カラスの天下が終わる?
◉東京都内のカラス、昔に比べればだいぶ減った印象はありますね。昔は、ゴミの日に群れをなして暴れていたんですが。都市部に、野鳥が一気に増えるという現象は昔からあり。それこそムクドリの糞害とか、逃げ出したインコが大繁殖とか、それまでになかった人造の環境に、ある種の生物が適応して大繁殖って、よくある話です。セイタカアワダチソウや、アメリカシロヒトリの大繁殖も、今となっては話題にならなくなりましたし。都内では、猛禽類が増えてカラスの天下が終わるとの指摘が。
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■江戸の鷹?■
ウチの田舎だと、トンビはよく見かけましたが、オオタカはそもそも九州には生息せず。ハヤブサは、海岸に岩場が多い地域なので、偶に鳩を襲う姿が観察できました。そういえば一度だけ、自宅に間違って飛び込んできたことがありましたね。そのとき爪でつけられた傷、今も微かに腕に残っています。まさか死にたいぐらいに憧れた花の都大東京で、それらの猛禽類が見られるとは、驚きです。そういえば子供の頃、三船敏郎さん主演の『江戸の鷹 御用部屋犯科帖』って番組がありましたが。あの番組でも、オオタカやハヤブサを相棒に持つお鷹番が主演でした。
そういえば、アメリカハヤブサ(ペレグリン・ファルコン)も、絶滅危惧種になったのですが、今ではニューヨークでも観察されるそうです。高層ビルが上昇気流を生むのと、やはりアメリカでも鳩やカラスは都市部で増加傾向で、これが餌になるとか。ハヤブサは、小柄ですがマスクをしたような精悍な面構えがかっこよく、また落下する速度的には生物最速という部分も含め、鳥類のチーターという印象です。チーター同様に狩りが上手いので、昔から鷹狩に使われていますが、実はスズメやインコが近縁ではないかという説も出ています。まぁ、東京も八王子のあたりに行けば、ウチの田舎に近いですけども。
■東京にフクロウ■
フクロウも、シマフクロウとか寒い地域の鳥類というイメージですが。鹿児島でも、キュウシュウフクロウという種はいるにはいるのですが、なかなか会えませんでした。高隈山地の深山に入って、バード・ウォッチングしても難しく。あ、でもフクロウがいると言われた大木と、木のウロはありましたね。東京だと、種類的には一般的なフクロウかモミヤマフクロウですかね? フクロウというのは、夜のハンターとして優れていて、羽音を立てずに襲う能力が素晴らしく、電車のパンタグラフの静音の研究に、その羽が使われたとか。夜行性ですが、それゆえに昼行性のカラスにとっては、忍者のように襲ってくると。
文京区にフクロウ。知恵の神の使い魔ですから、ピッタリですね。フクロウというと、ハリー・ポッターのシリーズで有名なシロフクロウや、北海道のシマフクロウなどの大型種がイメージされますが。一般的なフクロウは、翼開長が94~110センチと、けっこう大型。ハシブトガラスより、一回り大きいですね。集団だと撃退できても、夜に巣を襲われると、厳しいですね。ちなみに自分は、映画『ガフールの伝説』に登場した、サボテンフクロウのような小型のタイプが好きです。個人的には、ミミズクは鳥類の猫っぽくて、なんかいいですよね。アフリカオオコノハズクとか、瞳がカワイイですし。
■カラスの逆襲■
カラス自体は、その見た目から、不気味とか不吉というイメージが、洋の東西にあるようですが。しかし、かなり知能が高い鳥類として、知られていますね。道具を使ったり、あるいは樹の実をわざと道路に置いて、車に潰させて中身をいただくとか、因果関係が理解できています。子供の頃好きだった『ロン先生の虫眼鏡』にも、傷ついたカラスを保護する話がありました。頭がいいだけに、慣れると懐いて可愛いそうですね。また椋鳩十先生の作品にも、カラスとの切ない話『ああ公』がありましたね。他にも『黒いギャング』という作品もありましたっけ。
頭がいいので、こういう集団的な行動もできるのでしょう。どこかで、カラスと猛禽類の均衡状態が生まれるのでしょうね。それは、鳩やムクドリにしても同じですが。京都駅とか、大量のムクドリがいますが。あそこは、盆地で景観条例的にもあまり高いビルがないので、猛禽類が入ってきづらいのか。洛北の山がある地域とかなら、けっこう生息していそうですが。あんがい、大都会のビルとか、猛禽類用の巣箱設置を義務付けると、糞害も減りそうですけどね。江ノ島のトンビ? あれはあれで観光客の食い物を襲ってきて、問題ですが。生物の共生は、難しいですね。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ