エネルギー問題4記事
◉経団連の十倉雅和会長が、毎日新聞のインタビューで核融合について、適当なことを言っていますが。んな簡単に核融合に移行できたら、苦労しません。本当に経団連って、日本の官僚的な部分の悪いところを煮詰めているんですよね。東大か一橋大卒のサラリーマン社長で、ゼークトの軍人の分類なら参謀には向く「勤勉で利口」なタイプではあるのですが、司令官にすると牟田口廉也タイプになる典型例なんですよねぇ……。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、開いたら目に飛び込んできた写真で、エネルギーを総合的にカンガルにちょうどよい、空と海の写真でしたので。かっこいいですね。
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■核融合発電の課題■
2022年12月13日には、ローレンス・リバモア国立研究所で行われたレーザー核融合実験で、投入したエネルギーよりも高い出力のエネルギーが得られたと、アメリカ合衆国エネルギー省と国家核安全保障局が発表し、本noteでも紹介しましたが。これ自体は、大きな技術的なブレークスルーなんですが……。核融合に関しては、そんな簡単な話ではないことは、自分のような物理学の素人でも知っていますし、このnoteでも何回も言及しています。
上記記事でも言及されていますが、核融合には様々な技術的課題が存在しています。だから自分が小学校ぐらいの頃から「実用化まであと30年かかる」と言われていたのが、30年経ってもまだ同じことを言ってる状況な訳です。実際に核融合発電が実用化されたとしても、核分裂発電火力発電にしろ、もっと言えば水力発電でさえもまだ100年200年は現役であり続けるでしょう。それが多様性というものです。
■藻類バイオマス■
それでは次の話題を。個人的には、藻バイオマスって期待してるんですけどね。日本で原油を作る、この志が良いですね。日本のように、国土面積は決して広くない上に、山がちで平地が少ない地形では、トウモロコシやサトウキビ、砂糖大根(ビーツ)などを栽培して得られるバイオマスは、あまり期待できないんですよね。何しろ日本の20倍以上の国土面積を誇るアメリカでは、トウモロコシの作付面積が日本の国土面積を上回るほどですから。
そんな状況ですから、休耕田を最大限に利用しても、日本のバイオマス生産にはあまり期待できません。しかし日本は、四方を海に囲まれた島国、海洋国家ですから。排他的経済水域を含む面積ならば、世界6位レベルに跳ね上がります。将来的に養生でのバイオマス生産が可能になれば、意外な勝算があると思っています。ホンダワラを人工生産して、バイオマスにするというアイデアも、以前はありましたね。沖ノ鳥島などの周辺海洋利用を考えても、こういうアイデアには期待したいです。
■エネルギー問題は多面的■
エネルギーは、何かひとつで一発逆転は、まだ難しそうです。何度か書いていますが、水力や火力発電などといったオーソドックスな発電方法を軽視するのは、得策ありません。火力発電ひとつをとっても、燃料は天然ガス・石油・石炭・アンモニア・水素などなど、多様な選択肢があります。安全性の高い第4世代炉の高温ガス炉の超高温を利用すれば、石炭の液化や水素の生成などにも可能性が広がりますし。アンモニアの可能性についても、何度も書いています。
ノギタ教授がこちらで紹介されている本、岩瀬昇著『武器としてのエネルギー地政学』は自分も未読でしたので、さっそく電子書籍版を購入しました。自分のような素人には、こういう本はありがたいですね。エネルギー問題は一筋縄ではいかないので、こういう多面的な思考は必要でしょう。戦前の大日本帝国が無謀な日米開戦に踏み切ったのも、田中角栄がロッキード事件で失脚したのも、エネルギー政策が背景にありますからね。エネルギー問題は高度に政治的な問題、ということで。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ