映画感想:魔女見習いをさがして
『おジャ魔女どれみ』は1999年に放送が開始された、テレビアニメ。若手アニメーターの才能が集まり、クオリティの高さが評価され、続編が何本も作られる人気シリーズに。でも本作、どれみたち魔女が活躍する作品ではなく、かつて本作が好きだった女性三人が偶然出会い、それぞれが抱える問題に向き合い、悩み、苦しみながらも成長するという、骨太なストーリーで、傑作でした。
魔女見習いをさがして
テレビアニメ「おジャ魔女どれみ」シリーズの放送20周年を記念して制作された劇場版アニメ。運命的な出会いを果たした3人のヒロインが、“どれみ”にゆかりのある地を巡る旅を通して、大人になって見失ってしまった大切なものを見いだしていく。シリーズ初期からのオリジナルメンバーである佐藤順一監督や脚本家の栗山緑、総作画監督の馬越嘉彦らが再集結し、ヒロインたちの声を森川葵、松井玲奈、百田夏菜子が担当する。
作品として素晴らしいのは、ロードムービー的な作りになっていて、旅がひとつのテーマにもなっていることでしょう。それぞれに生きづらさを抱えてる、女性三人が時にはぶつかり合いながらも、自分の問題に向き合い、成長する。ベタな展開といえばベタですが、それが予定調和ではなく、正面からぐいぐい来る。そういう作品って、邦画ではなかなかないです。深刻ぶったり、グダグダ愚痴を言って叫ぶ作品は多々あっても。
本作があまりに出来が良かったので、Amazonプライムビデオでおジャ魔女どれみの第一期51話を、見返しちゃいました。もう社会人でしたし、三十路を越えたオッサンでしたから、けっこう飛ばし飛ばし観てたので。改めて見返すと、良くできていてそりゃあ当時の小学生とか、思い出深いでしょう。今は#とかボチボチ観ていますが、ありがたい時代です。昔は、ビデオしか手段がなかったのに。
学生やOLなど、年齢や立場は違っても、生きづらさは常にどの年齢でもあるし、それに向き合うのはもっと難しいのですが。子供の時に見たヒーローヒロインは、道徳のスゴく根っ子の部分で、生き方を支えていると思うんですよね。今の20代から10代って、おジャ魔女どれみやプリキュア、セーラームーンといった作品に、割と深い部分を形成されたと思うんです。それが、こういう形で傑作に結実する。
アニメは日本の文化です。
追記:ところで、こんなつぶやきがありました。原田実先生による、ご指摘でしたが……なるほど、そうなってたんですね。この回は未見……というか、ドッカーン!自体をちゃんと観ていなかったので。尾道市で、ああそう言えば細田守監督が、とチラッとよぎったのですが。で、時をかける少女の魔女オバサンに繋がるわけですか。ふむふむ、勉強になるなぁ。
細田守の最高傑作「どれみと魔女をやめた魔女」その恐ろしさについて
コレはしらんかったです。興味深いですね。
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