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一人ぼっちのススメ『僕の宝物時間』
平日休みの日、息子を学校近くのコンビニまで迎えに行った。
息子には朝のうちにコンビニで待ち合わせしようと伝えている。
ついでに〜と待っている間車の中を掃除していたのだけど、息子全然来ない。
もしや掃除している間に息子を見過ごしたかも…不安の中引き続き待っていると他の子達とは随分遅れて息子が歩いてきた。
何か、鼻赤くない?泣いてる?
近寄ってみると、涙を流しながら息子は
「僕、すごくすごく遅くなっちゃったから母ちゃんもういないかと思った」
と言う。
約束したんだからちゃんと待っているよと伝えて車に乗り込んだ。
帰りの車の中で息子は何やらしょんぼりして
「毎日母ちゃんがお迎えだったらいいのに…」
と言った。
そういえばこないだまで「お迎えいらない!」と言っていたのに今日はすんなり「うん!」だったな。
何か理由があるのか聞いてみると
「お友達が一緒に帰ってくれないことがあるんだ」
と話し始める。
私はしばらく考えて
「じゃあさ、1人で帰る時の楽しみを見つけてみようよ!」
と提案した。
帰り道にある息子の気になるものを教えてもらって、1人だと他の子を気にしないでいくらでも観察できるよと伝える。(川や車道などの場所は危ないことを付け加えるのを忘れず)
そしてもう一つ伝えたのは
「頭の中に自分の大好きな歌を流しながら歩くんだよ」
子供の頃、1人で帰りたくて人を避けて遠回りして歩く子だった。
歩きながら頭の中にはその時に好きな曲を流す。イヤホンやiPhoneはなかったけれど私の頭の中はいつだって好きな曲を再生できた。
誰にも邪魔されず、時々口ずさむ。
仲間外れは確かに寂しかったけれど、1人でいたい時は1人でいようと思っていた。
“1人でいることを怖がらない“ということを息子には伝え続けてきた。
誰かと一緒じゃないと何もできない生き方は自分自身が苦しくなる。
誰かと一緒にいる時と同じくらい“自分と一緒にいる時間“も楽しいのだ。
それを知って生きるか否かは全然違う。
息子はしばらく考えて「明日の帰り道は何の曲にしようかな」と言い始めた。
一緒に音楽を探して盛り上がる。
息子は米津玄師が好きなのでアルバムからしばらく選んでいた。
どの曲にしたかは「内緒だよ」とのこと。
それでいい。息子だけの大事な宝物時間。思う存分楽しんでほしい。
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