台湾がTPP参加を正式申請
◉いよいよですね。これで台湾と中国、両者がTPP加入となった場合、TPPでの台湾をどう扱うかの問題が生じます。言うまでもなく、中国はWHO(世界保健機関)という公的な機関からですら、台湾排除を工作した中国としては、台湾を対等な国として認めるわけにはいきませんから。でも、日本や将来的に再加入するであろうアメリカにとって、コレは大きな政治的カードでしょう。
【台湾がTPP加盟を正式申請…参加巡り中国との駆け引き激化へ】読売新聞
【台北=杉山祐之】台湾の行政院(内閣)報道官は、台湾が22日、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を正式に申請し、全加盟国に支持を求めたことを明らかにした。
台湾は今年2月、TPPへの参加意向を表明していた。国際社会での活動拡大を図る台湾としては、中国をけん制する狙いもあってTPPへの参加を強く望んできた。
写真はnoteのフォトギャラリーより、台南市の路地裏だそうです。風情がありますね。
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■21世紀のブロック経済圏■
ついに、この事態がきましたか。TPPは21世紀のブロック経済圏であると、自分は以前から書いているのですが。第二次世界大戦の遠因となったブロック経済圏ですが。軍事的な繋がりがクアッドなら、TPPは経済的な紐帯と言えるでしょう。ハッキリ言えば、それは対中国包囲網。でも、この世界戦略を理解できないアメリカの保守系市民などは、反対を表明したのですが。でも、バイデン大統領はTPPへ復帰の方向ですから。
アメリカと日本という経済大国が、経済面で対中国包囲網を環太平洋経済圏で構築しようとしたら、ある程度は損をして加盟国をつなぎ止めるのは、必然ですから。コウモリ外交の韓国は微妙なポジションですが、オーストラリアやニュージーランド、、カナダなどの英連邦国にベトナムやシンガポールなど東南アジア各国、メキシコやペルーの中南米諸国。ある意味で、国連よりも世界情勢に影響を与える存在に。
■菅義偉総理訪米の意味■
現実的に、国連は中国の工作で骨抜きになっていますし、中国とロシアという常任理事国のせいで、拒否権発動で何も決められない組織に。日本語では国際連盟と訳されますが、元は連合国軍。二次大戦での戦勝国側がベース。であるならば、アメリカが新たな組織を画策しても、不思議はないわけで。その意味で、クアッドはその受け皿になる。この問題は、そう簡単な経済だけの問題ではないのです。
そこが解れば、菅義偉総理の訪米も、単なる卒業旅行と揶揄するのは政治音痴。蔡英文総統が高市早苗議員とWeb会談を行って援護射撃をし、中国が台湾産果物の輸入禁止を発表し、そしてTPPへ正式申請。これらの点は全部、将来的なアメリカによる台湾の国家承認と、米中戦争への線に繋がっています。アメリカとの善後策のすり合わせと、戦略確認のため、と見るのが妥当でしょう。
■兵糧攻めのTPP戦法■
戦争と言っても、熱い戦争と冷たい戦争がありますから。日本の外交戦略は、佐藤誠三郎門下生の影響がありますから。やるとしたら、レーガン大統領がソビエト連邦を兵糧攻めにした先例に倣うでしょう。