三菱重工の超小型原子炉
◉以前にも簡単に紹介した超小型原子炉、マイクロ炉。どれぐらい小型かと言えば、炉心サイズが直径1メートル×長さ2メートルと、大きさだけなら軽トラックの荷台に乗るレベルですね。もちろん、重さ的にはたぶん、500キロが限度の軽トラでは無理でしょうけれど。原発自体は、オーダーメイドの巨大な建物で、鉄とコンクリートの塊。その巨体を支えるため、古くて硬い岩盤の上に建築されているのですが。これぐらいコンパクトだと、利便性は高いですね。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、敦賀原子力発電所だそうです。
■超小型原子炉の実力は?■
小さいだけあって、出力は低いです。100〜120万kwの巨大な発電力を持つ大型軽水炉1基と比較しても、数千分の1の出力。当たり前といえば当たり前ですが、。日本最大の地熱発電所である、大分県の八丁原発電所の出力は11万kWで、一般家庭約3万7000軒の需要を担う能力とのことですから。マイクロ炉の500kWというのは、220分の1で168軒の電力消費を支える程度。日本には1741の市町村区が存在し、最下位の青ヶ島の人口が177人ですから、まるごと賄えます。
普通は1軒あたり3人が暮らしてる感じですから、500人ぐらいの集落は賄えそうです。50基もあれば、ちょっとした市ぐらいは賄えそうです。高知県室戸市の人口が1万1000人ちょいですから。地産地消といいますが、電気も消費地から近いに越したことはないですし。日本って、茨城県結城市の人口が5万人ぐらいで、これが全国519位ですから。1222の市町村はそれ以下ですからね。大都市とその周辺はともかく、たいがいの市町村は小規模で、限界集落も多いですからね。
■離島や過疎地にも活用可能■
25年間燃料交換の必要なしってのは、離党とかでの使用も広がりそうですね。日本には6852の島があり、その内で人が住んでいる有人島は421あるそうです。佐渡ヶ島のような大きな島から、青ヶ島までありますが。佐渡ヶ島でも、人口は5万2000人ほどと、けして多くはないです。鹿児島県も、奄美群島などを含む南西諸島など島嶼部が多く、エネルギーの安定供給は大事。そういう場所では、こういう超小型原子炉の利用は、かなり有効でしょうね。
原子力というと、無条件に怖いと思っちゃう人もいますが。それは穢れの思想、言霊信仰。放射性物質なんて、あなたの腸内にも放射性同位体という形で、普通にあるものですから。過剰に恐れるのは、良くないですね。こういう、燃料電池型の原子力利用って、アメリカの宇宙船でも普通に使われているんですよね、かなり古い時代から。出力が弱いから、危険性もぐっと低いですし。だいたい、原発のウランの濃縮度は原爆とは全然レベルも違いますし。
■応用範囲は広がる未来■
以前にも書きましたが、こういう超小型原子炉が実用化されると、それこそ船舶への利用も進むでしょう。日本は、原子力船むつの放射能漏れ事故を、マスコミが過剰に騒ぎ立てて、原子力船の研究や開発も、遅々として進まなくなりましたが。こういうタイプの発電機ならば、それこそ自衛隊の艦艇や潜水艦などの使用も進みそうな。海洋国家としての日本にとって、船というのは少ないエネルギーで大量の貨物を運べる、経済の動脈のひとつですから。
日本の工場では、自前の火力発電所を持っていて、電力の安定供給を目指している所も多いですが。これが、東日本大震災にともなう福島第一原発事故と、その後の無能な方の菅元総理大臣の原発停止政策で、足りない分の電力を融通する事になりましたが。都市部のタワーマンションや総合病院なども、こういう超小型原子炉を導入して、無停電を売りにできるでしょうし。そっちの方にも期待ですね。だって僕らはアトムの子供さ。力を合わせて素敵な未来にしようよ♬
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ