秋田クマ騒動の雑感
◉秋田県秋田市のスーパーマーケットにクマが侵入し、人間が襲われた挙句、長時間にわたって居座った事件ですが。市街地ゆえ発砲することもできず、にらみあいは続いたのですが。なんとか昨日熊を仕掛けておいた罠で捕獲。イロイロと考えさせられる事件となってしまいました。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、クマんのイラストです。可愛いですね。殺伐とした内容になるので、少しでも中和するために選びました(´(ェ)`)
◉…▲▼▲▽△▽▲▽△▽▲▼▲…◉
■秋田藩と御殿様と■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。秋田県の失言知事、秋田藩の御殿様の子孫のようで、県民からは愛されているようで。秋田藩と言えば江戸時代、お殿様が自分の藩には傘の代わりになるぐらい大きな蕗があると自慢したら、信じてもらえず嘘つき呼ばわりされ。それを聞いた領民が、おらが藩の殿様に恥をかかせてはならぬと、わざわざ実物を江戸まで運んだ──という逸話があります。小野武助と藩主が城下にスケッチに出かけたりと、微笑ましいエピソードもあり。知事が説明すれば、県民が納得する面もあるのかと。
県民的には、すでに人間を襲った時点で、射殺するのもやむなしという意見も、かなりあったでしょう。飼い犬でも、人間を襲ったら殺処分が決まり。いわんや野生動物、大型犬のさらに数倍の体格の熊ですから。たぶん警察などにも、抗議の電話が殺到していた可能性。こういう時には、カリスマ性がある人物が出て行くしかないんですよね。タイで、隣国との緊張が高まった時、国民から敬愛されていたプミポン国王が「冷静に対処せよ」と声明を発したら、官邸前に集まっていた大衆が解散したように。「御殿様がそう言うなら、しょうがない」ということで。
しかし今回の件は、いろんな問題が吹きだしました。
■現れる偽善者たち■
まず、札幌高裁の佐久間健吉裁判長と小河原寧裁判長が、地裁の判決をひっくり返してしまった裁判がありましたから。北海道猟友会砂川支部長の男性が、市から依頼されヒグマを駆除したところ、男性が建物に向けて発砲したと、銃の所持許可を取り消されてしまい。怒った猟友会が、今後はヒグマの駆除要請に対し「要請に応じない選択肢も含めて、各支部で市町村や警察と協議を進める」との通知を出す事態に。法理はどうあれ、世論的には猟友会に同情しています。このタイミングで、クマ立てこもり。
こういう偽善者の意見を、マスコミが取り上げるのが、そもそもおかしいのですが。取り上げるのは報道側の自由ですが、それが当事者意識を欠いた偽善的な意見であると、少なくとも論論併記すべきではないですかね。また、こういう偽善者がよく口にするのが、麻酔銃で眠らせれば殺す必要はない云々。偽善者の上に無知なのか、無知だから偽善者になるのか、そこはわかりませんが。麻酔銃とか、ライフルの弾丸に麻酔薬が仕込まれているイメージなのでしょうけれども。実際の麻酔銃はこんなものです。
Wikipediaによれば、〔射程は10-70mほどだが、期待できる命中距離は20-40mで、それ以上となると命中が困難となる。40m以上で対応するためには、双眼鏡を持って補佐する助手(スポッター)に、狙撃手が狙撃した際の反動で見えない時に目標に命中したか、効果が現れ始めるまで10分ほどかかるので動物の逃走した方向などの情報を伝えてもらう役割が必要となる。〕とのこと。効き目が出るまで数時間かかることもあり、熊に襲われて死ぬ可能性が高いです。熊って、ウサイン・ボルトより高速で突進してきます。しかも麻酔銃は、獣医で資格がある人しか、扱えません。
■超党派での立法を■
令和六年度能登半島地震でも、パラシュートで物資を投下しろという、無知が多数現れましたが。パラシュートはふんわりとは着地しません。だいたい2階から飛び降りるぐらいのスピードで着地するので、自衛隊の空挺団で訓練した隊員でさえ、着地に失敗して怪我をすることがしばしばだとか。麻酔銃とパラシュート、クロロホルムについては、テレビドラマや映画の悪影響で、誤解している人が多いですね。こういう事件のたびに、同じことを言う人がワラワラと出現しますが。いい加減、アップデートしてほしいです。
ジョークで裁判官を批判しましたが、コレが300万インプレッションですから、札幌高裁判決に対する批判的な意見は、多いと推測可能です。今回の件で、鳥獣保護と市街地の害獣駆除という両面で、法律が現実に追いついていないという面が、あらわになりました。国会議員は超党派で法案を提出し、現実に対処するべきでしょう。そもそも、害獣駆除を民間団体に頼っている時点で、しかもほぼボランティアの時点で、問題がありますね。山間部ならともかく、市街地ならば警察や自衛隊で対処する準備を、しておく方がよさげです。
経験値などの面で、どうしても猟友会に頼るのならば、きちんとした法整備と報酬を用意すべきであって。また、捕獲した 害獣は、科学的な見地で殺処分か開放か、基準を決めておくべきでしょう。今回の事件はそういう部分においても、イロイロな問題を可視化したように思います。
◉…▲▼▲▽△▽▲▽△▽▲▼▲…◉
◉…▲▼インフォメーション▼▲…◉
noteの内容が気に入った方は、サポートでの投げ銭をお願いします。
あるいは、下記リンクの拙著&共著などをお買い上げくださいませ。
そのお気持ちが、note執筆の励みになります。
MANZEMI文章表現講座① ニュアンスを伝える・感じる・創る
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ