国連が日本アニメを「労働搾取」認定
◉有料記事ですが、日経ビジネスが日本のアニメ業界の問題について、国連が批判しているという記事を掲載しています。日本のアニメ業界は労働搾取なので、ウイグルなどの低賃金労働によって作られた製品の、不買運動みたいな形になるかも知れず、最終的にはNetflixなどの配信から排除されるかもという記事なのですが……。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。
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■堂々巡りの業界批判■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。背景が今ひとつ分かりませんが、ひょっとしてまた国連に御注進する日本の左派の、仕掛けなのかもしれませんが。インボイス制度反対など、東映動画労働組合の影響を受けた古参アニメーターが多い日本のアニメ業界は、共産趣味的な言動の人が多いですからね。ただ、何度も書いていますが、アニメーターは基本的に、個人事業主ですから。プロ野球選手と同じです。1軍の選手がどんなに高額な年俸をもらっていても、2軍や3軍、育成契約の選手が同じような年報を、もらえるはずもなく。
まず前提として、社員契約をしているアニメ制作スタジオ以外は、そういう受注システムだという問題があります。そして、10年以上のキャリアを積んだアニメーターの収入は、そこまで低くないという現実があります。それが妥当な額かどうかという議論は、また別にすべきなのですが。どうにも、アニメーターの新人が低賃金である問題は、そこら辺の議論をいたずらに複雑化させる人がいますね。
そもそも業界自体が、何十年も前から「このままではアニメ業界が滅んでしまう」と危機感だけは言い募ってきたのですが。そのための具体的な解決策の提案もなく、ひたすら滅びる滅びると言い続けているように、自分には見えます。業界内部に自浄作用がないのであれば、外部の有識者に知恵を借りるなど、やれることはあるはずなのですが。どうにもここでしゃしゃり出てくる有識者が、共産趣味っぽい人たちで。国は金を出せと、公金チューチューの方向の議論しか、出てこないような。
■国連人権理事会案件?■
そもそもの議論として、例えばこのアニメ制作会社はこれぐらいの利益が出ていて、フリーランスのアニメーターに対して、これぐらいの対価を支払っても十分な余裕があるはずなのに、それを怠っている……みたいな議論が、全然出てこないんですよね。アニメーターの賃金は安い・不当だ・搾取だで、堂々巡り。アニメ業界が、無い袖は振れないほどのブラック体質なのか、有る袖を振らないブラック体質なのか、そもそも叩き台となるデータが、ほとんどありませんね。
そもそもここで、なぜジャニーズ事務所の問題が出てくるのでしょうか? ジャニーズ事務所は、故ジャニー喜多川氏による性加害やセクシャルハラスメントの問題であって、アニメ業界の低賃金の問題となぜ、リンクさせる必要があるのでしょうか? こうなってくるとまた、国連人権理事会の名前を利用した、日本を叩きたい人たちによる策動ではないか……という、疑念が浮かんできてしまいます。チベットやウイグル問題には冷淡なのに、こういう問題で大騒ぎする人権理事会。甲子園大会の児童虐待にも、声を上げろと思います。
■建設的な議論が必要■
個人的には、アニメーターというのは全国でも約6000〜8000人前後ぐらいしかいない、とても貴重な才能だと思いますし、その才能に見合った報酬をもらって欲しいと、強く願っています。しかしながら、具体的な法整備や、制度の提案ではなく、ただ 批判ばかりが繰り返される点に、胡散臭いものを感じてしまいます。11月から始まるフリーランス新法のような形で、もっと具体的に何をどう書いていくか、論じるべきでしょ うに。この件に関して、兼光ダニエル真氏のポストを引用しておきます。
例えば、10年以上のキャリアがあるアニメーターならば、その実績に合わせたライセンス制度を作り、その上で報酬の最低額を業界として定めるなど、やれることはあるはずです。繰り返しますが、商品のクオリティに達していないものしか作れない新人に、ベテラン並みのギャラは払えません。これはどんな職人仕事でも、同じです。そこをきちんと論ぜず、部外者がやり搾取だ不当労働行為だと騒ぐのは、政治的な意図を考えざるを得ません。
個人的には、京都アニメーションや P.A.WORKS、スタジオカラーなど、健全な経営を目指しているアニメ制作スタジオが増えており、フリーランスの契約仕事から社員化も進んでいますので。そういうスタジオが結果を出し、そうでないスタジオが淘汰されていく中で、変化していくのが健全だと思いますが……。たぶん、第1世代の長老たちが現場の影響力を持つ限り、なかなか難しいのだろうなという想像はできます。
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