小説とは異なる映画の良さを実感。小説は別のものとして存在している。ヴァイオレットエバーガーデン考
まだシュリンクめくってないですからね。どれだけこの本を手に入れて心踊っていたかということがわかります。入手困難っていうのはこういうことを言うんですね。
これを買ったのが11月の初め。
読み終わったのが昨日。ちょっと温め過ぎですね、ほんと。あんなに心乱されたのに、この始末。小説、久しぶりに読むからそれもあって、つい。
小説全体に言えることといえば、情景描写が本当に細かいのと、登場人物それぞれの描写さえも細かい為、読者側がもう大体整っているにもかかわらずまだ言ってる、といえなくもない流れ。特に下巻はもはやすっ飛ばしたとしても、正直それほど本筋からズレずに読破できます。そういうところがアマゾンにあるあの辛口コメントにつながってくるんだなと分析しています。
鬼滅の刃のあのあっさりした描写と比較すると、おそらく同世代のこの作者がこれほどまでに違いを見せてくれたことを面白く感じます。そしてその映画が同時期に上映されていたことを。(両方観たし、両方良かった)
主人公を際立たせて、その他の人たちの描写は極力抑える方法と主人公をなるべく抑えてその他の人たちを可能な限りそれぞれ時系列で確実に描写するやり方。両方とも良い。
あれ、鬼滅の刃との比較をしたかったわけではない。そう、内容。
さて、どうだろう、面白かった。それしか言えない。流石に映画みたいに小説の方では一切泣けなかったけれど、主人公の出生の秘密という最大のポイントを完全に排除してくれてるのも良い。「ただ、あの頃のことはよくわかんないけど、今、こうなの。」というところは鬼滅の刃以上にスッパリしてて潔い。もしかして外伝に出てくるのかもしれないけれど、今のところはそう思っている。
で、最大のポイント。なんで映画であんなに泣いたのか。
「音楽及び映像美」
これに尽きる。
いや〜映画って、本当にいいですね。
京都アニメーションの技術力に脱帽。主人公の揺れる髪が本当に美しくて、引き込まれました。花の香りが漂ってくるような、美しい映画。
早い話、映画だからこそ、良かった。大画面で観て欲しい。小説の良さもあるけれど、これは本当に映画を観てほしい。そんな物語。