脊椎動物最古の生きた化石はガー
◉「ガーが名古屋城のお堀で泳いでいるが~」と、名古屋の女子高生。冗談はともかく、北米から中米にかけて 生息する古代魚で、アリゲーターガーやスポッテッドガーなど、2属7種がいるそうです。歴史的には シーラカンスやギンザメの仲間が、もっと古かったと思うのですが。シーラカンスは、ギンザメは軟骨魚ですから。条鰭類(じょうきるい)の硬骨魚の中では最古ということでしょう。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、アリゲーターガーの仲間。スポテッドガーだそうです。
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詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。シーラカンスは肉鰭類と呼ばれ、魚の中では少数派です。肺魚とか一部の魚しかおらず、胸鰭などが太い肉と骨の軸の先に団扇状のヒレが付いているのが肉鰭類。これが、陸上 動物の手足のもとになったわけで、まさに人類のご先祖様。一方、現在のお魚の多くは根元から直接、団扇状のヒレが付いています。泳ぐという行為にはこちらの方が、効率が良かったのでしょう。
シーラカンスの異形を見ると、ある種の驚きと感動があるのは、あの巨大な肉鰭が、やがて地上に出て這いずり回るのに使われ、やがて両生類に進化し、爬虫類や鳥類や哺乳類に進化していた、ルーツが見えるからなのでしょうね。同じ古代魚でも、チョウザメ やピラルクー、アロワナなどは、生物として古い形質を残していることが、興味を引くような気がします。アロワナが龍魚とも呼ばれるように、古代魚は東洋のドラゴンぽいです。
これは、サメの仲間のラブカもそうですが。背びれがないか、あっても小さかったり、体の後方に位置していたりして。さらに、尾びれが特徴的というか、まだ進化の途中のようなタイプが多いですね。シーラカンスは尾ビレに見えるのが腹ビレで、ガーも尾ビレは立派ですが、腹ビレが大きいという点では、同じ古代魚として 似ていますね。これはチョウザメの仲間にしてもそうで。棒状の尾ヒレが上に曲がって、マグロなど三日月状の尾ビレに進化する途上に見えます。
ただ、これらの古代魚を見ていると、サメの仲間というのはかなり古くに出現したのに、水中生活をするにあたっては、 完璧に近い形状を最初から備えていますね。大きくて前の位置にある背ビレ、飛行機の翼を思わせる 胸ビレ、これまた飛行機の垂直尾翼を思わせる背ビレ、飛行機の水平尾翼のような腹ビレ、全体的に流線型のフォルム、獲物を咥えやすい位置と形状の口と、完璧です。
けっきょく、魚竜も海棲爬虫類も鯨類も、どれだけサメに近い姿になれるかが、進化という側面も。そういう意味では、深海魚でもあるラブカは、比較的古い形質を残しているように見えますね。生きた化石は悪い意味で使われることもありますが、逆に言えば何億年も進化しなくても生き残ることができたのですから、最初から完成度が高かったり、生き残るに必要な特殊な機能や特徴を備えていた面があるのでしょう。
サメの場合は、発がん性物質がたっぷり入れられたプールで飼育されても、癌になることが滅多になく。研究者が調べたら、癌細胞が出現すると、その癌細胞に血液からの栄養がいかなくなり、癌細胞を潰してしまうんだそうで。今回のガーも、遺伝子修復機能を持っているおかげで、進化しなくても生き残ることができる体を手に入れたと。こういう生物の研究が結果的に、人類の癌を抑える研究になる面もあるんですよね。だからこそ生物は、できるだけ絶滅させてはいけない部分もあるわけで。
利己的環境保護論があってもいいかと。
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