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7000m級水中ドローン開発へ

◉新年ですので、日本の明るい未来を考える、軽い ネタで。日本国政府が深海 7000m 級を調査できる水中ドローンを開発するとのこと。2025年の運用開始目標ですから、かなり早いというか具体的ですね。大陸棚の伸長申請も含めて、岸田文雄総理大臣の、国内産業に対する 目配りはかなりしっかりしていますね。20年後や30年後、あるいは50年後の日本の未来を見据えての、経済政策に思えます。

【国産ドローンで海洋探査、政府「7千メートル級」開発へ】日経新聞

無人で潜水する国産の「水中ドローン」について水深7千メートルに耐えられる国産の機体をつくるプロジェクトが動き出す。政府は2025年度の運用開始をめざす。世界で有数の深さがある日本海溝の底までの潜水を可能にし、安全保障の観点からレアアース(希土類)や地震の調査に活用する。

水中ドローンは「自律型無人潜水機(AUV)」とも呼ばれる。現状の国内製造品は水深4千メートルの潜水が限界だ。海洋研究開発機構(...

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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA247G40U3A121C2000000/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、クラゲの画像です。

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■海洋開発は未来への投資■

日本は 四方を海に囲まれた島国、しかも島嶼部が膨大な数です。硫黄島沖にも新島ができて、それが本島とくっついたりしているので、数の数え方は難しいのですが。およそ1万4125島があるんだそうです。千島列島や 樺太なども含めると、さらに増えるでしょうけれど。それだけ膨大な数の島があるおかげで、日本の排他的経済水域は世界第6位の大きさ。

何度も書いているように、海洋開発は日本の未来にとって大きな産業の柱になると、自分は思っています。海底資源の開発だけでも、マンガン塊や希土類やメタンハイドレートなど、かなりの量があることがわかっています。もっと言えば、海洋油田や海洋ガス田の可能性もあります。海洋開発、なかんずく深海開発は、日本の未来を切り開く ジャンルだと思います。

個人的には、熱水噴出孔工的に作り上げて、そこから貴金属を採集するなど、そちら方面の研究にもかなり期待しています。確かに、レアアースやメタンハイドレートも魅力なのですが、膨大な量を採集しないと 生産ラインに乗りませんから。それに比較して、金などの貴金属はやはり、単価が高いので。沖縄や鹿児島の海はその点で、宝の山ですから。

■無人水中ドローンの意図■

このニュース自体は、もう一つ別の側面からも興味深いです。そう、水中ドローンの軍事転用です。我が国は北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の特殊潜航艇に苦しめられてきました。大型の潜水艦を開発するには、資金がない北朝鮮は、工作船とそこから発進する小型の特殊潜航艇を開発し、日本海沿岸の県だけでなく、自分の故郷の鹿児島までやってきて、拉致事件を起こしていますからね。

逆に言えば、小型の特殊潜航艇というのは、それだけ有用な存在だということです。でも日本が北朝鮮の真似をしても仕方がなくて。それよりも技術力を生かして、無人の水中ドローンを開発した方が、台湾有事を考えた時にも、かなり有効に思います。台湾海峡は水深が浅く、最近も中国の潜水艦が座礁したという噂が流れたように、大型の潜水艦が苦手とする海域です。

逆にそういう海域に、さらに無人の水中ドローンを展開すれば、潜水艦キラーとしてかな〜り有効なような。潜水艦の天敵といえば、対潜哨戒機のヘリコプターなのですが、バッテリーのモーターで動く水中ドローンならば、音も静かで見つかりにくいでしょうし。無人だから 空気の入れ替えとか不要です しね。人手不足に悩む 海上自衛隊としては、二重三重の意味で有用でしょう。

■太平洋側に広がる未来?■

7000m級というのも、日本海溝の最深部8020mを思えば、もうほとんどの海域で最深部に潜れるクラスです。日本海溝は北海道の襟裳岬沖から、伊豆・小笠原海溝へ続く、長大な海溝です。北朝鮮や中国が日本へ戦争を仕掛けてきた場合、日本海側や東シナ海側からの攻撃ばかりを想定しがちですが。太平洋側からも挟撃するのが、最も有効な攻撃方法でしょ。

潜水艦を迎撃するのは、駆逐艦と対戦哨戒機などですが、潜水艦には潜水艦。深い深度まで潜れると、敵潜水艦の下に潜り込めますから。日本の深海調査船の技術は世界トップクラスですが、そういう技術も潜水艦の技術と重なりますから。もちろん、日本政府のこういう発表を聞けば、中国や北朝鮮の軍事関係者はピンと来るでしょうから。それ自体が抑止力になります。

深海開発とそれに伴う技術開発は、軍事技術とも密接につながっていますから。その両方が日本にとって、非常に重要な技術であるのは言うまでもありません。ということで、新年一発目の本格的なnoteとしては、割と生々しく、でも夢が広がる話題ということで。

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喜多野土竜
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