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高橋和希先生、人命救助中の事故だった

◉最初、訃報を伝える情報がえらく細切れというか断片的だったので、なにか妙な感じはしていたのですが……。どうやら沖縄の海で、沖に流された少女を助けようとして、亡くなられたようです。少女はその後、無事に救助されたようですが、記事によれば「少女の心のケアを優先し、これまで発表を控えていた」とのこと。これは当然の配慮ですね。彼女の重荷にならないことを願います。そして、高橋先生の気高い行為に、本当に頭が下がります。

【『遊☆戯☆王』原作者・高橋和希さん、人命救助中に海難事故 海上保安庁が発表、救助活動後に姿なく】ORICON NEWS

 漫画『遊☆戯☆王』の作者として知られる漫画家の高橋和希さん(享年60)が沖縄県名護市の沖合で遺体で見つかった件で、海上保安庁は14日、高橋さんは人命救助の最中に事故に巻き込まれたと発表した。

 海上保安本部によると、7月4日に沖縄県恩納村・アポガマ付近で親子3人が溺れていたという。両親は自力で陸に戻るも、少女が流されてしまい、それを見た米兵男性、米国籍男性が救助に向かった。その場に居合わせた高橋さんも救助に加わったことが目撃されたが、救助後には姿が見えなくなっていた。

https://www.oricon.co.jp/news/2253092/full/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、沖縄の海だそうです。

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沖縄や奄美地方には、ニライカナイという考えがあります。奄美ではネリヤカナヤとも呼びますが。海の向こうに、異界があるという考え方ですね。伝承によっては、海中だったり地中だったりいしますが。北海道は室蘭の海岸にあるアフンパロという洞窟は、そこが死者の国に通じているという伝承がありますね。日本昔ばなしでも、紹介されていましたが。沖縄では年初にはニライカナイから神が来訪し豊穣をもたらし、年末にはニライカナイに帰るとされ、死者の魂もそこに行き、新たな魂がそこから生まれて人間界に来るという考え方。

日本神話の常世の国とも似ていますし、富野由悠季監督の『聖戦士ダンバイン』のバイストン・ウェルも、けっこう影響を受けている考えのように思います。あの世とこの世は地続きな間隔。自分は安易なオカルトは嫌いですが、世界各地の神話や伝承、こういう民族が思い描いた〝文化〟には、人間の営みの本質が現れていると思います。そこに豊穣な世界観が広がっていると思います。ヘッダーの写真は、まさにそういう水平線の彼方が見える沖縄の海の写真で、神秘的だったので、迷わず選びました。

好きな沖縄の海で、自分ではない誰かのために行動した高橋先生は、誰よりも早くニライカナイに到着されたことでしょう。もしまた、コチラに戻ってこられたら、ステキな作品を紡いでくださることを確信します。改めて、高橋和希先生のご冥福をお祈りします。合掌

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