高橋和希先生、人命救助中の事故だった
◉最初、訃報を伝える情報がえらく細切れというか断片的だったので、なにか妙な感じはしていたのですが……。どうやら沖縄の海で、沖に流された少女を助けようとして、亡くなられたようです。少女はその後、無事に救助されたようですが、記事によれば「少女の心のケアを優先し、これまで発表を控えていた」とのこと。これは当然の配慮ですね。彼女の重荷にならないことを願います。そして、高橋先生の気高い行為に、本当に頭が下がります。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、沖縄の海だそうです。
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沖縄や奄美地方には、ニライカナイという考えがあります。奄美ではネリヤカナヤとも呼びますが。海の向こうに、異界があるという考え方ですね。伝承によっては、海中だったり地中だったりいしますが。北海道は室蘭の海岸にあるアフンパロという洞窟は、そこが死者の国に通じているという伝承がありますね。日本昔ばなしでも、紹介されていましたが。沖縄では年初にはニライカナイから神が来訪し豊穣をもたらし、年末にはニライカナイに帰るとされ、死者の魂もそこに行き、新たな魂がそこから生まれて人間界に来るという考え方。
日本神話の常世の国とも似ていますし、富野由悠季監督の『聖戦士ダンバイン』のバイストン・ウェルも、けっこう影響を受けている考えのように思います。あの世とこの世は地続きな間隔。自分は安易なオカルトは嫌いですが、世界各地の神話や伝承、こういう民族が思い描いた〝文化〟には、人間の営みの本質が現れていると思います。そこに豊穣な世界観が広がっていると思います。ヘッダーの写真は、まさにそういう水平線の彼方が見える沖縄の海の写真で、神秘的だったので、迷わず選びました。
好きな沖縄の海で、自分ではない誰かのために行動した高橋先生は、誰よりも早くニライカナイに到着されたことでしょう。もしまた、コチラに戻ってこられたら、ステキな作品を紡いでくださることを確信します。改めて、高橋和希先生のご冥福をお祈りします。合掌
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