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伊藤詩織監督の映画の問題を元代理人弁護士が指摘

◉裁判以外で使用しないと誓約した映像を無断使用するとか、これはかなりの問題ですね。こういうことをやられると今後、証言者が情報提供しにくくなるわけですからね。司法制度の根幹にも、関わってきます。というか、元代理人弁護士に批判されるとか、伊藤詩織さんの人間性が疑われますね。嘘をつく人間、自分の正義のためになら、他人の迷惑を代わりに見ない人間という推測が、成り立つのですから。

【伊藤詩織さん監督の映画「映像を無断使用」 元弁護士が問題を指摘「使用承諾を」】産経新聞

 自らの性暴力被害を公表したジャーナリスト伊藤詩織さん(35)が初監督を務めたドキュメンタリー映画を巡り、伊藤さんの元代理人弁護士らが21日、東京都内で記者会見し、裁判以外で使用しないと誓約した映像を無断使用するなど、問題があると指摘した。

 会見した西広陽子弁護士は「訴訟のルールにのっとり提出されたものを目的外使用すれば、証拠の少ない性被害での証言や映像提供者がいなくなってしまう」と述べた。「多くの性被害者らが声を上げられる社会になるために、承諾を得てほしい」と対応を求めた。

https://www.sankei.com/article/20241021-LZGCGDTZOFI7XEHMUBT3BPIQI4/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。


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■司法のルールを破壊■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。例えば、アメリカでは司法取引が盛んに行われますね。犯人の一味だったり、事故の当事者などに、法的な罰則を免除する代わりに、事実を証言させるという形が多いですが。そいつ自体は間違いなく当事者で悪人なのに、無罪放免になることに納得がいかない人もいるでしょう。でも、罪を恐れて事実を証言しないことによって、新たな事件や事故を防ぐという、大きな意味がありますから。司法というのはそうやって、総合的に判断する部分もあるわけですね。

西広陽子弁護士の「訴訟のルールにのっとり提出されたものを目的外使用すれば、証拠の少ない性被害での証言や映像提供者がいなくなってしまう」という訴えは、まさにこの、司法の仕組みと信頼の問題ですから。被害女性が泣き寝入りするのも、証言して裁判などで勝ったとしても、世間はその部分以外のところに、下世話な興味関心を持ち、被害者が心の傷を負うから。だからこそ、このような場での情報の取り扱いは、慎重な扱いが求められるわけで。そこを踏みにじったら、代理人弁護士が怒るのは当然です。

■無断録音の理由は?■

ところでコレって、ひょっとして代理人弁護士の皆さんにも、何らかの責任が発生するのですかね? そもそもこの映像自体は、代理人弁護士を通して裁判所なり被害者なりから、伊藤詩織さん側に渡ったものでしょうから。元代理人弁護士側としては、伊藤詩織さんに映像のデータなりを渡したが、まさかこんな使い方をされるとは思っていなかった、という部分はあるでしょうけれども。弁護士バッジが飛ぶような話ではないでしょうけれど、今後同様の案件が起きた時に、あなたたちは資料の管理が杜撰で信用できない、ぐらいは言われそうですね。

刑事事件の捜査の問題を告発した捜査員の音声を加工せず映画に盛り込むなどしたという。

他の情報を見ると、どうやら伊藤詩織さん、弁護士との会話も無断で録音しており、それも映画で使用しているようですね。それは弁護士としては、騙し討ちにあったような気分でしょうし、恩を仇で返す行為に見えますよね。まぁ、弁護士と依頼人はビジネスの関係ですが、だからと言ってそこまでドライな関係 なのかと問われると、それもまた違うでしょうし。なぜ伊藤詩織さんが無断録音していたかと考えると、最初から利用する気だったのか、代理人弁護士を信用していなかったのか、あるいは別の理由があるのか……自分には想像がつきませんが。

■発言を裏読みすると■

ただこの件に関しては、弁護士がこうやって記者会見を開くということは、法的には詰められない、という自白でもあるんですよね。おそらくは表現の自由の範疇ということで、上映の差し止めなどの法的措置は取れないでしょうし、伊藤詩織さんに何らかの法的責任を問えないからこそ、記者会見になったと考えられます。この問題、東京新聞も報じています。産経新聞が伊藤詩織さんの証言をとれていないのに対して、東京新聞はかなり詳しい証言を取ってきています。記事を書いたのは望月衣塑子記者。関係が近しいですからね。

 一方で、「彼女は性被害者で事件は真実。この話と裁判は別問題で性被害への誹謗(ひぼう)中傷はやめてほしい」と憔悴(しょうすい)しきった表情で語った。

元代理人弁護士の、この発言部分、これも裏読みするならば、今回の批判で伊藤詩織さんの事件自体の信憑性が疑われる、という可能性に自覚的だということですね。自分自身はこの事件、刑事事件では当然ながら敗訴だろうが、民事ならば賠償は取れるはずと、Twitter上で推測していました。予想通りの展開で、予言的中と自画自賛したものですが。主張と食い違う、ホテルからスタスタと歩いて帰る彼女の映像とか、事件後のメールのやり取りでも就職の口利きに当初は固執していた様子など、不可解な部分があったのも、事実ですね。

また、帰国した山口敬之氏について、警察が伊藤詩織さんに空港へ逮捕に向かっている云々と連絡し、まるで実況中継のように事細かに伝えていたとする証言とか、違和感を覚えました。たとえ被害当事者であっても、そのような情報が巡り巡って犯人側に漏れ伝わる危険性があるのですから、警察は秘匿するはずですし。警察内部に彼女のシンパがいて、リークしていたというのならともかく。刑事事件の捜査の問題を告発した捜査員が、その人物だとしたら……。音声を加工せずに・あるいは加工したとしても特定が容易な状態で映画で使用したとしたら、左派界隈には打撃でしょうね。

■製作者サイドはあの■

映像の提供者はもちろん、代理人弁護士や、捜査員といった協力者を、裏切ったも同然ですし。今後の協力は、イロイロと難しくなるでしょうね。彼女の発言の端々に、やや利己的な部分が感じられたのも事実です。でも今回の件は、彼女自身の暴走というよりは、映画製作者側の暴走でしょうね。ところでこの東京新聞の記事、最後の最後でとんでもない情報が出てきます。あらららら……かのトンデモ映画『新聞記者』を製作した、お友達がこの映画も製作していたんですね。なるほど、望月衣塑子記者が、色々と突っ込んだ証言が取れた、理由ですか。

 制作した「スターサンズ」は、映画プロデューサー河村光庸(みつのぶ)さん(2022年6月に72歳で死去)が設立。東京新聞社会部の望月衣塑子記者の同名著作を原案とした「新聞記者」の制作や、相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害された事件に着想を得た作家辺見庸さんの小説「月」の映画化を手がけた。(小川慎一)

ということはこの記事、擁護記事にも見えますが、伊藤詩織さんサイドの暴走に慌てた望月衣塑子記者が、トカゲの尻尾切りに入った、と邪推もできますね。ええ邪推ですよ、邪推。個人の感想です。でも「タクシー運転手については「実家とも連絡が取れず、亡くなったのでは」と話した。」という伊藤詩織さん側の無責任で冷淡な証言を載せるなど、全体的なトーンは批判的ですよね? 近畿財務局の赤木俊夫未亡人の資料を持ち逃げしたと指摘されている望月衣塑子記者、未亡人と会った時も逃げ足は速かったと、もっぱらの評判です。


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