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街角クラブ〜ミナスサウンド あとがき

当初5回くらいでさくっと終わらせるつもりだったものの、収まりがつかずあれよあれよという間に倍の10回に…。
最初から決めていたのがミルトンとエリス・レジーナの出会いから始まり、マリア・ヒタで終わる事と、二枚のClube da esquinaを軸にして街角クラブの面々と関連盤を辿っていく事でした。しかし、グルーポ・コルポの落とし所が上手く見つからず一つの回まるごと割いたことと、オマケのつもりで取り上げ始めた現代ミナスの部分が1回で終わらず3回になってしまいました。現代ミナスについてはあくまでもミストゥラーダ・オルケストラを軸に、ハファエル・マルチ二、アントニオ・ロウレイロ、クリストフ・シウヴァ、ジョアナ・ケイロス、アレシャンドリ・アンドレスらのそれぞれ紹介して、関わりの強い盤を取り上げていきました。当然他にも載せるべき盤があるのは重々承知していたけれども、この5人と関わりが薄いものは取り上げなかったことと、連名になっているものは取り除きました(一部繋がりを考えて連名のものも取り上げてます)。

現代ミナスについては、極力過去のClube da esquinaとの関わりがあるものもオミットしました。

ただしその中でもウアクチの存在は現代ミナスの中でも大きく、アレシャンドリやレアンドロ・セザールなど直接関わる人たちだけでなく、音楽的にも影響は大きいと感じてます。ウアクチはフォークロアな雰囲気はあるものの、ポストクラシカルなバンドでもあると思うので今振り返るべきバンドだと思います。
街角クラブの面々についても紹介したアルバム以降も素晴らしいものはありますが、Clube da esquinaの磁場からは離れてそれぞれの持ち場で活躍して行くため、それらも外しました。気になる方はロー・ボルジェスのライブアルバム「Solo」やトニーニョ・オルタの「Diamond land」はおススメしたいです。あと入れようか迷ったのがジョイスの「Feminina」。丁度今7月号のラティーナのミナス特集を読んでいて、多くの人が取り上げていたのでこれはいれるべきだったかなと思いました。入れなかったのは街角クラブの面々が参加していなかったという理由だけなんですけど。

僕がミナスについて書きたかったのは、点で紹介するものはネットにも書籍にもあっても、線で紹介するものが皆無だったこと。それと参考にしていたサイトが閉鎖されてしまった事にあります。
点を線で繋げることで、シーンをある程度俯瞰する事で少しでも新旧ミナスのシーンに深入りする人が増えればという思いの上で書き上げました。
特にカイミ兄弟や、小野リサの「エッセンシア」の様に取り上げられる機会が無いものを掬い上げるのは、このシーンのミッシングリンクとなっていると感じているので、その部分はなんとか繋ぎとめたいという一心で取り上げています。
本当はエスペランサ・スポルディングや、ムーンライダーズ、フリートフォクシーズ、Lamp、Guiro、ツチヤニボンドまでフォローしたかったのですが、途中まで書いた時点で中途半端になるという思いがよぎり泣く泣く取り下げました。

ミナスの魅力は土着性と洗練が隣り合っている音楽性だと思います。ミルトンの不思議な音楽性と、ロー・ボルジェスとベト・ゲヂスらのビートルズ以降の欧米のポップミュージックがせめぎ合った音楽。現代ミナスのジャズやUS、UKのインディまで視野に入れたハイブリッドさに魅力を感じています。
拙い文章でしたが、ひとりでも多くこの沼地に脚を取られることを願い、してやったりな感じでハマる人が出てくる事を願います。



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