
映画秘宝が炎上の状況まとめ
◉映画誌の『映画秘宝』が炎上しています。大炎上と言っても良いレベルで、トレンドにも上がっていて、7万を超える言及がされていますね。左派のTwitterデモのような仕込みありで3%のアカウントが半分の拡散をしているような片八百長と違い、自然発生的な天然物の炎上です。さすがに長くなったので、目次を入れて整理します。
■大まかな流れ■
経緯に関しては、自分も著書でイロイロ勉強させていただいている、時代劇評論家である春日太一さんのモノが解りやすいです。
・映画秘宝の編集長自身が公式アカウントを使って一般人に嫌がらせじみたDM
— 春日太一 (@tkasuga1977) January 25, 2021
・それから何日も放置
・被害者が双葉社に電話したら双葉社は加害者である編集長に電話番号を伝える
・被害者と加害者の直接対話(被害者は望んでいない)
思っていた以上に酷い話で、クラクラしてくる……
発端は、TBSラジオ『アフター6ジャンクション(通称アトロク)』の韓国映画特集について。ある女性が、ゲストが女性ライターではなく映画秘宝の関係者でガッカリした旨の批判を書いたら、岩田和明編集長がツイフェミのお気持ち表明のようなDMを送信。抗議の電話をしたら、よりによって岩田編集長に電話番号を伝えたらしい、というさらにマズい対応をしたというのが流れ。コチラのツイートも解りやすいですね。
とある女性が映画雑誌「映画秘宝」のちょっとした悪口をツイート
— 滝沢ガレソ (@takigare3) January 25, 2021
↓
映画秘宝の編集長 岩田和明さんが女性へ「心が深く傷つきました。死にたいです」と謎のキモキモお気持ちDMを送付し炎上
↓
女性が出版社へ抗議の電話をし自らの個人情報を伝えるも、相手をしたのが岩田氏本人でさらに炎上 @eigahiho pic.twitter.com/r3XSVdj33K
見ず知らずの相手に、死にたいとか言っちゃうの、脅しですよね? オレに死なれたくなかったら黙れ、ということですから。一橋大学で、同性愛者に告白された男性が、精神的に追い詰められ、その件をアウティングして、相手が自殺してしまった事件がありましたが。いろんな意見はあって、対立していますが、一方的に秘密を告白された方が、そこに守秘義務が生じるのか、自分は疑問です。だって言われ損でしょ?
映画秘宝の公式アカウント、とんでもなく気持ち悪いことやってたのね。
— 春日太一 (@tkasuga1977) January 25, 2021
関係者どころか読者ですらない一般アカウントにDMで「被害者しぐさ」かますって、あまりに恥知らずが過ぎる……。
■映画秘宝側のリアクション■
さて、コレについて映画秘宝側の公式発表がきました。全面的に非を認めて、岩田編集長の処分をし、反省を表明しているような態にはなっているのですが……ちょっと、いやかなりの問題があります。これでも元出版社の編集者ですから、自分。場合によっては、洋泉社の消滅によって一度は休刊になって、版元を双葉社に移して復刊した映画秘宝が、再度休刊になるかもしれません。
【お詫び】
— 映画秘宝 (@eigahiho) January 25, 2021
この度は、大変お騒がせしてしまい、誠に申し訳ございません。
添付のあるまじき悪質なDMを、本誌公式ツイッターアカウントより、いち個人の方へ送付した件につきまして、心よりお詫び申し上げます。 pic.twitter.com/1XbEbWdTW7
すべては公式アカウントの管理・運営にあたっていた編集長である岩田和明の単独行動であり、責任はすべて岩田和明にあります。
— 映画秘宝 (@eigahiho) January 25, 2021
他の関係者、及び海外映画ニュースの配信を担当している外部委託者は、いっさい関与をしておりません。
これ、岩田編集長にすべての罪を被せて、トカゲの尻尾切りに入ったように見えます。被害者からの抗議の電話に、加害者である岩田編集長に個人情報である電話番号を伝えたかもしれない、双葉社の雑な対応の可能性が指摘されています。岩田編集長が電話を直接取ったのならばともかく、どうも前後関係的にはその疑惑があります。双葉社には、説明責任はあるのではないでしょうか?
当該DMを送付した経緯は、1/5(火)放送の『アトロク』韓国映画特集回の当該女性アカウントのツイート内に、女性ゲストが不在である件、及びホモソーシャル的な映画秘宝文化についての苦言が記されていたことについて、過労のなかで一方的に頭に血がのぼってしまい、憤りを感じてしまったためです。
— 映画秘宝 (@eigahiho) January 25, 2021
この批判自体は、ちょっとピントがずれている気はします。ただ、宇多丸氏のマネージャーの女性が、韓流映画ファンで、かなり詳しかったりするので、加えるとかの対応はあっても良かったのかな、と。韓流スターのルックスとか、そういう話題に流れるのがイヤだったのか、特に思惑がなかっただけなのか、そこはわかりません。他にも批判してる人はいたのに、女性を狙い撃ちしてDMした可能性も、わかりません。
その結果、当該女性に対して、甚大なるご迷惑をおかけしてしまいました。
— 映画秘宝 (@eigahiho) January 25, 2021
媒体の影響力を顧みず、公式ツイッターからいち個人へのあるまじき悪質なDMを送付してしまったことを、深く反省いたします。さらに、今後の再発防止と共に、信頼回復へ向けて全力を注ぎます。
やってることは、ツイフェミのお気持ち攻撃と同じ。私は傷ついた、私は被害者だ、加害者は私の不快の原因を取り除け───同じですよね、ツイフェミの物言いと。同誌の創刊者であり、現相談役の町山智浩さんの左傾化(もともとオールドリベラリストと、小西克哉さんに指摘はされていましたが)が顕著な状況で、コレはある意味で皮肉な事態ですね。どうなることやら。
ご本人様には直接の謝罪を申し上げ、再発防止にかんする具体策を後日発表することを前提に、今回の謝罪を受け入れていただきました。
— 映画秘宝 (@eigahiho) January 25, 2021
本ツイートも直接ご本人にご確認をいただき、同意をいただいたうえで公開いたしました。
まぁ。いちおう、相手への直接の謝罪と、経緯について公表の了承を取れたので、映画秘宝側としてはこれで幕引きとする気満々ですね。浮気がバレた芸能人が、奥さん同席で謝罪会見するのと同じ。一番怒ってるかみさんが、ならぬ堪忍するが堪忍をしてるので、外野は黙れという、効果的な手法です。ただ、そう簡単には鎮火できないんじゃないかなぁ。だって、関係者が放火してるし。
映画秘宝編集部では事態を重く受け止め、今後岩田はツイッター管理から離れることはもちろん、さらなる処遇については、改めてご報告申し上げます。 今回の件でご迷惑をおかけした関係者の皆様、いつも本誌を愛読してくださっている読者の皆様に、心よりお詫び申し上げます。映画秘宝編集長・岩田和明
— 映画秘宝 (@eigahiho) January 25, 2021
■久田将義氏からの疑義■
謝罪のお手本のような文章ではあります。さらなる処分を表明することで、その処分を待って何か言うべきは言うかと、沈静状態に入りますから。それが三日後か一ヶ月後か、人の噂も七十五日後かは、解りませんが。これに対して、「元チーマーだが腹が据わっていて度胸がある」と金井覚氏に評された久田将義さんが、映画秘宝のDM癖について、まとまった批判を投げかけています。
「死にたい」と一読者をDMで恫喝し『映画秘宝』が炎上 僕も以前DMを貰いました DM癖ってあるのでしょうか | TABLO https://t.co/QQq1UnGOl4
— 久田将義 (@masayoshih) January 25, 2021
さらに、双葉社にも言及。双葉社は販売を請け負っただけで、編集プロダクションとしての映画秘宝側が、双葉社に延焼しないよう、必死なのは出版業界人なら、ピンとくるでしょう。映画秘宝としては、ようやく復刊にこぎ着けたのに、ここで味噌は付けられません。名目上の処分は編集長解任でも謹慎処分でも、裏でコッソリ事実上の編集長職は続けられますからね。
映画秘宝が声明を出し、「岩田の野郎、とんでもない。発売元の双葉社は関係ないです。岩田の責任です」と言っているように聞こえますが、それも無責任で、裁判に例えた場合、最近は発売元・発行元にも被告になるケース多々なんですよね。自分も裁判何回もやってきましたから。 https://t.co/7Z7hGFwTmt
— 久田将義 (@masayoshih) January 26, 2021
さすが、実話ナックルズなどで多数の裁判を抱えた、ケンカ上等の久田将義さん。いちおう、被害者に謝罪はして手打ちができてる感じなので、後は解決済みで押し通す可能性がありますね。
■春日太一氏からの批判■
町山智浩さんと絶縁状態の春日太一さんのトドメのツイートも、リンクしておきますね。映画雑誌にはほとんど寄稿していないので、利害関係なく忖度もなく、淡々と突っ込まれています。
反論したいことがあるなら表立ってやる。その場合は相手の有名無名は問わない。
— 春日太一 (@tkasuga1977) January 25, 2021
……というのがTwitterでの自分の方針。
それだけに今回の映画秘宝のやり口を見てると驚かされる。「卑怯で陰湿」という感想しか出てこないです。
自分のような体育会の主将をやった人間から見ると、疑似体育会のノリって大嫌いなんですよね。出版社は、そういう悪癖があるんですよね。文系人間が表面だけ体育会のノリだけマネするけれど、陰湿な文科系体質が危機的状況では顕わになります(何かを思い出して遠い目)。久田将義さんとか春日太一さんのような武闘派には、こういう陰湿さがとにかく不愉快なんでしょう。自分も大嫌いです。
こういう言い訳は今することではないよなあ。「自分をよく見せようとしている」と受け取られかねないから、まずは全力の謝罪しかないと思うんですが。 https://t.co/rkciF7HLk4
— 春日太一 (@tkasuga1977) January 25, 2021
正論。そもそも発端のツイートは、そんなに頭に血を昇らせるような内容だったのか? 岩田編集長的には、許しがたい何かが有ったのかもしれませんが、そのスルーできない何かが、自分には解りません。まぁ、映画秘宝はデートムービー的なモノには、やや厳しい部分はあるでしょうし。そういう部分をほじられて、図星だったのかもしれません。映画秘宝がホモソーシャルな世界は事実ですし。
「媒体の影響力」は関係ないですよ。行為そのものの問題だから。というか、さほど影響力ないでしょう。
— 春日太一 (@tkasuga1977) January 25, 2021
それよりも、最後の結び。あなた方が普段批判している政治家とかと全く同じテンプレなのですが。
どうやって「再発防止」するか、具体策を書かないと説得力ないですよ。 https://t.co/A7RG8I8jkm
そう、だから謝罪のお手本的で、テンプレ的なんですけどね。謝ってる姿勢は明確で、でも具体的な再発防止策も岩田編集長の具体的な処分も、ほとんど言及していない。Twitterに書かせないと言ってるだけ。ただ、それは気付かない人は気付かない、巧妙な文章です。だから官僚が前例と経験から良く練った、政治家の答弁の文章みたいだな、と。官僚よりさすがに、文章の上手さは滲みますけれど。
事情説明としてもう一つ必要なことがあります。
— 春日太一 (@tkasuga1977) January 25, 2021
それは、なぜ当該ツイートの日から一週間も放置していたのか…です。
今日になって謝罪したのは、騒ぎが大きくなったからでしょうか?
もし騒ぎにならなければ、何事もなかったかのようにスルーするつもりだったのでしょうか。 https://t.co/zC6C2pJ2kj
いちおう映画秘宝を擁護しておくと、自然発火の炎上でしたからね。問題になっているという危機感がなかったかも。自分もそうでしたけど、与り知らぬ部分で炎上させられてることはありますし。これが久田将義さんが指摘するように、映画秘宝のいつもの圧迫の手なら、大事になっているという自覚がない、あるいは善後策の話し合いに時間が取られて、ここまで来てしまったとか?
あと、映画秘宝の関係者やファン?で被害者を批判してる人もいるみたいですが。
— 春日太一 (@tkasuga1977) January 25, 2021
かなりの人権侵害ですよ、それ。
具体的には書きませんが、寝ぼけた擁護論は見掛けましたね。名前がわからないので、リンクを貼れませんが。DMを公表した側が悪い、なんて寝ぼけた論理。んなもん、公開の都合が悪いモノは、DMにしちゃえば守秘義務が出るとでも? そういえば本多勝一氏が、朝日新聞の封筒に入れてよこした論敵との手紙を、都合が悪くなったら私信を勝手に公開したと言い出したことがありましたが。アウティング問題とも通底します。
今回の件は被害者の勇気ある告発によって初めて表に出ました。それがなければ、そのまま有耶無耶にさせられていた可能性は大きいです。
— 春日太一 (@tkasuga1977) January 25, 2021
となると「再発防止策」の一つは、そうした告発の抑止に繋がりかねない一連の被害者批判に対して、断固たる発信をすることだと思います。 https://t.co/Wa2hTHIWre
たぶんやらない。まさに宝島から別冊宝島、洋泉社を通じてずっと構築された、サブカル人脈ですから。ホモソーシャルな連帯感のある世界。ライター側も、党派性丸出しの擁護をしてるので。まぁ、裏で話を付けた上で、被害者批判をした関係者に苦言を呈して、ライター側も謝罪するという、茶番はやるかもしれないでしょうね。でも、無記名記事や覆面座談会とか、裏で仕事はなんぼでも回せますし。
最後の結びに「双葉社は一切関与していません」とありますが、「看過することができない」とされた岩田編集長から被害者への直接電話は、双葉社が岩田編集長に被害者の電話番号を教えたために起きたことなので、「一切関与していません」とはならないのではないでしょうか? https://t.co/wwGuJoy4xS
— 春日太一 (@tkasuga1977) January 25, 2021
■版元の双葉社への疑問■
どうするんでしょうね。町山さんのいくつかのツイートを読むと、双葉社が岩田編集長に被害者の連絡先を教えたと、そう取れる内容がありましたし。まぁ、ここら辺は被害者と話を付けた上で、言い逃れることや勘違いで済ますことも可能ですから。真相は藪の中。そこについてのツッコミは、普通に入っていますが。黙して語らず。このスルー力を、最初の被害者に発揮できなかったか?
岩田氏が被害者の方に電話をしたのは「小誌・編集部が岩田からの謝罪文の送付を待っていたタイミングで、預かり知ることができませんでした」とありますが、被害者の方の電話番号を岩田氏に教えたのは「小誌・編集部」なのでしょうか、それとも双葉社の担当者なのでしょうか。 https://t.co/5FgfH1z1Ei
— 佐野亨 Toru Sano (@torusano1124) January 25, 2021
コレに関して、町山さんの言い訳が、見つかりました。町山さん自体も今回の映画秘宝炎上に謝罪コメントを出してるのですが、それに関連してツイートを幾つか削除されていて、それを突っ込まれています。また、謝罪関係のツイートの後、過去の宣伝ツイートをセルフリツイートして、下に長そうとしているようにも見えてしまいます。いずれにしろ、問題を自分で燃料投下しちゃってる状態です。
なんで削除したんですか? pic.twitter.com/eg2ky2mc9C
— とくらげ (@and_jerry_fish) January 25, 2021
双葉社に発行を停止してほしくないからです。
— 町山智浩 (@TomoMachi) January 25, 2021
答えになっていませんね。発行を停止してほしくないことと発行停止を心配するツイートを削除することに整合性があるとは思えません。
— とくらげ (@and_jerry_fish) January 25, 2021
こちらも削除したようですね。 pic.twitter.com/zK9oSmU3H9
— とくらげ (@and_jerry_fish) January 26, 2021
双葉社にその考えを起こさせてしまうかもしれないなと思ったからです。
— 町山智浩 (@TomoMachi) January 25, 2021
正直と言えば、正直ですが……。それでは、春日太一さんの、キツい指摘でフィニッシュ。双葉社に累が及ばないように、かなり気を遣っているのがわかります。ただコレは、流通を担う出版社にキンタマを握られてる編集プロダクションとしての合同会社オフィス秘宝としては、仕方がないでしょうね。双葉社も悪いんです、とは口が裂けても言えない。言えるはずがない。自分が同じ立場でも、そう言うしかないないでしょうね。下請は辛いよ。
「弱者に寄り添う」と書いていますが、最後の結びで思い切り「強者におもねる」というスタンスになっていることは認識された方がいいですよ。 https://t.co/wwGuJoy4xS
— 春日太一 (@tkasuga1977) January 25, 2021
映画秘宝の声明文。岩田編集長が被害者に「直接電話」したことが「看過できない」のならば、「なぜ岩田編集長は被害者の連絡先を知り得たか」の経緯を説明する必要はあります。
— 春日太一 (@tkasuga1977) January 26, 2021
双葉社を「一切関与していません」とするなら、なおのこと。
それをしないなら、結局は「看過」していることになるかと。
■個人的雑感その他■
今回の件に関して、コチラのツッコミが秀逸でした。映画秘宝は、ハイカルチャーでメインカルチャーである映画というジャンルにあって、ローカルチャーであったアニメを馬鹿にせず、デートムービーではないマイナーな作品にも目を配っていた、サブカル側の雑誌でした。ただ、創刊者である町山さんの左傾化で、雑誌や周辺のライター自体も左傾化してるように、自分には見えます。偏見ですが。
映画秘宝はサブカルチャー側(サブカル者)だったのに悪さした途端にオタク側の枠に入れられて『オタクの失点』にカウントされてるの見ると「サブカル者は身内の悪行はおたく(オタク)として切り捨てて自省しない」という悪癖が抜けきってないのが分かる。
— Dory (@Dorumen) January 26, 2021
サブカルとオタクの30年戦争についてはコチラを参照。ローカルチャーとハイカルチャー、メインカルチャーとサブカルチャーによる4つのセグメントに加え、カウンターカルチャーという存在のややこしさとか、メインカルチャーでも異端だったりするジャンルのルサンチマンとか、イロイロ面倒臭いですが。映画秘宝って、そういう4ジャンルを横断する、鵺的な存在でもあるんですけどね。
左傾化が激しいTBSラジオにおいて、やたらと韓国ネタをやっていたのがライムスター宇多丸氏のアトロクであり、タマフル時代からの町山さんとの関係の中で、韓国推しと映画秘宝の宣伝もできる、一石二鳥の機会だったのは間違いないでしょう。TBSラジオ自体が、そういうメディアの力を活かして、左派人脈で番組を固める方向が、ここ数年顕著です。三村社長の方針か、長谷川プロデューサーの意向かは知りませんが。
この問題、岩田編集長の暴走という以上に、TBSラジオと左傾化、左派人脈の仕事囲い込みという部分での歪な関係が、思わぬ形で吹き出したように自分には思えますけどね。今回の映画秘宝の炎上自体については、上記のnoteも参照してくださいm(_ _)m
どっとはらい
■追記①■
映画秘宝の大槻ケンヂさん、のん(能年玲奈)さんの連載が終了、高橋ヨシキさんも去ることを明言しました。宝島社(洋泉社)以来の長い長い付き合いだったのに……。さすがに、町山智浩さんの政治的な偏向に対して、距離を置こうという感じですかね。何やら、大学院生リンチ事件が発覚し、しばき隊界隈から距離を置く人、反目に回る人が出てきた状況に似ています。あ、SEALDs奥田クンのはただの逃走ですが。
既にご存知の方も多いと思いますが、本日発売の号をもって、ぼくは20余年に渡り仕事をしてきた『映画秘宝』と袂を分かつことにしました。これはあくまでもフリーランスとしてのぼく個人の決断です。長年『秘宝』を通じてお世話になった皆様、読者の皆さん、本当にありがとうございました。(ヨシキ) pic.twitter.com/V1C9IK7SmH
— 高橋ヨシキinfo (@InfoYoshiki) February 20, 2021
たぶんにTBSラジオ長谷川裕プロデューサーに連なる人脈との関係性も含め、軋みが出ていますね。映画秘宝最新号後書きでの、新編集長の他人事感というか被害者コスプレ風味も、批判されています。出世景清さんのこちらの意見が、問題を的確に指摘されています。
体制に激しくNOを突きつけようとしたカウンターカルチャーとは別に、本邦サブカルチャーは政治から距離を置くことを旨とする所があった。みうらじゅんや大槻ケンヂは今でもそういうスタンスだと思うけど、秘宝もと学会も(そしてかくいう我々も)多くは気がついたら政治に絡め取られていた感がある。
— 出世景清 (@waratteyoritomo) February 20, 2021
サブカルと言っても、自分の趣味を突き詰めようという上座部サブカルと、衆生救済の社会運動にコミットしようという大乗サブカルがいて、前者がみうらじゅん先生や大槻ケンヂさん。後者が町山智浩さんや山本弘氏。と学会自体、町山さんが世に知らしめた側面がありますしね。仏教の根本分裂みたいな感じですが。でもそれって、学生運動の挫折から最初から政治的だった呉智英夫子とも違うんですよね。
■追記②■
さらに追記です。映画秘宝のスタッフである、奈良夏子さんの告白がツイートされました。もう、映画秘宝が映画悲報状態……。
映画秘宝の公式Twitterで1月26日朝の謝罪文(第2報)を投稿したのは私です。 pic.twitter.com/gBQyOzh8AZ
— ナラ (@narana801) February 26, 2021
謝罪文第二報というのは、こちらのツイート↓のことですね。重複しますが、上まで戻るのも面倒臭い人も多いでしょうから。奈良夏子さんが早急な投稿をすべきではない、と考えた理由は明らかではありませんし、その考えが正しかったか、現時点では材料がないので。告白されてなお、奥歯に物が挟まった感が、奈良さんのツイートにはあります。
「映画秘宝」編集長・岩田によるダイレクトメッセージによる恫喝に関するご説明
— 映画秘宝 (@eigahiho) January 25, 2021
2021年1月26日
合同会社オフィス秘宝 取締役 田野辺尚人
映画秘宝編集部一同
映画秘宝相談役 町山智浩 柳下毅一郎 pic.twitter.com/boWF6bXqL2
事件列が前後しますが、第一弾のツイートも、保存を兼ねて。
【お詫び】
— 映画秘宝 (@eigahiho) January 25, 2021
この度は、大変お騒がせしてしまい、誠に申し訳ございません。
添付のあるまじき悪質なDMを、本誌公式ツイッターアカウントより、いち個人の方へ送付した件につきまして、心よりお詫び申し上げます。 pic.twitter.com/1XbEbWdTW7
こちらがツイフェミのような、被害しゃぶっての脅迫DM。ひょっとして、マジにツイフェミ話法をまねた洒落のつもりだったのか?
すべては公式アカウントの管理・運営にあたっていた編集長である岩田和明の単独行動であり、責任はすべて岩田和明にあります。
— 映画秘宝 (@eigahiho) January 25, 2021
他の関係者、及び海外映画ニュースの配信を担当している外部委託者は、いっさい関与をしておりません。
当該DMを送付した経緯は、1/5(火)放送の『アトロク』韓国映画特集回の当該女性アカウントのツイート内に、女性ゲストが不在である件、及びホモソーシャル的な映画秘宝文化についての苦言が記されていたことについて、過労のなかで一方的に頭に血がのぼってしまい、憤りを感じてしまったためです。
— 映画秘宝 (@eigahiho) January 25, 2021
その結果、当該女性に対して、甚大なるご迷惑をおかけしてしまいました。
— 映画秘宝 (@eigahiho) January 25, 2021
媒体の影響力を顧みず、公式ツイッターからいち個人へのあるまじき悪質なDMを送付してしまったことを、深く反省いたします。さらに、今後の再発防止と共に、信頼回復へ向けて全力を注ぎます。
その結果、当該女性に対して、甚大なるご迷惑をおかけしてしまいました。
— 映画秘宝 (@eigahiho) January 25, 2021
媒体の影響力を顧みず、公式ツイッターからいち個人へのあるまじき悪質なDMを送付してしまったことを、深く反省いたします。さらに、今後の再発防止と共に、信頼回復へ向けて全力を注ぎます。
ご本人様には直接の謝罪を申し上げ、再発防止にかんする具体策を後日発表することを前提に、今回の謝罪を受け入れていただきました。
— 映画秘宝 (@eigahiho) January 25, 2021
本ツイートも直接ご本人にご確認をいただき、同意をいただいたうえで公開いたしました。
映画秘宝編集部では事態を重く受け止め、今後岩田はツイッター管理から離れることはもちろん、さらなる処遇については、改めてご報告申し上げます。 今回の件でご迷惑をおかけした関係者の皆様、いつも本誌を愛読してくださっている読者の皆様に、心よりお詫び申し上げます。映画秘宝編集長・岩田和明
— 映画秘宝 (@eigahiho) January 25, 2021
今後、このツイートと矛盾する内部告発が出てきそうですが。ソレを予感させる内容が、コチラの連続ツイート。。
僕は画像の「ご説明(ママ)」の制作過程も内容も何も知らされず蚊帳の外。発表後に知りました。なので「編集部一同」と署名がありますが、誰を指しているのかわかりません。 pic.twitter.com/nF32mIhCO8
— 市川力夫 (@rikioichikawa) February 28, 2021
これまで「秘宝」の編集に携わってきましたが、あの文書の制作に関わった偉い方々から見ると、僕は編集部の一員ではない、という認識なのかもしれませんが。
— 市川力夫 (@rikioichikawa) February 28, 2021
そして、あの「ご説明(ママ)」発表直後から、内容も、出すタイミングも、何もかも間違っていると内部では異を唱え続けていました。
— 市川力夫 (@rikioichikawa) February 28, 2021
とくに「差別や暴力の恐ろしさを学び、その上で弱者に寄り添うことを編集上のポリシーとして」などと、ちゃんちゃらおかしいことが書いてあったのでとても驚きました。どの口が、と。
— 市川力夫 (@rikioichikawa) February 28, 2021
市川氏は異を唱えていたのに、押し切ったのは誰か? さて、この件に関する町山智浩氏のツイートがコチラ。
自分は「一刻も早く被害者に謝罪し、事実説明と編集長処分を約束したい」と主張し、「早急な投稿はすべきではない」と反対する奈良さんに無理に町山の連名の謝罪文を投稿させました。奈良さんと被害者の方にご迷惑おかけしました。責任を取るつもりです。申し訳ありませんでした。 https://t.co/z0Vd6kioBW
— 町山智浩 (@TomoMachi) February 28, 2021
ちなみにこの件で今まで発言できなかったのは、「弁護士を通して被害者と交渉しているので、一切の発言を控えてほしい」と言われていたからです。
— 町山智浩 (@TomoMachi) February 28, 2021
その弁護士って、双葉社の顧問弁護士ですか? この一連の流れに対して、ロマン優光氏がこんなツイートを。正鵠のような気がしますが、取りあえず判断保留。
柳下さんの謝罪文の高橋ヨシキのくだり、秘宝編集部四人の声明文と合わせてよむと高橋ヨシキが岩田を自白させたってことだと思うけど、自白させた後に野放しにしてたら岩田が被害者に直で連絡とって挽回しようとしちゃったってこと?
— プンクボイZZ aka ロマン優光 (@punkuboizz) March 1, 2021
長らく沈黙を守ってきたファビュラスバーカーボーイズの柳下毅一郞氏の、ツイートがコチラ。謝罪がバーターであるかのような誤解を避けるため、映画秘宝から去る、という表明と、高橋ヨシキ氏へのねぎらいが。柳下氏も、ある意味で箝口令を守っていたのでしょう。潔いと思います。
映画秘宝前編集長によるDM事件の処理にまつわるハラスメントについての謝罪 pic.twitter.com/g0H2IOgVHf
— Kiichiro Yanashita (@kiichiro) March 1, 2021
やっぱり、奥歯に物が挟まってるようで。でも、奈良さんのツイートに、「高橋ヨシキもパワハラに加担か!」と、吹き上がってる人もいましたが。どうも、高橋ヨシキ氏自体は常識的に動いてるようにも思えますが。これも状況はわかりません。ただ、言い訳せず推移を見守り、奈良夏子さんにもすぐ謝罪されています。
『映画秘宝』編集部の奈良さんに、くだんの件についてお詫びします。本当に申し訳ありませんでした。(高橋ヨシキ) https://t.co/laxXbZUBLg pic.twitter.com/T0Ggd7cWIt
— 高橋ヨシキinfo (@InfoYoshiki) February 28, 2021
ご本人の口から、真実が語られるのか否か。あんがい、胸に納めそうな。あるいは、だいぶ時間が経って、関係者が傷つかない状況になってから断片的に語るか。ついでに、てらさわホーク氏のツイートも。
— てらさわホーク (@hawk13) March 1, 2021
そもそも、この一連の流れは、映画秘宝の中では下っ端扱いだったギンティ小林氏による、この告発が発端でした。
「映画秘宝」前編集長・岩田和明による悪質なDM送付事件について pic.twitter.com/hde1zFvqCw
— ギンティ小林 (@gintykobayashi) February 26, 2021
はい、双葉社の主導と決まっていた、と。版元としてはそうでしょう。これ自体は別に、出版業界の動きからすれば驚くことはないです。そして、実質は院政を敷いている町山智浩氏とその周辺の高橋・柳下・てらさわ氏らの主導によって、現編集長の岩田氏はもちろん、洋泉社時代の編集長であった田野辺氏の頭越しに、動いたと? けっきょく、キングメーカーは誰か、と言うことですね。
秘宝編集部の声明に書かれてる外部ライターってヨシキさん(たち)のことでしょ。外部だけど実質的に権力を秘宝内で持っていて編集長を締め上げれる立場の人。
— プンクボイZZ aka ロマン優光 (@punkuboizz) February 26, 2021
被害者ご本人のツイートも、時系列がわかって助かります。
・「虚偽であった」と書かれていますが、私から「Twitterを含むSNS等でのアクション、発信は一切行わないでほしい」とは全く!要望していません
— 🍙 (@TDIyNT0BAID9mI9) February 27, 2021
・「非公開を前提とした弁護士同士での話し合い」も、こちらから求めたものではありません。(1月26日時点でこちらも弁護士さんに相談はしている、と https://t.co/lpIVQDubxy
双葉社さんにお伝えしましたがその時点では依頼は「検討中」でした)2月1日に双葉社より「今後は双葉社として下記弁護人が担当させていただきます」とのメールを受け取り、それを受けて私の方でも弁護士に依頼をし、2月3日に双葉社代理人へ対して受任通知を送っています
— 🍙 (@TDIyNT0BAID9mI9) February 27, 2021
・「2月23日中に回答文を作成し、弁護士に託しました」とのことですが、2月27日現在、私の手元には回答文は届いていません
— 🍙 (@TDIyNT0BAID9mI9) February 27, 2021
・私からの質問書を2社の代理人弁護士に送付した際に、「こちらは謝罪に関することは合意書に含まない事を希望しているので、
今後、謝罪に関することについては代理人を通さずに私に直接DMしてもらっても結構です」との書面も送っています
— 🍙 (@TDIyNT0BAID9mI9) February 27, 2021
・今現在、私のところにメールなどは届いていませんし、土曜日に改めて確認もしましたが、こちらの代理人弁護士のもとにも今の所「回答文」は届いておりません
ただ、編集部員の方達は私からの質問にすぐに答えてくださったんだ、と分かりホッとしました
— 🍙 (@TDIyNT0BAID9mI9) February 27, 2021
そちら側の状況を公開してくださり、ありがとうございます
奈良夏子さんのツイートに対する謝意。
謝罪してくれて嬉しいです。やっと言葉が通じた、という気持ちです。また、お名前を出して公開の場で1月26日の状況を打ち明けて下さって、ありがとうございます。とても勇気がいることで尊敬します https://t.co/pyhC5nNIvt
— 🍙 (@TDIyNT0BAID9mI9) February 27, 2021
私のツイートを見てその決意をして下さったと知り、私が声をあげたことも、覚悟を決めたことも、無駄ではなかったんだ、と分かって、すごく嬉しかったです
— 🍙 (@TDIyNT0BAID9mI9) February 27, 2021
被害者ご本人が、納得されるのが一番ですね。どうも、ギンティ小林氏による反乱、というか下剋上? これで・町山・田野辺両氏の影響を排しての再出発、下手すると映画秘宝休刊、あるいは主要ライターが離脱して、別雑誌を創る可能性を感じますね。でも、出版業界の過去事例を見ると、そういう動きってだいたい失敗するんですよねぇ……。町山智浩氏がどういう説明をするかで、追記③が必要な事態になるかも、です。
申し訳ありません。これだけはツイートさせてください。https://t.co/E31SRZcVTd
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 1, 2021
───この状況でそれですか。自分、作家には先生、個人的に評価してる人にはできるだけさん付け、中立的な場合や良く知らない人には氏、故人は敬称略(字数がキツい場合も)、作家や議員だけど評価してない人にはセンセーと、呼び方を変えています(完璧にできてるわけではないので重箱の隅つつきはご容赦を)。町山智浩氏と、この追記からは表記を統一しようと思います。
■追記③■
よく知らないライターさんが、本noteについて心当たりのないことを書いていたので、追記します。
アトロクの韓国映画の特集のときに女性ゲストが出たら、韓流スターのルックスの話をしていると思われているようで。私、出たけどそういう話してないけどな。
— 西森路代 (@mijiyooon) March 5, 2021
“韓流スターのルックスとか、そういう話題に流れるのがイヤだったのか”
映画秘宝が炎上の状況まとめ|喜多野土竜 https://t.co/KbYqAsHgeX
まあ、そういうことには、粛々と原稿でみせて行こうと思っているので。ちゃんと原稿書いていきますし。
— 西森路代 (@mijiyooon) March 5, 2021
ちゃんと原稿を書く前に、人の書いたものをちゃんと読んで、ちゃんと理解するのが先じゃないですか? いちおう、反論は引用とリプライ、両方でやっておきました。
>宇多丸氏のマネージャーの女性が、韓流映画ファンで、かなり詳しかったりするので、加えるとかの対応はあっても良かったのかな、と。韓流スターのルックスとか、そういう話題に流れるのがイヤだったのか、特に思惑がなかっただけなのか、そこはわかりません。
— 喜多野土竜 ⋈ 腰痛持ち (@mogura2001) March 10, 2021
あなたの話なんかしていませんが? https://t.co/L5t4EzkUui
それに対する反応がコチラ。
それが私が関係ないとは言い切れないんですよ。 https://t.co/chkL96nj7C
— 西森路代 (@mijiyooon) March 10, 2021
自分の引用ツイートとリプライはコチラ。
ココがコレコレこういう理由で関係あります、という形ではなく、思わせぶりなことを書いて引っ張る人に、実りある議論はできないことが多い。
— 喜多野土竜 ⋈ 腰痛持ち (@mogura2001) March 10, 2021
「誤解を招く表現でスイマセン」ぐらいは言って良いんじゃないですか? Togetterでこんなまとめられ方をされてるんですから。https://t.co/FDzRKKU6kl https://t.co/UPkNnaSu0V
粛々と書いたらいかがですか、ってことで。ついでに、Togetterでのまとめもリンクしておきますか。
事実誤認だらけで笑うなぁ。自分はかなり、町山智浩氏には好意的だし、そのことでむしろ批判を受けてきたし、一橋大学のアウティングは異論反論が許されないのか? 被害者アカウント晒し云々も、本人が言及してるのに何言ってるんだか。自分はこのnoteを書く中で、ロマン優光さんのツイートで、本人のアカウントを知りましたが。喜多野が被害者ぶるためにワザと作った自作自演まとめとか、笑われそうなレベルです。
■追記④■
どうやら、洋泉社時代の創刊メンバーである町山智浩氏らと、現編集部との間で、内ゲバモードに突入してしまったようです。かなり量が多いですが、資料的価値があると思いますので転載します。もちろん、町山智浩氏の側からの、一方的な言い分ではありますし、元の問題も読者も置き去りにしてしまっています。ただ、編集者として、町山氏の無念の気持ちは解ります。雑誌は編集者の子供みたいなもんですから。
僕は時差の関係で、岩田の件は謝罪文が既に書かれた後に知ったのですが、それまでの時間の流れはこれに書かれています。でも、謝罪文発表の後は連絡が取れなくなりました。https://t.co/NDZOajNQwx
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
この謝罪文作成の中心になった秘宝編集スタッフの秋山くんは、僕が秘宝と連絡が取れなくなっている間に、新体制になった秘宝編集部から解雇されていました。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
僕を奥付から外した先月号が発売された後、新体制になった編集部の、岡本編集長を除くフリー編集者4名が声明を発表しました。そこにはオフィス秘宝の経営者である田野辺君から主導権を奪ったと書かれていました。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
さらにその後、編集部の奈良さんが、先の謝罪文を公式アカウントからツイートしたのは、高橋ヨシキ、柳下毅一郎、てらさわホーク、そして僕に説得されたからで、本意ではなかったとツイートしました。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
それで僕ら4名はツイッターで謝罪しました。柳下とホークは責任を取って秘宝からの引退を宣言しました。ヨシキは岩田DMの真相究明に編集部が非協力的だったことで秘宝から既に離れていました。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
僕も奈良さんへの謝罪文で「責任を取る」と表明しました。引退を宣言するつもりでしたが、その前後で奈良さんから「引退宣言は迷惑です」との連絡があったので、宣言を出すのをやめました。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
では、今後、僕は秘宝とどう関わることを望んでいるのか、新編集部に問い合わせましたが、それについての返事はまだありません。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
その件を何度も新編集部の窓口になっている市川くんにメールで問い合わせたのですが、回答をもらえないまま、「もうメールしてこないでください」と言われて、現在にいたります。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
最初の謝罪文の後、町山は何か発言すべきだ、と言われ続けましたが、新編集部も声明で書いているとおり、秘宝、双葉社、被害者がそれぞれ弁護士を通じて交渉しているので、勝手な発言をしないよう通告されていました。また編集部と連絡がとれず、何が起こっているのわからないというのも現実でした。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
以上のような経緯で、秘宝の新編集部で誰が何をしようとしているのか、今も僕にはまるでわかりません。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
僕自身は映画秘宝の創刊者であるだけでなく、オフィス秘宝立ち上げ時にそれなりの資金を提供した債権者です。秘宝の行く末が本当に心配です。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
すみません。一箇所訂正です。てらさわホークも僕と同じで引退を宣言しようとした前後で編集部から慰留されて宙ぶらりんの状況とのことです。失礼しました。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
映画秘宝は、宝島社から、倒産寸前の子会社だった洋泉社に左遷された僕がそこで田野辺君と二人で文字通り手作りで創刊し、洋泉社を立ち直らせた雑誌です。だから資金面を含めて援助し続けてきました。それがこのような形で強引に奪われてしまうとは、本当に悲しいです。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
当時、洋泉社はバラックのような建物で負債を抱え、原稿料はおろか校正者も雇えない状況でした。そこで僕と田野辺君は二人で本文のほとんど全ページをレイアウトして写植を手貼りして版下を作り、自分でも原稿を書いて本当に手作りで創刊号を作ったのです。秘宝は法的にも田野辺君の財産です。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
当時、洋泉社はバラックのような建物で負債を抱え、原稿料はおろか校正者も雇えない状況でした。そこで僕と田野辺君は二人で本文のほとんど全ページをレイアウトして写植を手貼りして版下を作り、自分でも原稿を書いて本当に手作りで創刊号を作ったのです。秘宝は法的にも田野辺君の財産です。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
もともと映画秘宝は田野辺君が中原くんと作った「悪趣味洋画劇場」と僕が柳下や平山さんとやっていた「映画宝島」の合体として創刊しました。その後、ギンティ、ヨシキ、ホーク、長谷川町蔵などの浪人たちを道すがらに集めて秘宝を育てていきました。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
映画秘宝の文章にはルールを決めました。まず、その映画のことを誰よりも好きな人に書かせること。そして徹底的に細部にこだわって誰にも浅いとかヌルいと感じさせないこと。見出しからキャプションまで情報とギャグを詰め込むことです。そのために書き手には何度も書き直しをしてもらいました。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
そして編集側のルールは絶対にきちんと原稿料を払うことです。映画や音楽誌の原稿料は激安でした。400字1500円なんていいほうで、未払いのまま踏み倒されるのも普通でした。だから秘宝は最低でも400字4000円を払おうと決めました。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
もうひとつ。絶対に金で買われない。当時、ロッキング・オン社の雑誌の特集は映画会社からの広告費で決まっていました。キネマ旬報の特集もそうでした。そういうことは絶対にしない、自分たちの好きな映画は嫌がられても勝手に推す、と田野辺君たちと誓いました。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
ムックの成功で大判化、定期化しました。表紙を含めた全ページの設計は僕が一人でしました。ビジュアル誌としての方向性を定めるためです。そのフォーマットは今も使われ続けています。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
親会社の宝島社が子会社洋泉社を畳むことで映画秘宝はいったん休刊します。それから田野辺君が慣れないのに弁護士に相談して秘宝を存続させるために奔走します。常に体調が悪く言葉も強くない田野辺君の交渉を支えたのは岩田編集長(当時)でした。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
それから2ヶ月間、田野辺君は、宝島社が所有する映画秘宝という商標を買い取るための交渉と、宝島オフィス秘宝を立ち上げるための法的な作業、岩田は発行元を探して各社との交渉に奔走しました。ふたりとも私費で頑張りました。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
弁護士費用や商標買取などで二人のお金は尽きていました。新しい事務所を借りる資金もありません。そこで僕は彼らに300万円提供しました。株式会社化するなら出資としてほしいと言いましたが、オフィス秘宝は株式会社でなく田野辺と岩田の合同会社になりました。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
だから僕の300万円は出資ではなく融資になりました。田野辺君は株式会社にして秘宝編集部を社員として雇うことを考えていましたが、それは岩田に反対されたそうです。また編集部員もなぜかそれには反対し、田野辺と岩田の合同会社になりました。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
発行することになった双葉社も出資を持ちかけましたが、岩田は拒否して合同会社になりました。それが社主である岩田の独裁と暴走につながったとも言えます。株式会社なら出資者に監視されるので、もう少し抑えられただろうと思います。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
とはいえ、秘宝が存続できたのは田野辺君と岩田二人の努力です。でも、田野辺君は体調が悪く、もともと押しの弱い性格なので岩田を抑えられず、彼の失脚で主導権に空白が生じたところに、今度はフリーの編集者たちが田野辺君から主導権を取り上げると公に宣言する事態になってしまっているのです。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
この事態に対して、創刊者であり、債権者である僕はなんとか介入を試みていますが、現在、編集部からは連絡や説明がない状態が続いています。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
田野辺君は映画秘宝の創刊者であるだけでなく、休刊した秘宝の商標を買取り、復刊させた人物であり、名も実も秘宝は彼のものです。それを彼の手から取り上げることをツイッターで公に宣言した秘宝のフリー編集者たちは、その違法性、その非道義性について気づいているのでしょうか。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
謝罪文掲載後、編集部から一切連絡が無かったと書いたのは事実に反していました。連絡が途絶えたのは2月3日に僕が編集部にこういうメールを送ってからでした。 pic.twitter.com/O97UDBT8TO
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
田野辺君からは返事があって、なんとかするから編集部を責めないでほしいというメールでした。ところがその後、編集部はその田野辺君から決定権を取り上げる宣言をしたわけです。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
田野辺君は心身ともに良好ではなく、交渉などの激しいプレッシャーに耐えられません。それは岩田が代わりにカバーしていました。その彼が失脚した今、田野辺君は編集部からの強い突き上げに耐えられるメンタルを持っていません。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
田野辺君は映画秘宝の天皇だと僕は思っています。僕は田野辺君が好きなものを記事にすることで映画秘宝を作り始めました。怪獣、クンフー、パニック、石井輝男、松田優作、ローリング・ストーンズ……。目の前に田野辺君というモデル読者がいたから、そのために作ることができた雑誌なんです。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 20, 2021
この一連のツイートをしている間に現編集部から、田野辺君から映画秘宝の決定権を取り上げる宣言をした理由について説明するメールが来ましたが、その内容はとうてい信じることができないものでした。ただ、やっと連絡はあったと記しておきます。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 21, 2021
要するに彼らは秘宝の復刊に際して何もしなかったにもかかわらず、復刊にすべてをかけた田野辺君の手から秘宝を横取りしようとしているのです。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 21, 2021
映画秘宝創刊号を作ってる時、編集部のボロいテレビで毎週田野辺くんとエヴァを観ていた。自分が心血を注いで作り育てたものを守るため金まで出して救おうとしたら後から入ってきた知らない人たちにそれを横取りされる気持ち、よくわかる。おれは金額的に300分の1だけど。 https://t.co/VY3LoRtZ79
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 22, 2021
そんなに雑誌をやりたいなら、他の人がゼロから苦労して立ち上げて何十年もかかって名前を育てた雑誌を横から取るんじゃなくて、自分でゼロから始めればいいのに。
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 22, 2021
創刊の主要メンバーが離れるなら、それはもう映画秘宝ではなくなると言うこと。ガロが、親会社の右傾化で編集スタッフが離れて新雑誌を創刊しましたが。映画秘宝もそうなるのでしょうか? 町山氏の左傾化とTBSラジオ人脈がこの事態をもたらしたとしたら、皮肉ですが……。思想の左右を問わず、バランスを欠くとこうなる、というもうひとつの事例として。今後の推移次第で、また追記することになりそうです。
■2021年12月2日追記■
けっきょく、こういうことのようです。
『映画秘宝』元編集長によるDM送付事件、及び現・編集部の退職について pic.twitter.com/wNl9EHiffs
— ギンティ小林 (@gintykobayashi) December 2, 2021
ついに空中分解ですか……。創刊者で出資者側の意識と、現場の意識が乖離したのですから、残念ですが仕方ないですね。この後どういう動きになるか、解りませんが。キツい言い方をすれば、ライターは補充が聞く存在。町山智浩氏が主導権を取り戻し、友人知人のライターに声をかけ、再出発となるのか。もしそうなっても、寂しい結末に思えます。あくまでも個人の感想ですm(_ _)m
往年の秘宝系の記事は過激さを競ってか知らんが単なる悪趣味にとどまらない(当時からしても)差別的な表現のオンパレードだった。
— 💉出世景清💉 (@waratteyoritomo) December 2, 2021
当時はそれが昭和的な規範や建前(=抑圧)に中指立てるパンキッシュな姿勢とされていたんだろうけど。
一方で、(初代編集長の出自も関わってだろうけど)早くから人種マイノリティに着目して映画を語ったのも秘宝だった。
— 💉出世景清💉 (@waratteyoritomo) December 2, 2021
マイノリティをエンパワメントする事と露悪的で時に差別的でさえあった過激表現を用いる事が変な形で通底していたのが平成初頭のサブカルの空気でもあったんだろう。
しかし、男子中学生的ボンクラホモソのノリでキャッキャする事と反差別を繋げるという搦め手も、時代が下ったことによって限界が来てしまったのだろう。
— 💉出世景清💉 (@waratteyoritomo) December 2, 2021
今はもうそういうホモソなノリ自体が問答無用で悪とされるようになってしまった。今回の騒動の発端もそういう話からだった筈。
自分は個人的にはホモソなノリの語りの場も今後あって然るべきと考える。
— 💉出世景清💉 (@waratteyoritomo) December 2, 2021
ただ、一方で欧米流の価値観のアップデートを唱えながら他方でそういうノリも維持しようとするとなると、非常に訳がわからないことになるのは必定。
出世景清さんらしい、バランスの取れた冷静な視点ですね。けっきょく、ライムスター宇多丸氏がヒップホップ界の反体制を履き違えた無軌道なライブについて意思表明せざるを得ず、それに絡めて語られることを恐れた某ライターが自分のツイートに過剰反応したりと、ポリコレ棒は振るう側だったはずのリベラル界隈をも、殴打しています。でも、誰しも安全圏に入られません。それは、自分も含めて。
いいなと思ったら応援しよう!
