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メディア芸術ナショナルセンターが2029年に
◉「国営漫画喫茶」との汚名を浴びせたのは、マスコミです。そして、構想を潰したのもマスコミ。何を、他人事のように言ってるんですかね? こういうマッチポンプを繰り返すから、日本の旧メディア(新聞・テレビ・ラジオ・雑誌)は、若者から見放されるんですよ。メディア芸術ナショナルセンター(仮称)は、文化の散逸を防ぐ意味でも、重要な存在です。
【「国営漫画喫茶」の汚名返上なるか 動き出した幻の計画】毎日新聞
政府が漫画・アニメの振興拠点づくりに向けて動き出した。その源流は、かつて「国営漫画喫茶」との批判を受け幻に終わった計画だ。なぜ今、再燃したのか。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。
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■文化散逸の危機■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。自分個人は、ある漫画家さんの遺族が、原稿の処分に困って、販売してしまおうかと相談してきた話も、いくつか聞いています。もちろん、売買自体は遺族の権利ではありますし、現役の漫画家でも没後の処分の問題もあり、販売する人が普通にいます。ですが、そうやって散逸した原稿は、失われれしまうことが、度々あります。実際、幕末明治の混乱期に、海外に流出した浮世絵や根付など、多数ありますし。
文化庁の構想では、センターは複数の施設からなる。一つ目の施設は、漫画やアニメの原画・セル画、ゲームや特撮映画のミニチュアや小道具などの保存・デジタル化施設だ。
昔は、セル画は業者に金を払って廃棄したり、スタジオ見学に来た子どもにプレゼントしたりと、ぞんざいな扱いでした。これは、単行本文化が生まれる前の漫画原稿もそうで、読者プレゼントとか、平気で回されていましたし。今となっては、マニア垂涎のコレクターズアイテムも、昔はゴミ同然だったわけで。クリエイターって、あんがい過去の作品には頓着しない人が多いですからね。そう言えば、東映特撮番組の台本も、ほとんど残っていなかったのに、北村秀敏監督の自宅から、大量発見なんてことも。
■データ保存は急務■
日本の場合、大衆文化(ローカルチャー)から生まれた新しい流れが人気を博し、下賎なモノと思われていたものが、やがてハイカルチャーとなり、物によっては世界に通用するようになる……という傾向がありますね。そもそも、萬葉集には天皇や貴族の和歌に混じって、名もなき庶民の和歌も、詠み人知らずとして、収録されていて。収録されているほど。しかも、女性の作品も多数ありますからね。マルクスがモデルにした絶対王政の為政者とは、在り方が違うようで。
能・狂言
大相撲
歌舞伎
俳句
浮世絵
根付
義太夫節
映画
小説
漫画
アニメ
ゲーム
これらは全部、大衆文化から生まれたモノです。下手に政治が介入すると、権威化し硬直化することもありますから。才能が出てくる場だけ、用意するのがヨサゲです。秋元康氏などに、クールジャパンのなんのとクチバシを突っ込ませると、官僚と政治家と企業の利権として、食い物にされるだけですからね。
しかし、これまでの国内の書籍発行数から想定される原画数は5000万枚以上。文化庁の調査によると、多くの漫画家が自宅や仕事場で作品を保存しているのが現状だ。資料を適切な温度や湿度で保存したり、デジタルデータ化したりしなければ劣化するとの危機感は強い。
令和6年度能登半島地震では、富山出身の永井豪先生の地元の記念館が消失し、貴重な原画が多数失われましたし。天災が多い日本の国土では、いつまた、似たような状況に陥るか。また、自分は編集者時代、石ノ森章太郎先生の『サイボーグ009』の貴重な原画を拝見しましたが。酸性紙の原稿用紙だったため、茶色く変色し、端っこは炭のように真っ黒で、炭化していました。早急な保護と保存、修復のための手立てが必要でしょうね。もちろん、デジタルデータ化で、データの保存も必要でしょう。石英データに刻み込んで、次世代に残さないと。
■個人的な提案を■
メディア芸術ナショナルセンター(仮称)に、建設的な提案をするならば。例えば、漫画家とかは70年もの著作権保護期間を望んでる人は、大ヒット作を持つごく一部でしょう。多くの中堅作家は、30年ぐらいでいいし、没後にメディア芸術ナショナルセンター(仮称)に寄付して、30年後は国の財産として使ってくれていい、ただし生きてる間の税金を優遇してほしい、という人も多いでしょう。出版社は文化に貢献ということで、いろんな税制上の優遇があるので、それを作家個人にも適用してほしいというだけです。
文化庁の構想では、保存・デジタル化施設は、映画収蔵のための広大な敷地がある国立映画アーカイブ相模原分館(相模原市)に設置する方針だ。
この国は、クリエイター個人を冷遇し、文化を理解しない役人や政治家が、多すぎます。図書館の書籍貸出にしても、図書館は目先の利用率を高めるために、作家は損する部分が大きく。公貸権法を制定し、きちんと閲覧料を出すべきですし。逆に、地方で書店が消滅した地域は、公立図書館が書店の機能を代替して利益を出すなど、図書館の在り方を見直すべき時期でしょうね。そういう部分での変化を、自分は期待します。図書館をTSUTAYAに任せるような政策ではなく。
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