モンゴルで大寒波、日本政府が緊急援助
◉モンゴル国は、面積は156万6500平方kmで、世界18位の広大な面積を有します。一方、日本は面積37万7973.89平方kmで、世界62位。まぁ、上位3分の1には入る大きさですが、上位の国はとてつもなく大きいので、相対的に小国に見えますね。モンゴル国は４倍以上の大きさ。でもモンゴル国の人口は、327万8000人で世界131位。神奈川県の横浜市が377万人ですから、広大な牧草地を移動しながら遊牧する、遊牧民の国家なんだなぁと、つくづく思います。
【モンゴル 今年大雪で13人死亡 家畜480万頭死ぬ 日本緊急援助へ】NHKニュース
モンゴルではことしに入ってから寒波にともなう大雪で13人が死亡し、480万頭の家畜が死ぬなど深刻な影響が出ていて、日本政府は毛布や発電機などを緊急に援助することを決めました。
（中略）
モンゴル政府と国連によりますと19日までに13人が死亡し、およそ72万5000人が被害を受けているほか、羊や馬、それに牛などの家畜480万頭が死んだということです。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、モンゴルの大草原の写真です。
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■北の国モンゴル■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。モンゴルは、首都であるウランバートルの緯度が北緯47度55分13秒で、稚内のノシャップ岬とほぼ同じらしいです。国土のほとんどが北海道から樺太の位置。ただし、モンゴル国の最北端は北緯52度9分、最南端が 北緯41度34分だそうですから。日本最北端の択捉島が北緯45度33分ですから、だいたいの緯度が理解できますね。
これぐらい北にあるわけですから、寒波が半端ではないですね。あ、韻を踏んでしまった。四方を海で囲まれた日本は、比較的気温の変動が少ない国です。海水というのは、温まりにくく冷めにくい、という特質がありますから。それに比較して大陸の内陸部は、ものすごく寒くなる傾向が顕著です。海から遠く離れたモンゴルは、さらに高原という地形 もあり、まさに冬場はマイナス何十度にもなる、寒い地域でもあります。
■遠交近攻の要衝■
元々モンゴルは、ソビエト連邦と中華人民共和国に挟まれた、その地理的な位置関係から、1924年から1992年までは、モンゴル人民共和国という名称で、社会主義国でした。しかし1989年にベルリンの壁が崩壊し、中国は 天安門事件を起こし、モンゴルでも民主化の波が押し寄せます。人民革命党の一党独裁政権は1990年に崩壊、複数政党制が導入され、大統領制度と議会制民主主義が導入され、自由選挙も行われ。その結果、国名をモンゴル国に改称し、社会主義を放棄しました。
その意味では、旧ソ連の後継国であるロシア連邦とも、共産党一党独裁を続ける中国とも、微妙な距離ができている面があります。だからこそ今回の大寒波で、日本国政府が動いている面があるわけです。安倍晋三元総理の日米豪印戦略対話（クワッド）は、対中国封じ込めの意味がありましたが。その意味では、中国と国境を接する国との関係も大事です。兵法でいう遠交近攻、遠くの国と交流し、近くの国を攻撃する。日本と中国が戦争になったときに、例えばインドが中印国境に軍隊を動かせば、中国軍はそっちにも対応せざるを得ません。
だから、日本はインド・ベトナム・モンゴルという、中国の西と南と北の隣国との関係を強化して、牽制する必要があるわけです。今回の援助は、人道的な意味はもちろん、日本の国際的な政治の必要性からも、重要な側面があります。モンゴル国はソビエト連邦と中国に隣接し、社会主義国であったという点で、日本にとっても重要なポジションですし。経済的にも今後、結びつきを深める必要があります。さらに、内モンゴル自治区という領土問題も、中国と抱えていますから。中国としては、モンゴル軍の動きに内部呼応する、そういう可能性もあるだけに。
■日蒙友好を促進■
モンゴル語は日本語と同じ膠着語で、昔はウラルアルタイ語族として、同じ語族に加えられていましたし。今は孤立した日琉語族という分類ですが。アルタイ語とは文法構造での高い類似性が見られ、また音韻面での部分的類似性があるとされます。ずいぶん以前にテレビで、モンゴルでの日本語教育のシーンを見たことがありますが、膠着語なので、モンゴル人には比較的学びやすい言葉なのは、確かなようです。日本は、ユーラシア大陸の東端の国で、ポリネシア系のオーストロネシア系言語の影響もあり、かなり孤立した言語なのは事実ですが。
大相撲の方の交流もあるように、モンゴルと日本の関係は、今後重要になります。もちろん、文化の違いはありますが、そこはアジア各国の文化を尊重しつつ、日本の文化を発信するのは、大事だと思いますので。個人的には、日本大相撲協会の、場当たり的なやり方は好きではないですが。クルド人問題もそうですが、それを悪用して国内の対立や分断に使おうとする人間も多いですし、相互の文化理解が大事ということで。モンゴルは広大な土地だけあって、銅鉱石が豊富ですし、他にも石炭や蛍石、ウラン等の鉱床も存在するので、お互いに良い形で開発できれば。
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