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国連が日本アニメを「労働搾取」認定

◉有料記事ですが、日経ビジネスが日本のアニメ業界の問題について、国連が批判しているという記事を掲載しています。日本のアニメ業界は労働搾取なので、ウイグルなどの低賃金労働によって作られた製品の、不買運動みたいな形になるかも知れず、最終的にはNetflixなどの配信から排除されるかもという記事なのですが……。

【国連、日本アニメは「労働搾取」 ネットフリックスなどから排除も】日経ビジネス

この記事の3つのポイント
1.国連が日本のアニメ業界に労働搾取の問題があると指摘
2.海外の配信会社や消費者の不買運動につながる可能性も
3.作り手である制作現場の持続可能性の考慮が不可欠だ

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00159/100200278/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。


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■堂々巡りの業界批判■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。背景が今ひとつ分かりませんが、ひょっとしてまた国連に御注進する日本の左派の、仕掛けなのかもしれませんが。インボイス制度反対など、東映動画労働組合の影響を受けた古参アニメーターが多い日本のアニメ業界は、共産趣味的な言動の人が多いですからね。ただ、何度も書いていますが、アニメーターは基本的に、個人事業主ですから。プロ野球選手と同じです。1軍の選手がどんなに高額な年俸をもらっていても、2軍や3軍、育成契約の選手が同じような年報を、もらえるはずもなく。

まず前提として、社員契約をしているアニメ制作スタジオ以外は、そういう受注システムだという問題があります。そして、10年以上のキャリアを積んだアニメーターの収入は、そこまで低くないという現実があります。それが妥当な額かどうかという議論は、また別にすべきなのですが。どうにも、アニメーターの新人が低賃金である問題は、そこら辺の議論をいたずらに複雑化させる人がいますね。

そもそも業界自体が、何十年も前から「このままではアニメ業界が滅んでしまう」と危機感だけは言い募ってきたのですが。そのための具体的な解決策の提案もなく、ひたすら滅びる滅びると言い続けているように、自分には見えます。業界内部に自浄作用がないのであれば、外部の有識者に知恵を借りるなど、やれることはあるはずなのですが。どうにもここでしゃしゃり出てくる有識者が、共産趣味っぽい人たちで。国は金を出せと、公金チューチューの方向の議論しか、出てこないような。

■国連人権理事会案件?■

そもそもの議論として、例えばこのアニメ制作会社はこれぐらいの利益が出ていて、フリーランスのアニメーターに対して、これぐらいの対価を支払っても十分な余裕があるはずなのに、それを怠っている……みたいな議論が、全然出てこないんですよね。アニメーターの賃金は安い・不当だ・搾取だで、堂々巡り。アニメ業界が、無い袖は振れないほどのブラック体質なのか、有る袖を振らないブラック体質なのか、そもそも叩き台となるデータが、ほとんどありませんね。

 首相がこう発言した背景には、国連が5月28日発表した調査報告書がある。報告書は、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が23年7月から8月にかけて実施した訪日調査の結果である。報告書で旧ジャニーズ事務所(現スマイルアップ)などのエンターテインメント業界と並んで指摘を受けた業界がある。アニメーション業界だ。報告書は、アニメーターの低賃金、過度な長期労働、不公正な請負関係、クリエーターの知的財産権が守られない契約などを指摘し、「搾取されやすい環境がつくり出されている」と結論付けた。

そもそもここで、なぜジャニーズ事務所の問題が出てくるのでしょうか? ジャニーズ事務所は、故ジャニー喜多川氏による性加害やセクシャルハラスメントの問題であって、アニメ業界の低賃金の問題となぜ、リンクさせる必要があるのでしょうか? こうなってくるとまた、国連人権理事会の名前を利用した、日本を叩きたい人たちによる策動ではないか……という、疑念が浮かんできてしまいます。チベットやウイグル問題には冷淡なのに、こういう問題で大騒ぎする人権理事会。甲子園大会の児童虐待にも、声を上げろと思います。

■建設的な議論が必要■

個人的には、アニメーターというのは全国でも約6000〜8000人前後ぐらいしかいない、とても貴重な才能だと思いますし、その才能に見合った報酬をもらって欲しいと、強く願っています。しかしながら、具体的な法整備や、制度の提案ではなく、ただ 批判ばかりが繰り返される点に、胡散臭いものを感じてしまいます。11月から始まるフリーランス新法のような形で、もっと具体的に何をどう書いていくか、論じるべきでしょ うに。この件に関して、兼光ダニエル真氏のポストを引用しておきます。

「国連から日本アニメは搾取的という分析きたから海外からボイコットくるかも」という記事ですが、ハリウッドでのクリエーターの知的財産の引っぺがしやゲーム業界のやる気搾取がえげつなさを知ってて書いた記事かしら。社会保障など生活環境は日本の方が遥かにマトモですよ。

https://x.com/dankanemitsu/status/1844006031116103709?s=61&t=tcAJZFtthV9PcLEiLOD2MQ

例えば、10年以上のキャリアがあるアニメーターならば、その実績に合わせたライセンス制度を作り、その上で報酬の最低額を業界として定めるなど、やれることはあるはずです。繰り返しますが、商品のクオリティに達していないものしか作れない新人に、ベテラン並みのギャラは払えません。これはどんな職人仕事でも、同じです。そこをきちんと論ぜず、部外者がやり搾取だ不当労働行為だと騒ぐのは、政治的な意図を考えざるを得ません。

個人的には、京都アニメーションや P.A.WORKS、スタジオカラーなど、健全な経営を目指しているアニメ制作スタジオが増えており、フリーランスの契約仕事から社員化も進んでいますので。そういうスタジオが結果を出し、そうでないスタジオが淘汰されていく中で、変化していくのが健全だと思いますが……。たぶん、第1世代の長老たちが現場の影響力を持つ限り、なかなか難しいのだろうなという想像はできます。


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