通販生活が謝罪
◉通販生活を発行するカタログハウス社が、ウクライナ大使館からの抗議に対して、公式に謝罪しました。しかも、問題の23年冬号の発売も、各所で販売を見合わせるようです。もうちょっと、突っ張るかと思ったのですが。ヘタれるのが早かったですね。国際問題になったってのが、堪えたのか各国の全権大使というのは、「我が国と帰国は戦争状態にある」と口頭で申し入れれば、宣戦布告の代替と見做されるほど。軽い存在ではありません。もちろん、カタログハウス社側は、突っぱねるのも言論の自由です。
ヘッダーは通販生活2023年冬号より。
◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉
■通販生活のお詫び文■
そこで「我が社の社長の信念と編集方針に沿った表紙であり、なんら問題ないと認識しています。言論の自由を否定する、ウクライナ大使館の言論弾圧には屈しません。ウクライナ側は、伊勢崎賢治東京外国語大名誉教授の停戦案を真摯に受け止めるべきです。批判されている方は、通販生活を購入いただかなくてけっこうです。当社は今後も、社民党に政治献金します」と言えば、福島瑞穂党首も大椿副党首も、泣いて喜んだかも? そしてこちらが、X(旧Twitter)での謝罪ポストです。
そして、こちらがカタログハウスの直リン。
https://www.cataloghouse.co.jp/information/2023winter.html?cid=tw
なんと、メンテナンス中と機能から表示され、それが今も続いています。やる気があるのかな? それとも、謝罪したらさらなる批判が集まって、慌ててメンテナンス中にして、善後策を協議しているのか? あるいはアクセス集中で、単にサーバがダウンしたのか? いずれにしろ、お粗末な対応ですね。
■ウ大使館への謝罪文■
そして、セルギー・コルンスキー駐日ウクライナ特命全権大使が、謝罪文をX(旧Twitter)にアップしました。その意図は不明ですが、たぶん怒っておられるのでしょうね。謝罪文で言い訳したら、火に油を注ぐだけなのに。危機管理の専門家のアドバイス、もらわなかったんですかね? あるいは批判ばかりして、めったに謝罪しないから、謝罪慣れしていないんでしょうかね? 文言が変です。冒頭から「今さら申し上げるまでもなく」って、何様のつもりでしょうかね。私達は間違っていないがオマエらが誤解したと、言いたいようで。
画像も、資料的な価値があるので、転載しておきます。
酷い悪文ですね。まず、全権大使に「様」は、間違いではないですが一般的には「閣下」でしょうね。そういう保守的な文化の知識は知らないでしょうけれども。三谷幸喜さんの『古畑任三郎』でも、松本幸四郎(現松本白鸚)さんが犯人役の『すべて閣下の仕業』では、そこはちゃんと、松本幸四郎さん演じる中南米某国の特命全権大使・黛竹千代を、周囲の人間は閣下と呼んでいましたね。謝罪文なら、それぐらいの配慮は必要でしょうね。まず、謝罪の文言から入る。そこは鉄則でしょう。
ウクライナ性生活用品の通信販売にも力を入れており云々は、品切れで放置状態がずっと続いていると、揶揄されていますね。「ウクライナの名誉を守る形での停戦」の第三者の提案って、あんな表紙が提案ですか? ほぼ、伊勢崎教授の言ってる内容に沿っており、ウクライナの主権を放棄させ緩衝地帯にするってのが提案だとしたら、そんなのは提案ではないと言われるのが落ちでしょう。だいたい、クリミア半島で味をしめて再び侵攻してきたのに、盗人匂い銭を与えろが提案ですか? 正義によってバランス感覚がおかしくなています。
■ウクライナ側の主張■
そういえばウクライナ大使館側の「在日ウクライナ大使館はこのような呼びかけ及び例えを、日本国民及び日本政府の立場に矛盾するものとして強く非難します。」に、カチンと来た日本人もいたようですが。駐日米大使の数々の上から目線の押し付けがましい発言が顰蹙を買っているので、だいぶ言葉を選んでいますね。日本の多数派の意見にあーしろこーしろと、命令する気はないですし、我が国と日本国政府の意見は一致していますんでっていう、エクスキューズでしょ。テメェの意見は少数派で、反政府的じゃねぇかを、丸めるとこうなるわけで。
「ロシアは侵略国家であり」以降は、ウクライナ大使館の意見ですしね。まず、ロシアがウクライナから撤退すれば全てが解決するのに、なぜ被害者のウクライナ側に忍従を要求するのか? これはハマスの側のメチャクチャな殺戮をスルーして、イスラエル側のみ責める左翼仕草とも重なりますが。未だに九条九条言ってる社民党と福島瑞穂党首が、ロシアに九条を写経して、撤退を呼びかけないように。ウクライナの言動に問題があれば、そこは是々非々で議論すればいいのであって、党派性丸出しの主張をしてると、矛盾することになるだけです。
これは右の側も同じで、伊藤博文がテロリストだと揶揄されたら、「世界的にはテロリストである人物を韓国人が安重根義士と呼ぶように、私はテロリストの過去があっても伊藤博文公と呼びます」とでも切り返せばいいのに、できない杉田水脈議員も同じですが。伊藤博文が、英国公館焼き討ち事件に参加し、山尾庸三と共に塙忠宝と加藤甲次郎を暗殺しているのは、歴史的な事実なんですから。勝てば官軍がまかり通るなら、某国際テロ集団が政権獲ったら、「あれは空港で重を乱射したが、回避行動を取らなかった一般市民が悪い」とでも言うんですかね?
■キャンセルされる側■
個人的には、平裕介弁護士のコチラの指摘が、重要に思います。言論の自由を尊重すれば、どうしても自分の主義主張にとって不利になることはあります。そういうとき、筋を通せるかどうかです。ナチスの理論的支柱となった政治学者カール・シュミットは、ユダヤ人法学者のフーゴー・プロイスを高く評価したため、失脚します。でも結果的に、戦後に逮捕されニュルンベルク裁判では尋問を受けましたが、不起訴になります。これは、岸信介が東條英機内閣の倒閣に動き、戦後は戦犯容疑で逮捕されても不起訴となったのに似ていますが。筋を通すの大事。
今までは、一方的にキャンセル・カルチャーを仕掛ける側だった左派が、逆襲されているのが現状。個人的には、防戦一方だった表現側が、反撃に出たのが『宇崎ちゃんは遊びたい!』の、朝刊五紙への広告でしたね。あれで、朝日新聞や毎日新聞の権威に依存していた連中は、黙っちゃった。ああいう形で、クレーマーはただの無視ではなく〝積極的無視〟を仕掛けることが大事かと。杉田水脈議員的な脊髄反射ではなく。宇佐美典也氏のコチラの指摘も、その点を指しているわけです。住民監査請求によって、表現を燃やすことが減った。それが答え合わせです。
まぁ、そのぶん水着撮影会とか、クレームに弱そうな部分を狙ってきていますけどね。でも、そういうことを繰り返していたら、サンドバッグの側も防御方を工夫しますし、なんなら反撃もしてくるわけで。そうやって、どんどん燃やせる相手もいなくなり、同時にあの教授はヤバい・あの弁護士はヤバい・あの文化人はヤバい・あのマスコミはヤバい……という、世間の認識が広がる。公金を受ける団体や個人には、会計の透明性が求められる、当たり前の話なのに。無理筋の擁護をする。
裁判に勝った勝ったと騒いでも、それで本業の仕事がちっとも増えないどころか、減ったらまさに「試合に勝って勝負に負ける」です。新宿西口バス放火事件の、死刑反対派弁護士の言動が、死刑廃止論の盛り上がりに何ら貢献しないどころか、かえって死刑存続葉が昔より増えてるように。勝利条件を設定せず、目先の勝利を追ったら、そうなりますよね? こんなのは、ちょっと賢い中学生でも判ることなのに、こうやって指摘されると今度は、当方を逆恨み。なんでそう、何でもかんでも感情論で処理しようとするのやら…。
■通販生活の表紙再掲■
せっかくなので、通販生活の表紙を再録。
あらためて、酷い内容だと思います。
気に入った方は、サポートで投げ銭をお願いします。あるいは、拙著をお買い上げくださいませ。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ