
性同一障害特例法の最高裁判決
◉性同一性障害特例法の生殖不能要件に対して、最高裁で違憲判決が出て、かなりネット上が騒がしいです。個人的には、X(旧Twitter)上での急進派LGBT関係者の言動を見ていると、かなり不安が出るのですが。これに対して、西 愛礼(にし よしゆき)弁護士の解説がかなり解りやすかったので、紹介も兼ねて。この件で問題になっている点について、丁寧に解説されていて、ちょっと分量はありますが、それでも問題の大きさを考えると、かなりコンパクトに纏まっていると思います。
【【解説】性同一性障害特例法の生殖不能要件違憲判決】ニュースピックス
本日、最高裁が性同一障害特例法の生殖不能要件について戦後12例目の法令違憲判決を出しました(※法令違憲:具体的な事例に関わらず、法律自体が違憲・無効だと宣言する判決)。
これにともない、ネット上では「男性器のある人が女子トイレや女風呂に入れるのでは?」などの様々な憶測や不安が飛び交っています。
このような疑問に答えるために、実際の判決文をもとに違憲判決を解説させていただきます。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、
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■問題とされるポイント■
詳しくは、上記リンク先を読んでいただくとして。議論となっているポイントとしては、以下のような点ですね。生殖不能要件のみについての判断、ということですが。ここらへんの議論が混乱していますね。外見要件のほうが、むしろ女性にとっては切実ですね。現実問題として、男性器がある性自認女性が、公衆浴場や公衆トイレ、女子更衣室に入ってくる恐怖という問題があるわけです。自称と詐称の違いを、見分けるすべはないですからね。
・高裁が生殖不能要件についてのみ判断
・外観要件については判断しなかったため、生殖不能要件についてだけ判断
・戸籍上の性別とどちらの性の風呂に入るかは全く別の問題
・戸籍上の性別はトイレや更衣室の区分とは無関係
自分の理解ですが、適合手術自体は身体に負担をかける面があり、またLGBT全体の中で、そこまで必要な人間は多くないので、戸籍上の区分としては認めるけれど、実際の運用として男性器がある人間が女子トイレや女子更衣室を使うことを全面的に認めるものではない、という感じでしょうかね? 法律の素人なので、読み違いの可能性がありますから、繰り返しますがリンク先の全文をお読みいただき、各自が判断してください。
■滝本太郎弁護士の意見■
この件に関しては、『女性スペースを守る会』の滝本太郎弁護士の見解も、転載しておきますね。個人的には瀧本弁護士の考えに近いのですが、実際の運用が骨抜きにされ、声が大きくて攻撃的な急進派LGBT関係者が、なし崩し的にする危険性は感じます。コチラも分量がありますが、ぜひお読みください。
① 本日、最高裁は3条4号の「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。」につき違憲とし、5号の「その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。」については高裁段階で検討されていないとして、
— 滝本太郎 (@takitaro2) October 25, 2023
② 自ら判断はせずに審理を高裁に差し戻した。憲法判断としては、15人全員の一致で4号生殖機能喪失の要件は違憲としたことになる。三浦、草野、宇賀の3人の裁判官は5号の外観要件も違憲だから、差し戻しせずに変更を認めよとして反対意見を示した。
— 滝本太郎 (@takitaro2) October 25, 2023
このことにつき、急ぎコメントする。
③ 最高裁のとんでもない暴走である。「性自認至上主義」に侵された最高裁になってしまっていた。相手方がない裁判、申立人側以外の主張や立証を聞かない裁判で、全会派一致で成立した法律の条文を違憲としてしまった。
— 滝本太郎 (@takitaro2) October 25, 2023
④ 決定文の中には、この数年間ますます明らかになってきた先行した国々で女性の安心安全が害されている実態と混乱、イギリスが正常化に舵を切り苦労していること、国際水泳連盟や世界陸連では男性としての思春期を幾分でも経験した者は女子スポーツ選手権への参加資格がないとしたこと等の言及
— 滝本太郎 (@takitaro2) October 25, 2023
⑤ さえない。読み取れるのは、もはや問題を露呈し続けている考えである「性自認は他者の権利法益より優先すべきである」とする考えに基づく論理展開である。
— 滝本太郎 (@takitaro2) October 25, 2023
「性自認と書類上の法的性別の食い違いには耐えられないが、トイレや風呂でいつも見る自分の体と性自認の食い違いには耐えられる」という
⑥ 事態は、どういうことか。性自認至上主義は、人類が成立以前からある男女の性別と、時代と地域で異なる「らしさ・社会的役割である「ジェンダー」とを混同してしまい、男性・女性の定義を変更することを求める間違いに陥っている。
— 滝本太郎 (@takitaro2) October 25, 2023
⑦ また、この6月成立の理解増進法は、「性の多様性」を承認し尊重しようとしているのであって「性別の多様性」を認めているものではない。
— 滝本太郎 (@takitaro2) October 25, 2023
特例法は、身体違和がきつく固着している人につき性別適合手術までもしてのならば、法的性別を変えられるという個別救済のための法律として全会派一致で
⑧ 成立したものであった。
— 滝本太郎 (@takitaro2) October 25, 2023
今回の最高裁決定は、内容においても、また申立人側の主張立証のみで法律の重要な要素を違憲とした信じがたいものであり、最高裁の暴走であると言う外ない。
アメリカやイギリスなど、急進派LGBT関係者によって、娘の学校の更衣室を使う男性器のある性自認女性が、問題になり。でも、問題を告発した女性の方が、加害者にされてしまう状況。それを日本で繰り返す必要が、あるのでしょうかね?
【米国の学校で“性自認女”の男子が女子更衣室を使用し、抗議した女子がぶっ飛ばされる。これが日本の未来です】Togetter
■イタリアの最高裁判決■
ヴィズマーラ恵子さんの、イタリアでの事例についての情報も、転載しておきますね。同性婚を認めていないイタリアでも生殖能力をなくすのは違憲、とのこと。これは、ナチスに代表される断種政策などに対する、ある種の器具や利用を懸念してる面もあるのかなと、個人的に思います。日本でも、ハンセン病患者への断種政策が、ありましたからね。参考にどうぞ。
「性同一性障害特例法の手術要件(1)生殖能力をなくす、(2)変更後の性器部分に似た外観の形成、の2点で、最高裁は(1)について違憲とした。」とのことだが、日本と同じように同性婚を認めていないイタリアでも全く同じ裁判があり、イタリアでも最高裁と欧州人権委員会が(1)は違憲と下した。…
— ヴィズマーラ恵子🇮🇹 (@vismoglie) October 25, 2023
「性同一性障害特例法の手術要件(1)生殖能力をなくす、(2)変更後の性器部分に似た外観の形成、の2点で、最高裁は(1)について違憲とした。」とのことだが、日本と同じように同性婚を認めていないイタリアでも全く同じ裁判があり、イタリアでも最高裁と欧州人権委員会が(1)は違憲と下した。
2011年以前は、イタリアで初めて性転換の可能性を導入した法律 164/1982 が イタリアで施行された。しかし、性別の割り当ての修正は、性転換者がすでに外科手術を受けている場合にのみ許可されていたが、それは違憲という最高裁の判断。以下、その理由
・健康と精神物理的幸福への権利が考慮されていなかったため、人権の観点から違憲。
・人にとって望ましくない、または危険な手術によって健康への権利が損なわれる可能性があることを考慮していない。
・立法令164/1982(2011年以前の旧法律)の立法者は、性転換者の権利は生理学的/解剖学的レベルではなく心理学的レベルで認められるべきだと考えるべきであった。
よって、2つの選択肢を設けた。
①イタリアで性別適合手術を受けたい場合は、一度の申請で裁判所に外科的介入の許可と、登録されている性別と名前を変更する許可を同時に申請すること。
②本人が手続きを行うつもりがない場合、または手続きを行うことができない場合は、名前と性別を変更する許可を裁判所に請求する。
この2番目の選択肢②は、名前と性別の再割り当てには性別適合手術は必要でも義務でもないという破毀院と憲法裁判所の2 つの重要な判決を受けて可能になった。
その人が心身の健康を達成し、「不可逆的」と認識され経験された性別への同一性を実証している場合、すべての外科手術を行う必要はなく、性別を変更することもできる。
これが、イタリア立法令第 31 号 150/2011「性別帰属の是正に関する規定」で、外科的性別適合手術なしで性別の再割り当て(性別変更)は、法律によって許可されるというものだ。
法律による許可。現実的な運用がどうなっているかはわかりませんが、ここらへんは法的な判断として、理解できます。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ
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