【映画】エイリアン ロムルス Alien Romulus/フェデ・アルヴァス
タイトル:エイリアン ロムルス Alien Romulus 2024年
監督:フェデ・アルヴァス
久しぶりにダラダラとエイリアン4を観た。ジャン・ピエール・ジュネらしい雰囲気とエグさが同居している部分は今みても良かったが、後半のタイムリミットとその後が示唆されない(クローンリプリーが地球に着いたら人体実験が繰り返されるだけ)部分が腹落ちしなかった。
それにしても本作ロムルスは蛇足以外の何者でもない。近作のリドリー・スコットのプロメテウスとコヴェナントも蛇足…というかドラマ部分の雑さが際立っていてどうにも気が逸れた。しかしながら、コヴェナント以前の作品には何かしら新味があったり、1の暗さと密室感、2のアクション映画なスケール感、身籠ったリプリーの3、ジュネらしいインダストリアルな世界観とエグいクローン実験の4、1へのミッシングリンクが描かれたプロメテウス、エグい人体実験にされたショウ博士が登場するコヴェナントと必ず新しいものが含まれていた。本作もニューボーンとエンジニアが混ざったようなアレの登場など、新しいキャラクターはいるもののどうも新鮮味には欠ける。結局のところ1からコヴェナントまでの要素を全部盛りしたアクション映画になっていて、これまで以上にドラマ部分の欠落が痛い。1から2へ繋がると言っても、あくまでも時系列で繋がっているだけで、1で宇宙に放出したエイリアンを回収してフェイスハガーが量産される理由が分からない。しかもプロメテウスとコヴェナントで出てきた黒酢が出てきて、何もかもしっちゃかめっちゃか。これまでにあった心に刺さってくる絶望感とエグさが希薄なのが何より物足りない。
倒しきれない大量のエイリアンが出てきて成功したのは2ぐらいだったけど、本作はエイリアンvsプレデターばりにアクションに振り切ってしまった結果、またエイリアンが軽々しい存在になってしまった印象は否めない。単なるアクション映画に収まってしまっているのと、あまりにも過去作をなぞっただけの造りにやる意味があったのか…。
けれど怪物アクションホラーとして観ればつまらないわけでもなく、ジャンプスケアを塗したデートムービーなだけかなと。
リドスコ作品ですら惰性な感じが拭えず、コヴェナントがこけたのでアクション映画に至ったのだと思うが、エイリアンフランチャイズの中でも余計な作品としか思えない。どうせやるなら、ちゃんと2に繋がる因縁は感じさせて欲しかった。
これはダメでしょ。