見出し画像

漢文句法:覚えたい例文一覧

1・再読文字

1・未知 
いまだしらず
まだ知らない
2・雨将降
あめまさにふらんとす
雨が今にも降ろうとしている
3・将行 
まさにゆかんとす
(今にも)行こうとしている
4・当知
まさにしるべし
当然知っているはずだ
5・応知
まさにしるべし
きっと知っているだろう
6・宜知
よろしくしるべし
知っているのがよい
7・須知
すべからくしるべし
知らなければならない・ぜひとも知る必要がある
8・過猶不及 
すぎたるはなほおよばざるがごとし
行き過ぎは足りないのと同じようだ
9・盍 言
なんぞいはざる
どうして言わないのか、言った方が良い

再読文字2
1・未 足 与 議
いまだともにぎするにたらず
まだ一緒に相談するに足る人物ではない
2・天 将 棄 予
てんまさによをすてんとす
天が今まさに私を見放そうとしている
3・引 酒 且 飲
さけをひきてまさにのまんとす
酒を引き寄せて飲もうとしている
4・人 当 知 足
ひとまさにたるをしるべし
人は当然満足することを知るべきだ
5・応 知 故 郷 事
まさにこきょうのことをしるべし
きっと故郷のことを知っているだろう
6・君 宜 反 本
きみよろしくほんにかへるべし
あなたは基本・根本にかえるのがよい
7・須 惜 少 時
すべからくしょうねんのときをおしむべし
ぜひとも若い時代を大切にする必要がある
8・過 猶 不 及
すぎたるはなほおよばざるがごとし
行き過ぎは足りないのと同じようだ
9・盍 各 言 爾 志
なんぞおのおのなんじのこころざしをいはざる
どうして、めいめい自分の志を言わないのか。言った方がよい。
9・何 不 秉 燭 遊 
なんぞしょくをとりてあそばざる
どうして燭を手にして遊ばないのか。いや楽しもう。

2・否定形

10・毋妄言
まうげんするなかれ
みだりなことを言ってはいけない
21・吾矛之利、於物無不陥也
わがほこのりなること、ものにおいてとほさざるなきなり
私の矛の鋭いことは物で通さないものはない
12・不能不行
ゆかざるあたはず
行かないことはできない
13・無夕不飲
ゆふべとしてのまざるはなし
飲まない夜はない
14・未嘗不泣
いまだかつてなかずんばあらず
泣かなかったことはない
15・不必有 
かならずしもあらず
必ずあるとは限らない
15・必不有
かならずあらず
16・不倶戴天
ともにはてんをいただかず
同じ天の下でともには生きていることはできない
17・未能悉去
いまだことごとくはさるあたはず
まだすべて取り去ることができたわけではないない
18・不善之人、未必本悪
ふぜんのひといまだかならずしももとあくならず
悪さをする人も全てがもともと悪人なのではない

3・疑問形

19・誰加衣者
たれかいをくはへしものぞ
誰が衣をかけたのか
20・何言
なにをかいふ
何を言うのか
21・今蛇安在
いまへびいづくにかある
今、蛇はどこにいるのか
22・何為不去也
なんすれぞさらざるや
どうして去らないのか
23・君安与項伯有故 
きみいづくんぞこうはくとこある
あなたはどうして項伯と古なじみなのか
24・人長幾何
ひとのたけはいくばくぞ
人の身長はどれくらいか
25・創業守成孰難
さうげふとしゅせいといづれかかたき
創業と守成ではどちらが難しいか
26・以五十歩笑百歩、則何如
ごじゅぽをもってひゃっぽをわらはば、すなはちいかん
逃げたのが五十歩であるという理由で百歩逃げた者を笑ったとしたらどうであるか
27・城中何如
じゃうちゅういかん
城壁(町)の中はどうなっているか
28・如若何
なんぢをいかんせん
おまえをどうしようか
29・奈吾民何
わがたみをいかんせん
私の民をどうしたらよいか
30・不足乎
たらざるか
足りないのか
31・聖人在乎
せいじんありや
聖人はいるか

4・反語形

32・燕雀安知鴻鵠之志哉
えんじゃくいづくんぞこうこくのしをしらんや
小さな人物かどうして大きな人物の志をわかろうか。いやわかるはずはない33・子安能為之足
しいづくんぞよくこれがあしをつくらん(や)
あなたはどうしてこれの足を作ることができようか
34・吾不生也
われいきざらんや
わたしは生きないだろうか
35・虞兮虞兮奈若何
ぐやぐやなんぢをいかんせん
虞よ虞よお前をどうしよう、いやもうどうすることもできない
36・豈遠千里哉
あにせんりをとほしとせんや
どうして千里を遠いと思うだろうか。いや~
37・敢不言乎
あへていはざらんや
どうして言わないだろうか。いや~
37・不敢泣
あへてなかず
しいて泣かない
38・独畏廉将軍乎
ひとりれんしょうぐんをおそれんや
どうして廉将軍を畏れるだろうか。いや~
39・何不秉燭遊
なんぞしょくをとりてあそばざる
どうして灯火を手にして遊ばないのか、遊べばよいのに

5・詠嘆形

40・嗚呼、天将棄予 
ああ、てんまさによをすてんとす
ああ、天が私を見捨てようとしている
41・呉王曰「善哉」
ごおういはく「よきかな」と
呉王は「良いことだ」と言った
42・是何楚人多也
これなんぞそひとのおほきや
なんと楚の国の人の多いことよ
43・不亦説乎
またよろこばしからずや
なんと喜ばしいことではないか
44・豈不哀乎(詠嘆で)
あにかなしからずや
なんと哀しいことではないか
45・豈不言乎(反語で)
あにいはざらんや
どうして言わないだろうか
46・豈不言乎(疑問で)
あにいはざるか
どうして言わないのか

6・使役形

47・有使涓人求千里馬者 
けんじんをしてせんりのうまをもとめしむるものあり
召使に千里の馬を求めさせた者がいた
48・命故人書之
こじんにめいじてこれをかか(しょせ)しむ
旧友に命令してこれを書かせた

7・受身形

49・信而見疑、忠而被謗
しんにしてうたがはれ、ちゅうにしてそしらる
正しいことを言って疑われ、まごころを尽くして謗られる
50・先即制人、後則為人所制
さきんずればすなはちひとをせいし、おくるればすなはちひとのせいするところとなる
他人より先行すれば人を制圧でき、後れを取れば人に制圧される
51・辱於奴隷人之手
どれいじんのてにはづかしめらる
奴隷人の手によって辱められる
52・人喰於虎
ひととらにくらはる
人が虎に食われる
52・人喰虎
ひととらをくらふ

8・仮定形

53・如詩不成、~ 
もししならずんば
もし詩ができなければ
54・苟能充之、~ 
いやしくもよくこれをみたさば
もし、これを充たすことができれば
55・縦彼不言、籍独不愧於心乎 
たとひかれいはずとも、籍ひとりこころにはぢざらんや
たとえ彼らが非難しなくても、私はどうして心に恥じないだろうか
56・雖有舟、
ふねありといへども
たとえ舟があった~としても
57・越官則死 
かんをこゆればすなはちころさる
職分を越えれば殺される
58・民無信不立 
たみしんなくんばたたず
民の信がなければ(政治は)成り立たない
59・非其君不事 
そのきみにあらずんばつかへず
(仕えるに値する)君主でなければ仕えない
60・使臣用之、則君反制於臣矣
しんをしてこれをもちゐしめば、すなはちきみかへってしんにせいせらる
私にこれを用いさせるなら、あなたは反って私に制圧されることになる
61・今王必欲致士、先従隗始
いまおうかならずしをいたさんとほっせば、まず隗よりはじめよ
もし王が優れた人材を招きたいと思うならまず私から始めてください(優遇してください)

9・限定形

62・惟有黄昏鳥雀悲 
ただくわうこんてうじゃくのかなしむあるのみ
ただ黄昏に小鳥が悲しげにさえずっているだけだ
63・今独臣有船
いまひとりしんのみふねあり
今私だけが舟を持っている
64・此妄言耳
これまうげんなるのみ
これは妄言 に過ぎない
65・夫子之道、忠恕而已矣
ふうしのみちはちゅうじょのみ
先生の道は忠恕(真心と思いやり)に尽きるのです

10・累加形

66・不惟愛之、憎之 
ただにこれをあいするのみならず、これをにくむ
ただこれを愛するだけではなく、これを憎む 
67・豈唯愛 
あにただにあいするのみならんや
どうしてただ愛するだけだろうか
68・臣不惟能造舟、而又能操舟
しんただによくふねをつくるのみならず、またよくふねをあやつる
私はただ舟を造ることができるだけでなく、操縦することができる
69・故郷何独在長安
故郷なんぞひとり長安にあるのみならんや
故郷はどうして長安だけだろうか

11・比較形

70・冬寒於秋
ふゆあきよりもさむし
71・百聞不如一見
ひゃくぶんはいっけんにしかず
百回聞くことは一回見ることに及ばない
72・禍莫大焉
わざわひ、これよりだいなるはなし
禍でこれより大きいものはない
73・衣莫若新、人莫若故
いはあたらしきにしくはなく、ひとはふるきにしくはなし
着物は新しいものに及ぶものはなく、人は古なじみに及ぶものはない

12・選択形

74・寧為鶏口、無為牛後
むしろけいこうとなるとも、ぎゅうごとなるなかれ
鶏口(小さいものの頭)になっても牛後(大きいものの尻)になるな
75・与其不孫也、寧固
そのふそんならんよりは、むしろこなれ
尊大であるよりはむしろ頑固である方がよい
76・与其有楽於身、孰若無憂於其心
その身に楽しみあらんよりは、その心にうれひなきにいづれぞ
肉体的な楽しみよりは、心に心配がないのに比べてどうか→よいのではないか
77・新垣結衣孰与堀北真希 
新垣結衣は堀北真希にいづれぞ
新垣結衣より堀北真希の方がいいのではないか
78・与其生而無義、固不如烹 
その生きて義なからんよりは、もとよりにられんにしかず
生き延びて義を失うよりはいうまでもなく煮殺されたほうがましである

13・抑揚形

79・死馬且買之五百金、況生馬乎
しばすらかつこれをごひゃきんにかふ。いはんやいけるうまをや
死んだ馬でさえ五百金の大金で買ったのだから生きている馬ならなおさらだ(高く買うだろう)
80・庸人尚羞之。況於将相乎
ようじんすらなほこれをはづ。いはんやしゃうしゃうにおいてをや
凡人でさえこのことを恥ずかしいと思います。まして大将、大臣の身分ならなおさらでしょう
81・富貴則親戚畏懼之、貧賤則軽易之。況衆人乎  
ふうきなればすなはちしんせきもこれをいくし、ひんせんなればすなはちこれをけいいす。いはんやしゅうじんをや
親戚でさえ、富や身分があれば畏れ慎み、貧しく地位もなければ私を軽んじ侮る。まして一般の人ならなおさらだ
82・臣死且不避、卮酒安足辞
しんしすらかつさけず、ししゅいづくんぞじするにたらん(や)
私は死さえ避けない。まして大盃の酒など辞退するに足るだろうか。いや~

14・願望形

83・王好戦。請以戦喩。
おうたたかひをこのむ。こふたたかひをもってたとへん
王様は戦いがお好きです。どうか戦いで例えさせてください  
84・願大王急渡  
ねがはくはだいおういそぎわたれ
どうか大王様、急いで(川を)お渡りください
85・王庶幾改之。
おうこひねがはくはこれをあらためよ
王様どうかこれを改めてください

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?