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TBSラジオが営業利益88.3%減

◉TBS ラジオが、広告収入が3億2200万円減収の59億6800万円で、前年同期比で5.1%減、営業利益に至っては2億6500万円減益の3500万円で、なんと前年同期比で88.3%減と、恐ろしい数字を叩き出しています。普通の会社だったら、社長の解任動議が、役員会で発動されかねないレベルです。でも個人的には、当然の結果だと思いますよ? だって、自分が好きだった番組はどんどん終わって行き、つまらない番組が増えたから。

【TBSラジオ、23年4月~12月期は営業利益88.3%減】ミュージックマン

TBSホールディングスは2月8日、2024年3月期第3四半期の連結業績(2023年4月1日~2023年12月31日)を発表した。

グループ会社のTBSラジオは、イベント収入は増収となったものの、広告収入がタイム・スポットともに減収となり、3億2,200万円減収の59億6,800万円(前年同期比5.1%減)、営業利益は2億6,500万円減益の3,500万円(同88.3%減)となった。

https://www.musicman.co.jp/business/598637

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ラジオのイラストです。

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■戦犯は三村前社長■

現在の社長は、林慎太郎氏ですが。前社長である三村孝成氏が、会長として止まっていますから。事実上の院政でしょうね。三村氏はTBSラジオを、FMラジオのようなラジオ局にしたかったようですが。AMにはAMの良さがあり、FMにはFMの良さがあるわけで。FM局みたいにしたいなら、別にそれがTBSラジオである必要なんかないわけで。しかもFMラジオのようにしたい理由というのが、スポンサーが欲しいから。

音楽が中心のFMラジオの場合、レコード会社などのスポンサーが比較的つきやすいため、そこを狙ってのことのようですが。バッカじゃねぇのとしか。まずお金ありきの、本末転倒な考え方であり。寿司屋に「今はラーメンが人気だから、ラーメン屋に転職しろ」というのと同じです。良くも悪くも、おしゃれなFMラジオに 比較して、AMラジオは市民の生活に密着した、雑多で泥臭い部分はあります。

政治や経済や、子供の教育や老後のことなど、生活に密着したものが話題になるし、絵作りさえできれば薄っぺらい内容でも持つテレビと違って、音だけで勝負するラジオの場合は、深い掘り下げが必要ですし。逆にテレビだと、短いスパンで話題をくるくる代えて取り扱うのに対して、ラジオは一つのテーマをじっくり掘り下げるのに向いた媒体でもあります。速報性の週刊誌よりも、話題を掘り下げ特集主義の、月刊誌のような側面があります。

■左傾化と内容劣化■

深い掘り下げをせずに、当たり障りのないおしゃれな番組作りをしようとしたら、無難なテンプレートに従ったり、必要に抗議してくるような輩が少ない方の意見に迎合した内容の方が、楽ですからね。結果、ストリームが謎の打ち切りをされた以降、荻上チキ氏とか青木理氏らが妙に重用されたり、それまで比較的ニュートラルな意見を言っていたタレントが、TBSラジオの方針に迎合するかのように左傾化していきました。

具体的に言えば、町山智浩氏や小田嶋隆氏、水道橋博士なども含めて良いでしょう。『荒川強啓デイ・キャッチ!』も終了し、自分が好きだった山田五郎さんや小西克也さんらは、TBSラジオと距離を置き。『森本毅郎スタンバイ』から月尾嘉男教授も去り。久米宏氏も去り。ライムスター宇多丸氏は左傾化し、武田砂鉄氏とか、そういう方の番組が増え。ついには伊集院光さんの朝の帯番組も終了し、赤江珠緒さんの昼の帯番組も終了。

これで利益がそのままだったら、逆に奇跡ですよね? 会社を辞めてフリーランスになった直後とか、それこそ 朝から晩までTBSラジオを流しぱなしだったのに。今は、『日曜天国』に『問わず語りの神田伯山』や『東京ポッド許可局』など、聞ける番組がどんどん減っています。伊集院光さんが辞めた理由自体は、本人の口からは間接的にしか語られていませんが。現場のスタッフがタレントを、使い捨てのコマぐらいに思っているのが見えます。

■社員免責の無責任■

そもそも2009年3月で、小堺一機さんと関根勤さんの、いわゆるコサキンのラジオ番組『コサキンDEワァオ!』が終了した時。伊集院光さんは、打ち切りの理由が聴取率が下がったからではなく、スポンサーがつかなくなったからという理由に、疑問を呈していました。だったら責任を取るのはタレントではなく、TBSラジオの広告を取ってくる営業部ではないのか、と。

TBSラジオは、聴取率がトップを走っていた時も、営業力が弱く、ニッポン放送に負けていましたからね。タレントが頑張って面白い番組を作って、聴取率も良い数字を獲得しても、スポンサーがつかないツケは、タレントに回される。でも、ロクなスポンサーを取ってこれないTBSラジオの無能な営業は、組合に守られて首にもならず。こんなバカバカしい話があるでしょうか?

けっきょく、情報の発信ルートを独占しているということで、殿様商売ができるわけです。出版社が作家を蔑ろにする部分と、同じ構造です。そしてこれ、日本テレビのプロデューサーや小学館の編集者は守られ、個人事業主である漫画家 にしわ寄せが来た『セクシー田中さん』問題と、同じ構造ですよね。昭和の頃のビジネスモデルによっかかったまま来たツケが、ようやく可視化されたということです。

■個人的な提案を…■

批判だけしていても、荻上チキチと同じですので、個人的な提案も。もう会社的には、無理なのかもしれませんが、思想的に偏った社員は現場から外し、もう少しニュートラルな意見を発信できるような体制にしないと、だめでしょうね。この場合のニュートラルというのは、足して2で割ったような無難な意見ではなく、右の意見も左の意見も扱うということです。陰謀論や非科学的な意見はきちんと排除し、反政府や反自民党を自己目的にしない、野党も批判する姿勢が大事。

元記事にもあるように、イベント収入は増収になっており、スポンサーから広告収入をもらうビジネスモデルからの転換自体は、間違っていないと思います。三村前社長は、せっかく文化として成熟しつつあったポッドキャストを廃止し、でもラジオクラウドで失敗し。また ポッドキャストに回帰しようとしつつありますが。その番組自体を有料でもいいから買いたくなるような、内容の充実が重要ですし、そのためには特集主義が大事。

かつてはテレビ局のお荷物であったドラマが、インターネットの発達によって、配信で収益を生むコンテンツに生まれ変わったように。売り物になるコンテンツの育成と、配信でどうやって収益を上げるかが、今後の鍵。ただ、それで収益が安定するまでは、まだまだ時間がかかるでしょうから。営業部を総取っ替えにするぐらいのつもりで、大鉈を振るべきでしょうし。TBSラジオから距離を置いてしまったタレントたちに頭を下げ、原因となった スタッフを処分し、出直す必要があるでしょう。

たぶん、できないでしょうけれど。

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喜多野土竜
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