ドイツから100兆円超の資本流出
◉ドイツ国内の有力企業が、国内から逃げ出しているという話は、文化放送『おはよう寺ちゃん』などでも、フォルクスワーゲン社の国内工場撤退など、言及されていましたが。Bloombergがこの件でかなり、具体的な記事を出してきましたね。しかし、100兆円を超える資本流出って……。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、フォルクスワーゲンの写真です。
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■欧州の病人、再び■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。かつてのドイツは、欧州の病人と呼ばれていました。東西統一の負担は大きく。しかしEUの出現によって、最も経済的な恩恵を受けたのが、ドイツとされます。国によって様々な経済状況があるのに、人と物の流通を自由化したら、地域経済のトップであるドイツの一人勝ちは、ある意味で必然ですね。自前の通貨ならば、国内の流通量をコントロールすることで、打てる経済政策もあるのですが。ユーロではそれは難しく。このためイギリスはブレグジットで、EUから脱退したのですが。
我が家の春を謳歌していたと思ったら、マイナス成長は2年連続と、ここ数年の凋落ぶりは激しいです。ドイツの企業は国際的なメーカーなどが多く、国内でのメリットが少なくなったらさっさと海外に逃げ出し、投資先も 海外の方が美味しいと思えば、国内よりも優先。ここら辺は、国際企業なら当たり前の部分ではありますが。日本以上に、国民に愛国心を求める傾向がある諸外国からすれば、許しがたい裏切り行為と、認識されるかもしれませんね。
■雇用を生む製造業■
フォルクスワーゲンの国内工場撤退の話は、ドイツでもかなり 問題視されているようで。何しろ、フォルクスワーゲンを直訳すれば〝国民車〟ですからね。国民車が国内の生産から撤退して、なんのジョークだと。自動車メーカーというのは、二次産業ですから。儲けの主力はサービス業に転換していても、やはり二次産業は大きな雇用を生みます。政治とは畢竟、国民を食わせること。国民を食わせる、ということは雇用を生む出すこと。10人の雇用で1億円の儲けが出るより、100人の雇用で1円の黒字のほうが、社会は安定します。
エリートの人たちは、能力がない人間は下手に働くよりも、ベーシックインカムをもらって遊んでいてくれればいい、と思いがちですが。人間というのは、自分が社会の役に立っているという実感が欲しい生き物です。ベーシックインカムが実現したとして、それで働かず遊んで暮らす人間は、一部でしょうね。ベーシックインカムをもらいつつも、何らかの仕事で社会につながっていたい、そういう人間が大半でしょうから。農林水産業や製造業というのは、自分の働いた成果が収穫物や商品となって、時間を得やすい職業ですから。
■全体主義好きな文化■
ドイツ人というのは 一般的に、理知的な国民だと思われています。それ自体は、教育レベルの高さや、ノーベル賞金の科学者を数多く輩出し、文学や哲学の世界でも、大きな 即席を残していますから、決して間違いではないのですが。どうも、ある方向性が決まるとそちらに教条的になる面もあるようで。そういう意味では、国家社会主義的な統制社会にもともと、親和性が高い面もあるのかもしれません。ヒトラーとナチスの熱狂を生み出したのは、間違いなく、ドイツ人自身なのですから。
もう一つ言うならば、カール・マルクスを生み出したのも、ドイツ人。共産主義思想が、ユダヤ・キリスト教の千年王国思想を焼き直しただけの宗教であることは、繰り返し述べてきましたが。共産主義思想もナチズムも、そういう意味ではドイツの文化の上に生まれた、全体主義思想なわけですから。このような形での、官僚主義がはびこるのはある意味で、必然なのかもしれません。個人的にはドイツ文化は好きですし、敬意も持っていますが。常にある種の危うさを持った面も、留意しておくべきでしょう。それは日本の文化も同じなんですが……。
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