樋口季一郎中将の銅像が札幌に
◉ようやく、ですね。樋口季一郎中将、自分は名前を知ったのはだいぶ後で、高校や大学の頃は存じませんでした。その功績は樺太の戦いや占守島の戦いなど、対ソ連の戦闘のみならず。ナチスドイツによる迫害を逃れた、ユダヤ人避難民に対して満洲国通過を認めるなど、ドイツ人実業家のオスカー・シンドラーや杉原千畝リトアニア・カウナス領事と並び称されて然るべきなのですが……。
【旧日本陸軍・樋口季一郎中将の銅像を札幌に建立へ ソ連の北海道侵攻を阻止、功績たたえる】産経新聞
先の大戦のポツダム宣言受諾後、旧ソ連の北海道侵攻を阻止した樋口季一郎陸軍中将の功績をたたえ、札幌市中央区の札幌護国神社に樋口中将の銅像が建立される。孫の樋口隆一・明治学院大名誉教授が代表理事を務める一般財団法人「樋口季一郎中将顕彰会」が23日の設立総会で決めた。
令和9年8月18日の除幕式を目指す。終戦直後の8月18日は樋口中将の守備隊と、千島列島の占守島に侵攻したソ連軍との戦いが始まった日だ。
樋口中将は満州でユダヤ人難民を救ったことでも知られる。樋口代表理事は「銅像建立を通じて樋口中将の功績を世界に伝え、国際的な友好の輪を広げたい」と述べた。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、札幌時計台の写真です。
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■存在が隠された理由■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。なぜ、それほど知られていないかといえば、戦後の群論空間を支配してきた左派にとっては、都合が悪い人物なんですよね。軍人で、ユダヤ人迫害に対して人道的な行動を取り、ソビエト連邦の質素不可侵条約を保護にした蛮行に抗戦し、戦後は戦犯として指名されそうになったらユダヤ人コミュニティーがロビー活動を行って、英国が逮捕要求を拒絶。実際には刑罰どころか、基礎さえされていない岸信介を、戦犯戦犯と言い募ってきた左派にとって、攻撃する瑕疵があまりない。けっきょく、無視することでその存在を消すしかなかったのかなと、考えたりします。
なにしろ、60年安保闘争や70年安保闘争の頃は、ソビエト連邦・中華人民共和国・北朝鮮（朝鮮民主主義人民共和国）を平和勢力として、アメリカ合衆国を米帝と読んでいたのが、日本の新聞・テレビ・ラジオ・雑誌の旧メディアですから。樋口季一郎中将のような存在は、心の祖国ソビエト連邦にダメージを与えた、鬼か悪魔か畜生か、ぐらいの感覚だったでしょう。かの辻政信さえ銅像が建っているのに、樋口季一郎中将はその功績に比して、知名度も評価も低く。生まれ故郷の淡路島に銅像が建ったのさえ、令和になってから。
■オトポール事件とは■
樋口季一郎中将のユダヤ人政策にに関しては、オトポール事件と呼ばれています。第１回極東ユダヤ人大会でヒトラーのユダヤ人迫害政策を批判し、ソレント満州の満国境沿いにあるシベリア鉄道・オトポール駅（現在のザバイカリスク駅）まで逃げてきたが足止めを食らっていたユダヤ人に、食事と衣類と燃料を与え、満洲国内への入植や上海租界への移動の手配を行ったわけで。この事件に関しては、初期の資料の混乱もあり、助けたユダヤ人の数が多すぎるとか、批判もありましたが。その数の疑義を持って、そもそもユダヤ救出自体がなかったかのような言説も、あったようで。
人数の疑義は、学問分野の話ですから、徹底的に研究すればいいのに、そこは避けて樋口季一郎中将の功績はなかったもののように扱う。南京事件の態度とは真逆で、笑ってしまうのですが。少なくとも、対ソ連抗戦は、きちんと評価すべきだと思うのですよ。プーチン大統領によるウクライナ侵攻によって、ロシア連邦も前身のソビエト連邦と同じ、権威主義国家であり、侵略を厭わない国家であり、それは天安門事件やチベット・ウイグル・香港への人権弾圧を行う中国、拉致・テロ・偽ドル札・覚醒剤密造・ミサイル開発・核開発・ウクライナ派兵の、ならず者国家だとバレたのですから。樋口季一郎中将も、是々非々で評価すべきでしょう。
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