ねこ
ぶんちゃんは私が寝込んでる時もそばに居てくれたし一緒に楽しいこともしてくれた
どこへいくにも着いてきて私が学校から帰ってくると迎えに来てくれる。かくれんぼもしたし私の肩に乗って校区内をブラブラしたりもした。外にいる時は小声で話しかけた。ダンボールで作った初めての力作ぶんちゃんハウスも愛用してくれてとても心が広い優しいねこだった。ぶんちゃんは大人になっても小さかったアメリカンショートヘア。
大人しくて時々私の手を舐める。初めて舐められた時は想像以上にザラザラしててびっくりした。
夜ご飯を食べる時もずっと私の横か膝の上に居てぶんちゃんがおばあちゃんの飼っていたメダカを食べた時は一緒に怒られたりもした。家でぶんちゃんが待ってる。それだけで毎日が華やかで私の希望だった。友達もちらほら居たがそんなことよりずーーーっとぶんちゃんと居たかった。ぶんちゃんのことを観察する毎日。どれだけ幸せだったか。あの頃にもしぶんちゃんが一緒に居てくれなかったらたぶん私はもうダメだった。今よりも酷い状態だったろうし自殺行為も未遂にはならなかったかもしれない(それが良かったことなのかは置いておいて)
あの頃はお父さんもお母さんも居なく寝るのが早いおじいちゃんとおばあちゃんに育ててもらっていた。親戚のおじとその彼女(茶髪ギャル)も家の一番端にある部屋に居たけどいつも部屋の中に居るのでほとんど会わない。部屋の入口に理科室と同じような遮光カーテンがついていて寝ているのか起きてるのか分からない。あの部屋には窓がないのにどうしてカーテンを入口につけたんだろうか。2ヶ月に1度くらいの頻度でその2人とすれ違う。その時に手に持っているマクドナルドの袋からハッピーセットのおもちゃを出して私にくれる。この2人の生活は大人にしかできないことなので少し憧れていた。(私以外の家族からは煙たがられていた)
1度ぶんちゃんと家の端っこにある2人のお部屋にお邪魔したことがある。カーペットはファサファサの長い毛をしたやつで窓がない部屋でまあるい傘っぽい電気が白く光ってて変な感じがした。嗅いだことのない匂いがして端の方にマクドナルドのゴミがあった。このころマクドナルドの中身を見たことがなかった。袋と匂いとハッピーセットのおもちゃだけ知っている。(初めて食べた時はあの二人は毎日こんなものを食べていたのか!と驚いた。そしてまたやはり大人までの道のりの長さを痛感した)
そして何よりその2人が使っているトイレが怖いのだ。入口には一反木綿の怖いシールが貼ってあってなんて書いてあるのか聞いたら妖怪出没注意⚠️と教えてくれた……悪趣味だ。
中はもっと怖くてバケモノみたいなスリッパ、ウサビッチに出てきてそうな青色のトイレ、ぶら下がってる光るドクロ、コウモリのおもちゃ数匹、男とか女とかの写真、デビルマンのフィギュア、その他なにか知りたくもない怖いやつたちがいっっぱいある。丁度トレインスポッティングのトイレのように私からは見えていた。今も夢に出てくる。怖くなってきた。助けてぶんちゃん……
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