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東シナ海の海底油田で中国が構造物設置

◉ロシア連邦がウクライナ侵攻で世界的に批判を受けてる最中に、シレッとこういうことを仕掛けてくるのが、共産党一党独裁の隣国、と。北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は北朝鮮で、バイデン大統領の訪日に合わせて、ミサイルを発射するのではとか噂が出ていますが。でも、こういう行為自体は日本政府と与党自民党にとっては、追い風になるでしょうね。日本国憲法の改正と軍事費増額に、プラスにこそなれマイナスにはならないでしょうから。

【中国が東シナ海で構造物設置の動き 外務省抗議】産経新聞

外務省は20日、中国が一方的にガス田開発を進める東シナ海の日中中間線の西側で、新たに1基の構造物設置に向けた動きを確認したと発表した。同省の船越健裕アジア大洋州局長は在日本中国大使館の楊宇公使に強く抗議。東シナ海の資源開発に関する平成20年の合意に基づく交渉再開に早期に応じるよう求めた。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、スエズ湾の海底油田のプラントのようです。イロイロとありますねぇ。

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■尊皇攘夷と日本維新の会■

「日本人の心を一尺掘れば、尊王攘夷が吹き出す」と評されたのは、半藤一利氏でしたか。尊王はなかなか可視化されづらいですが、それでも日本の嫌韓感情が一気に出てきたのは、李明博大統領による天皇陛下(現上皇陛下)侮辱発言から。あのときはまだ民主党政権で、左派は安倍政権が嫌韓を煽ったと事実に基づかないことを言いましたし、マスコミは天皇の権威と国民の親愛の情を認めたくなくて、竹島上陸を盛んに問題視していましたが。

攘夷に関しては、例えばDappiアカウント。あれを自民党から金を貰っての工作アカウントということに、立憲民主党やそのシンパはしたいようですが。実際は、Dappiアカウントが推していたのは維新の会で、特に足立康史議員。むしろ、自民党でも親中派にはかなり手厳しく、逆に立憲民主党でも松原仁疑心には好意的でした。ネット右翼(ネトウヨ)の定義は曖昧ですが、嫌中・嫌韓・嫌朝という共通項は見いだせそうです。

■興亜論と脱亜論の狭間で■

でもそれは、玄洋社の頭山満の昔から、大アジア主義=興亜論がベースの伝統的な右翼団体の思想とは、相容れません。アジアは団結して西欧列強のアジア支配と戦うというのが、大アジア主義とそれに連なる大東亜共栄圏の考え方ですからね。故に、右翼には昔から親中親韓の人間が多いわけで。児玉誉士夫も笹川良一も内田良平も福田恆存も赤尾敏も、ついでに岸信介も安倍晋三夫妻も、親韓ですから。維新の会の躍進には、そういう中朝韓への嫌悪感がベースにあります。

雁屋哲先生は、福沢諭吉の時事新報紙上に掲載された脱亜論が、アジア侵略の理論的支柱になったという、トンチンカンなことを発言していましたが。実際には、脱亜論は主流の意見になったことはなく。それどころか、ずっと注目も浴びず忘れられていた思想でしかないです。歴史家の遠山茂樹が1951年に掘り起こし、一般にも知られるようになったのは60年代に過ぎません。ただ興味深いのは、興亜論と対比される脱亜論ですが。その興亜論の玄洋社は、天皇とも政権とも警戒され距離を置かれていたというのもまた、抑えておくべきことかと。

その上で、海底油田というのは石油や石炭や天然ガスといった地下資源に恵まれない我が国にとっては、経済的利益も絡むので、攘夷に火が付きやすい。メタンハイドレートとかはまだまだ未来の可能性ですからね。こういう部分に関して、特に右翼思想に親和性がない層にも、嫌中意識を生じさせるという点においても、これは悪手なんですけどね。中国が、そこの日本の感情を読まずに、朝日新聞や毎日新聞が昭和の頃のように擁護してくれると思ってるなら、認識のアップデートが必要。そもそも攘夷とは、対中華王朝の部分があります。

■日本の国是は鎖国?■

東アジア型専制君主国家=皇帝制度に対して、周辺文化である日本はその影響から逃れえず。しかし、その中華王朝の雛形である後漢王朝が黄巾の乱で人口が3分の1とも10分の1ともされる大激減によって、周辺国への影響力が減退して、日本列島や朝鮮半島、ベトナムなどに独自の民族意識・国家意識が生まれたわけで。日本は、白村江の戦いで大敗して、中華王朝から距離を置くモンロー主義的な方向に。括弧付きの〝鎖国〟は天智天皇以来の国是の面も。

で、皇帝のようで皇帝でないような天皇号、大陸から見て優位性を誇示する日本国号、中華皇帝の時間軸とは異なる時間軸で生きるという宣言である元号という、もうひとつの中華帝国を日本に創ろうとしたわけです。まぁ、日本の天皇制は院政から武家政権へと、どんどん変質してイスラーム世界のスルタン・カリフ制に近い、権威と権力の分離に近いものに、変質していったのですが。日本にとっての攘夷とはその意味で、中華帝国やその冊封国である半島の王朝。

そういう意味では、明治以降の日本の右翼思想───特に興亜論───は実は、本来の右翼思想ではなく。時代が生んだ思想です。Dappiアカウント的な嫌中嫌韓が天智天皇以来の日本の国是という部分もあります。もちろん、それが伝統だから正しい、なんて国粋主義者的なことをいう気は、サラサラないです。そういう国粋主義は容易に暴走を生み、この国を危うくしてきましたから。自分は保守派を自認していますが、国粋主義者ではないので。

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喜多野土竜
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