28
Estrella (instrumental) 3:22
La búsqueda de la estrella 3:23
Lado B
Vamos al bosque 4:13
Era de tontos (Norberto Napolitano) 5:48
Alteración de tiempo (Instrumental) 2:13
Descalza camina (Spinetta-Pomo) 3:36
Lulú toma el taxi 0:36

Luis Alberto Spinetta: Guitarra eléctrica, guitarra acústica,bajo, piano, percusión, voz
Héctor "Pomo" Lorenzo: Batería, percusión, guitarra acústica
Pappo: Guitarra eléctrica, bajo
Miguel Abuelo: Flauta, pandereta, percusión, voz
Victor Kesselman
Elizabeth Viener

パッポの持つ非商業主義的な人生観は、スピネッタがそれまでメジャーレーベルRCAにもたらされた商業的な成功と相反するものだった。スピネッタは商業主義から離れようとアルゼンチンロックのインディーレーベル「マンディオカ」の輪に加わって行った。アルメンドラ解散後に二つのバンドが頓挫したことで、スピネッタは初のソロアルバム「Spinettalandia y sus amigos」を録音することを決めた。
アグレッシヴォスに参加していたパッポとポモの二人と、ミゲル・アブエロを加えた四人だったが、レコーディングはスピネッタとそのうちの二人が入れ替わり参加するトリオ体制で行われた。ドラムが入るロックアンサンブルの曲もあるが、大半はスピネッタの弾き語りにブルージーなギターやフルートが加わるスタイルで演奏されている。アルメンドラのセカンドにあった様なダイナミックなバンドアンサンブルとは全く異なる、アシッドフォークなアルバムに仕上がっている。
アルメンドラの成功があったことからレーベル側はソロ名義に難色を示し、「Spinettalandia y sus amigos」というタイトルは使用されず、紛らわしい「Almendra」というタイトルが付けられ参加していないアルメンドラのメンバーの写真が使用されてしまった。RCAは訴訟を起こされ、このLPを市場から取り下たが、その後「Luis Alberto Spinetta」や「La búsqueda de la estrella」など、別のジャケットやタイトルで復刻された。現在リリースされているものは、1971年に構想した「Spinettalandia y sus amigos」というタイトルで1995年に発売されたものになっている。
アルバムの構想のベースの一つになっているのが、1969年にジョン・レノンとオノ・ヨーコが行なったベッドインで、大勢のゲストを迎えてオープンな共同作業の下で録音したことの影響があった。「Vamos al bosque」はまさにそんな雰囲気に包まれた一曲と言える。

「私は儀式を作りたかった。
ほとんどトライブな状態で音楽を再現している。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

パッポと別れたスピネッタは1971年3月、2人の女性と一緒にブラジル、アメリカ、ヨーロッパを7ヵ月間旅するために出発した。帰国後、彼はペスカード・ラビオーソを結成する。

出典・参照元

https://www.infobae.com/teleshow/2021/05/04/fallecio-el-musico-rodolfo-garcia-seis-dias-despues-de-un-que-acv-le-provocara-muerte-cerebral/

https://es.m.wikipedia.org/wiki/Luis_Alberto_Spinetta

https://es.m.wikipedia.org/wiki/Almendra_(banda)

https://es.wikipedia.org/wiki/Almendra_(%C3%A1lbum)

https://es.m.wikipedia.org/wiki/Almendra_II

https://web.archive.org/web/20160303171814/http://edant.revistaenie.clarin.com/notas/2009/12/14/_-02059284.htm

https://www.pagina12.com.ar/diario/suplementos/espectaculos/7-10450-2008-06-25.html?mobile=1

https://web.archive.org/web/20130928154953/http://www.marcha.org.ar/1/index.php/cultura/137-musica/1756-los-elefantes-saben-descansar-van-a-morir-de-paz

https://www.clarin.com/espectaculos/musica/primer-disco-almendra-cumple-medio-siglo-misterio-aniversario-equivocado_0_T7qYG7D6.html

https://lacavernadecorvan.webs.com/almendraii1970.htm

https://ilcorvino.blogspot.com/2008/02/almendra-ii-volando-en-una-mosca.html?m=1

http://musicasociedadymedios.blogspot.com/2009_11_01_archive.html?m=1

https://es.m.wikipedia.org/wiki/Spinettalandia_y_sus_amigos

https://web.archive.org/web/20160304201027/http://www.jardindegente.com.ar/index.php?nota=discografia_005

https://es.m.wikipedia.org/wiki/Pescado_Rabioso

http://www.magicasruinas.com.ar/rock/revrock312.htm

https://web.archive.org/web/20131003062654/http://weblogs.clarin.com/revistaenie-consecuencias/2008/06/17/epifania_ictiologica_el_debut_de_pescado_rabioso/

https://es.wikipedia.org/wiki/Desatorment%C3%A1ndonos

https://www.pagina12.com.ar/334049-desatormentandonos-musica-literaria

https://es.m.wikipedia.org/wiki/Pescado_2

https://nacionprogresiva.wordpress.com/2020/04/07/analisis-progresivo-pescado-rabioso-2/

https://es.wikipedia.org/wiki/Artaud_(%C3%A1lbum)

http://www.dospotencias.com.ar/rebelde/pescado3.htm

https://web.archive.org/web/20130320142619/http://www.jardindegente.com.ar/index.php?nota=declaraciones_035

https://web.archive.org/web/20130928025029/http://www.rollingstone.com.ar/1552689

https://web.archive.org/web/20160304111617/http://www.mdzol.com/opinion/483838/

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