ドードー復活計画
◉ドードーはマダガスカル沖のモーリシャス島に存在した鳥類で、鳩の仲間という説が有力です。見た目はとても鳩に見えませんが、大きさ的には七面鳥よりも大きかったそうですから、かなりの巨体ですよね。その割に動きは鈍く、飛べない鳥だったために、発見されてから80数年で絶滅してしまった、悲劇的な鳥類でもあります。発見後わずか27年で姿を消した、ステラーカイギュウほどではないですが、それでも短期間ですね。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、月夜のドードーのイラストだそうです。最新の復元を取り入れている感じですね。
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■ドードーの問題■
ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』にも登場する、変わった鳥類ドードー。その姿はだいぶ誇張されているという説が有力ですが。ドードーという名前自体が可愛らしいと言うか、その外見とあいまって強烈なインパクトを残しますね。遺伝子の多様性ということに関して言えば、ドードーに限らず復活させられるのならば復活させたほうがいいというのが、自分の考え方です。遺伝工学の発展はそれを可能にしつつあるのですが。
ドードーに関してはもう一点、重要な指摘があります。モーリシャス島に自生する樹木のタンバラコクが、ドードーと共生関係にあったのではないかという指摘があります。硬い殻に包まれたこの木の実は、大型の鳥類であるドードーが食べることによって発芽しやすくなるのではないかという指摘があります。ジャックフルーツがおアジアゾウに食べられることを前提に巨大化したように、そういう共生関係はありえるでしょうね。
ドードーは大型の鳥類にありがちな傾向として、出産する時は卵を一個しか生まなかったそうで。それだとどうしても、乱獲によって個体数が減ってしまうと回復が難しくなりますよね。加えて、人間が持ち込んだ犬などの動物に対しても弱く、かなり短期間で絶滅してしまったわけですが。北米大陸に10億羽もいたと推測される旅行鳩も、数が多すぎるぐらい多かったため、一回に一個しか卵を産卵せず、増えすぎるのを抑制していたようなのですが。
■マンモス復活プロジェクト■
このような復活計画としては、マンモス復活計画が有名ですね。マンモスは遺伝子的にはアフリカゾウよりのアジアゾウに近くて、アジアゾウの卵子にマンモスの精子を人工授精することで、ハーフのマンモスを生み出すことができるんだそうで。これは鹿児島大学の農学部の研究成果でもあるのですが、死んだ牛の精子を使って人工授精ができるんですよね。これをマンモスにも応用すれば、ハーフのマンモスなら復活可能です。
ハーフのマンモスが生まれたら、ハーフ同士でかけ合わせれば子供の世代では75%がマンモスの遺伝子になりますからね。実際この手法で、絶滅したシマウマの仲間のクワッガも、だいぶ元の種に近い形態のものが増えているようで。鹿児島県は畜産が盛んで、牛や豚や鶏の飼育が盛んなんですよね。そのため鹿児島大学の農学部ではバイオテクノロジーが昔から研究され、特産品の永良部百合の遺伝病の研究や、人工授精の研究も昔からかなり進んでいました。
その研究のアピール的な意味もあって、マンモス復活計画を発表されたりもしているんですよね。コチラの本も参考に。
■茶々松くんたち■
これに対する批判も、同様にありますが。まぁ、朝日新聞別働隊ハフィントン・ポストらしいですね。既に絶滅した生物の復活計画に、「そもそも種が絶滅しないようにすることが最優先。ほとんどの場合、その方がずっと安上がりです」ということの意味は、そんないないですね。絶滅してしまった動物を復活させようという計画と、動物を絶滅させないように備えようという話は、地続きではあっても本質は別ですから。
現実問題として、既に絶滅してしまった動物はどんなに予防しても、復活させることはできませんから。それを復活させるための科学的な方法論を検討し、技術的に可能か検証することが重要です。交通事故で怪我をした人に、「事故に遭わないように注意するほうが大事だ」と言うことに、意味が無いとは言いませんが。怪我した人に必要なのは、治療でしょ? ハフィントン・ポストがやってることはただのちゃちゃ入れとそう変わらないレベルのお話。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ