合成メタンの可能性
◉日本経済新聞が社説で、合成メタンを推す内容をあげたようです。日本経済新聞は、金融や経済政策などの記事は批判されることも多いのですが、企業などの新技術についての記事は、それなりに時間をかけて取材していて、読み応えがあることが多い 印象です。その分、有料記事にすることが多いですが。しかし社説で書いてくれたおかげで、かなり具体的に内容が分かりました。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、「湖底のメタンが泡になって登る過程で氷に閉じ込められる現象だそうです」とのこと。
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■メタンは都市ガスの成分■
そろそろ確定申告の時期ですが、電気・ガス・水道は光熱費として、必要経費を計算します。エネルギーと言うと、電気がどうしてもイメージされますが。ガスはお風呂にしても洗い物にしても、確かに大きな存在ですからね。そもそも火力発電所にしても、石油や石炭や天然ガスなどを燃やして、それで水を沸騰させて蒸気を発生させ、タービンを回して発電するものですからね。
これは水力発電も原子力発電も同じで、要するにタービンを回転させられれば、発電は可能ですから。火力発電も天然のメタンだろうが合成メタンだろうが、燃料に変わりはありませんからね。和名は沼気(しょうき)。堆積物が多い、どんよりとした沼などから、自然発生することが多かったんですね。なので、鬼火や人魂と呼ばれる怪奇現象の、原因ではないかという説もありました。
そういえば、うちの田舎では牛や豚などの畜産が盛んなため、それらの家畜の糞尿を水槽に溜めて、そこからメタンを発生させ、直接燃料にしたり発電に使う小規模発電が昔、話題になりましたね。汚水処理場を利用したメタンの生産なども、話題になりました。メタン発酵により得られたガスは、発電や汚泥乾燥の熱源に利用し、汚泥は肥料や炭化燃料として活用すると。
■炭素と水素で合成メタン■
メタン自体は天然ガスの主成分で、1個の炭素原子に4個の水素原子が結合してできた、シンプルな炭化水素です。分子式はCH4、構造がシンプルなので燃焼効率も良く、有害物質もほとんど出ませんから。昨日のnoteで、溶融塩を触媒にして待機中の二酸化炭素から炭素を取り出す同志社大学の研究を紹介しましたが。炭素と水素があればメタンも合成できるのがいいですね。
後はこの炭素や水素を取り出す、効率の問題であって。2020年の、世界の二酸化炭素排出量は約314億トンもあるのだとか。これは、焼畑農業などいろんな場面で二酸化炭素が出るためです。世界のエネルギー消費量は、石油換算で年間133トンとのことですから。これをプラスマイナスゼロにして、なんなら過去の排出分も回収できるようになれば、地球温暖化に関する議論に、1つの回答を与えることはできるかもしれません。
■高温ガス炉と合成メタン■
日経新聞の提案は提案として、個人的には安全性が高いとされる第四世代原子炉の、高温ガス炉による水素生成に期待しています。X(旧Twitter)で教えていただいたのですが、高温ガス炉の950度という高温を利用して水晶を生成する方法として、熱化学法ISプロセスという方法があるそうです。ヨウ素と硫黄という、ありふれた物質の化学反応を利用して、水を熱分解してを得る方法 だそうです。
この方法で水素を生成できるのならば、炭素とメタンを合成することで、火力発電所の燃料や都市ガスの原料の生産も可能ですね。原子力発電や火力発電にオールインするのではなく、発電方法を分散することが、安全保障にもつながりますからね。個人的には、実用化のプロセスが見えない核融合発電よりも、高温ガス炉にはかなり 期待したいですね。
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