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安全に持ち運べる水素
◉小ネタですが、個人的に好きな話なので。日産自動車とHONDAの経営統合が白紙に戻り、自動車もどうもEV車の問題や、ハイブリッド車の見直し、もっといえばTOYOTAが推す水素エンジンへの可能性とか、イロイロと見えてきた中で。水素を安全に持ち運べる、というのは興味深いですね。これ自体は、パソコンやスマートフォンの電源供給にも、応用できそうです。
【水素を安全に持ち運べる「水素化マグネシウム」が自動車の未来を拓く!? 最新マテリアル情報を「名古屋水素技術フェア2025」からお届け】AMW
安全に水素を持ち運べる「水素化マグネシウム」に注目
「カーボン ニュートラル テック・フェア」および「名古屋水素技術フェア2025」と銘打って、名古屋商工会議所で2025年1月28日(火)〜29日(水)の2日間にわたって展示会とセミナーが開催されました。今回は、会場で気になった新マテリアル「水素化マグネシウム(MgH2)」を紹介します。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、「海にうきわで浮かんでマインドフルネスするねこです。」とのこと。
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■応用範囲が広い素材■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。昔は、note型パソコンのバッテリーはWindows機だと、1時間ぐらいしか持たず。実働で3時間ぐらい動くノート型Mac(PowerBook)は、それだけでアドバンテージがありました。PowerBookG3とか、そのデザインの良さと、CDドライブをバッテリーに換装できる設計によって、ほんと傑作機種でした。その時代に比べれば、現在のMacBook ProはM2モデルでもM3モデルでも、最大18時間使えるバッテリーを内蔵しており、2日ぐらいの出張なら、アダプターいらずです。でも、できれば24時間とか48時間とか、それこそ1週間ぐらい使えるノート型は理想。
それは、スマートフォンも同じですね。もう、毎日充電しているのが習慣に放っていますが、これが1週間に1回、1ヶ月に1回の充電ですむなら、それは絶対にベストセラーになるわけで。この、水素化マグネシウムから水素とを取り出すシステムは、水素エンジンの自動車にも使えますし、ノート型パソコンやスマートフォンの、電源にもなり得る可能性が。もともと、燃料電池を使ったモバイル機器のアイデアは、昔からあって。NECなどはエタノールを用いた発電と、長時間駆動を研究していましたが。10年以上経ちますが、まだ実用化の噂は聞きませんね。
■来たるべき水素社会■
もちろん、この水素化マグネシウムは、EV車にも使えることは間違いなく。それこそ、ガソリンスタンドに水素の供給機能を付加するのは、大規模な設備投資が必要でしょうけれども。個体の水素化マグネシウムなら、倉庫の増設で対応できそうですね。ガソリン車は給油に時間がかかりますが、ユニットの積替えなら、それこそ最初から設計を考えれば、簡単でしょう。もともと、マグネシウム循環社会などの提案でも、マグネシウムを使ったエネルギーの循環は言及されていましたが。近年はすっかり噂を聞かなくなっていたのですが、水素化マグネシウムという形で再び目にするとは。
「水素化マグネシウム」は「水」を加えることで化学反応が起き、「水素」と「水酸化マグネシウム」が生成されます。前回の「FC EXPO」では、この発生した「水素」を燃料電池ユニットへ送り込むことで発電し燃料電池車を走らせることができるというものでした。水素の発生と同時に生成される「水酸化マグネシウム」は回収後に加工して再び「水素化マグネシウム」に戻すことができるというものです。
マグネシウム自体は、1755年にジョゼフ・ブラックが合成した説もありますが、1808年にはハンフリー・デービーが単分離させていますから、200年以上の歴史がある物質。現在は合金にするととても軽くて頑丈な物質になるので、パソコンの筐体などにも使われるほど、良く知られた物質です。自分が幼稚園の頃は、まだ記念撮影のときの大型カメラのフラッシュに、使われていた記憶があります。植物の光合成に必要なクロロフィルでも重要な物質で、TOYOTAの子会社が人工光合成の研究などもしていることとあわせて、なかなか興味深い物質です。
■マグネシウムの問題■
とはいえマグネサイト鉱という形で、産出する地域が偏っているそうで。マグネシウム自体は、地殻中に6番目に多く存在する金属で、かなり豊富に存在するのですが、酸化しやすいようで。ここらへんは、地殻中では4番目に多く含まれチタンが、酸化しやすいのと似ていますね。貴金属ではないけれど、扱いが難しいタイプの金属。埋蔵量はロシア30%・北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)19%・中国13%と、この3カ国で62%と偏っているようで。さらに産出量自体は、中国が67%と偏っており、これまたレアメタル同様に、戦略物質として使われかねません。
https://mric.jogmec.go.jp/wp-content/uploads/2019/03/material_flow2018_Mg.pdf
そういう意味では、酸化マグネシウムおよびオキソ酸塩という形で海水中に豊富に含まれるマグネシウムを、太陽光励起レーザーで海水を蒸発させて真水を得て、ついでにマグネシウムなどの物質も取り出してしまおうというアイデアは、とてもおもしろかったのですが。やはり、日本は世界6位の広大な排他的経済水域の、海洋資源開発を国家百年の計として、推進する必要がありそうですね。それこそ、沖ノ鳥島とかに洋上プラントを作って、太陽光発電や潮汐発電、温度差発電などでエネルギーを供給し、海中の希少物質を回収し、海底の資源を開発し、国益を最大化してほしいですね。
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