設定厨勝利の時代が来るのか?
その昔、「設定厨」と呼ばれる存在があった。例えば、漫画なり小説なりゲームなりの世界観やキャラクターの設定だけを考えて、実際の制作にはなかなかとりかからない(または完成しない)人のことだ。
テーブルトークRPGと呼ばれる、ダンジョンズ&ドラゴンズを始祖とする「紙とサイコロで遊ぶゲーム」でも、この設定厨は多かったという。テーブルトークRPGの場合一人が一つキャラクターを担当するのだが、その設定が異様に細かかったりするのである。設定と言うのは、通常だと「僕のキャラクターはドワーフの戦士で、斧マニアでもあるので斧を見つけると興奮しがち」みたいな感じ。この程度は全然問題なく、ゲームのシナリオや進行を担当する側(ゲームマスター=GMと呼ばれる)にとっても設定をシナリオに組み込みやすかったりするのでむしろ歓迎されたりする。上記の例でいえば「では今回は名匠の作った斧を報酬にして依頼を受けさせる流れを作ろう」的な利用のしかた。
問題は、「勝手に世界に影響を及ぼすレベルの背景を作っている」ような場合。
「人間の騎士なんだが王家の血筋を引いていて、じつは先代王様の妹の子供。王家に伝わる魔法の剣を所持していて、いざという時には剣に封じ込められたドラゴンが助けてくれる」
みたいなことを言われるとまさに「勝手に作ってんじゃねぇよ」と言うしかなくなる。そこまでやりたいなら自分でシナリオやら世界観やら作れと言いたくなるところだが、そういう人に限って面倒な部分はやらなかったりする。
マンガや小説でもそうだが、「楽しい部分だけ考えるがそれ以外の部分はなかなか進まない」というパターンである。そういう人だと「まずは書いてみたら?」と言われても「設定を先に固めておかないとムダになる」とか「画期的な設定が完成すればあとは形にするだけだから」と言って書かなかったりするのである。
だが、ふと考えた。「大量の設定だけあるようなものをChatGPTにぶち込んだら小説を完成させてくれたりするんだろうか?」と。
「12匹の龍が治めているファルグラシア大陸で、最も力のある黒龍ヴァルフダインが突如人間を滅ぼすという号令を出し…」みたいな1分で考えたような設定でも、形にしてくれるのならなんか可能性があるのかもしれない!…と思ったがそもそもどんな指示を出せばいいやらわからない。
ということで上記の設定に多少足して、以下の設定を入れて「小説を書いてくれ」と指示してみた。
↓そして出てきたものがこちら
書きかけみたいに止まってるし、国語のおかしさ、聖剣のほうが主人公になってるところなどツッコミどころはいろいろあるが、なんとなくのストーリーにはなっている。
これに修正を加えながらやっていくのと、自分でイチから書くのとどっちがラクなのだろうか。大量に設定をぶち込めるならそれはそれで面白いものが出るかもしれないが…。
実際にAIを使って創作活動してる人はどのように活用してるのか、気になる。