「考える方程式」は無敵ではない。
理数系に昔から弱かったので、その流れで「分析」が結構苦手である。いわゆる統計の数値がうんぬんとかそういうやつ。しかし、浅い分析というのはよくやっていて、「身の回りに聞いたら5人のうち3人がこう言ってたな」程度の内容をnoteのネタにすることもある。
いわゆる「お茶の間マーケティング」だ。いわゆる、と言っていかにも存在しそうな雰囲気を出したが実際は造語。要するに「手の届く範囲のみ調べる」というやり方である。「息子も娘も●●に興味がないので今の若い子は●●をあまり知らないのかも?」といった感じで、実際に広く調べてみると全然そんなことなかったりする。
じゃあ全然マーケティングでもなんでもないやんけ、と言われそうな気もするし、実際そうだと思う。なので「●●ってもしや■■なことが多いのではなかろうか」と思ったとしても、根拠が薄い。コンサルタント会社にいたら2秒くらいで解雇されそうなレベル。
ただ統計学として考えると、少ない例でも拡大して考えれば…ということもあるようなので、あながち外れてない可能性もある。
ただそれでもあくまで可能性の話で、実際に膨大なデータを取ったり、細かく分析しているような人と比較すると精度がまったく違う。
世に出ているビジネス本やら、WEBで公開されている「私のやり方」的なものは、さすがにそれなりのハードルが設定されているものがほとんどだ。
「これだけでOK!考え方の3ステップ!」みたいなことを書いてあったとしても、よく見ると1ステップごとに考慮しないといけないポイントが8個くらいあったりして「話が違うやんけ」となったりする。
あと、「一見わかりやすそうに見えるもの」の代表格が、方程式である。
「日常×意識外」みたいな感じで、これとこれを組み合わせるとこういう条件を満たすものができますよ、と書いてあり、それさえ意識すれば誰でもできるような気がしてくる。
そして実際は「気がしただけ」ということが多いものである。そもそも上記の例でいえば「意識外」の捉え方が本当に正しいのか、という問題が立ちはだかってくる。
「意識外といえばサプライズだ!急に大量のドローンがプレゼント持ってくる企画はどうでしょうか!?」
「危険だし許可下りないに決まってんだろバカ、いいか意識外というのはそういうことじゃなくて…」
みたいなことになる。まあだからこういう方程式は個々の意味を正しく理解できている人でないと活用できない。「私のやり方」的なものを読んだら速攻でいいものができました、という人は元からそういう能力が高い人である。読んでわかった気になったけどわかってない、という人の方が多いだろう、自分も含めて。
じゃあどうすればいいのかといえば、まあとにかく引き出しを増やすためにいろんなものを知っておく、くらいしかないような気がするが。そのうち理解できるようになるかもしれないし。といっても読んで苦痛なものをまとめて読んだところでだいたい理解できないし記憶も定着しないものなので、「面白い!」と思うものにたくさん触れればいいんではないかと。
もちろん「私のやり方」的なものを読んで理解できればそれでいいわけだが。「理解できない…だから自分はダメなんだ」とならずにまああくまで考え方の一つ、くらいに捉えておくのがよいと思います。