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珍獣サイガの復活

◉見た目が、ユニークな珍獣サイガ。巨大な鼻は、寒冷地の冷たい空気を吸い込んで気管を痛めないように、適応した結果ですが、ファンタジー世界の生き物のようです。なんというか、バクみたいでユニークですね。もっともバクは、温暖な地域の生物で、奇蹄目ですが。一度は絶滅の危機に陥ったのですが、今は190万頭に復活。こういう大型の動物では、珍しい例に想います。

【珍獣サイガが奇跡の回復、絶滅寸前から190万頭に、保護活動実る】ナショナル・ジオグラフィック

 中央アジアの寒帯のステップ(大草原)に生息するサイガは、巨大な鼻が特徴のウシ科の動物だ。密猟と病気の蔓延により、カザフスタン、モンゴル、ロシア、ウズベキスタンのサイガは、2003年には最も多かった時代の6%まで減少していた。しかし、12月12日に発表された最新の推定によれば、現在ユーラシア大陸には190万頭が生息しているとされ、国際自然保護連合(IUCN)は、レッドリストの分類を野生での絶滅の一つ手前である「近絶滅種(Critically Endangered)」から「近危急種(Near Threatened)」に変更した。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/121800637/

ヘッダーはWikipediaのフォトギャラリーより、サイガの写真です。

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牛の仲間は、偶蹄目。反芻することで、人間には消化できない植物のセルロースも、胃の中の微生物で分解して、栄養にするので。牛の仲間は厳しい環境でも生きていけます。ただ、厳しい環境ですから、繁殖力は低いわけで。たくさん子供を産んだら、すぐに食糧不足になる。だから密猟などで容易に、絶滅危惧種になります。クジラなどもそうですが、大型動物は妊娠期間が長く、1頭しか子供を産みませんからね。

アメリカ大陸にいたリョコウバトとか、北アメリカ全土で約50億羽が棲息したと推定され、史上最も多くの個体数の鳥類と言われます。比喩でなく、空を覆い尽くすほどの巨大な群れを形成していましたが、実は繁殖力が弱く。あっという間に絶滅してしまいました。数が多いから、増えすぎても環境が破壊されてしまい、自然に少産になるんですね。産卵は年に一回で、産む卵も一個で、巨大な群れを形成しないと、交配もできず。

サイガは、ウシ科ですが羚羊のような長い角に、ユニークな鼻、カモシカのような身体と、合成生物のよう。その意味では、鹿のような角・ラクダのような首・牛のような蹄・ロバのような尾で、でもどの動物でもないということで、名前が四不像(シフゾウ)となった、同じ偶蹄目の生物よりも、珍奇な外見です。このシフゾウも、一度は絶滅したと考えられていましたが、数奇な運命で生存が確認され、復活しました。

ウィキペディアよりシフゾウの全身

現実には、日々生物は絶滅しており、保護の手が間に合わなかった生物は多いですが。サイガのように、間に合ったことを賞賛したいですね。左派的な善悪の価値観とは別に、多様な生物とその遺伝子は、人類にも薬学や遺伝子工学的な意味で、いろんな恩恵をもたらしますし。そういう功利的な部分が出発点でも、結果的に生物に多様性が維持できれば、結果オーライです。モナリザにペンキぶっかけて環境保護を訴えるバカなパフォーマンスより、意味があります。

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喜多野土竜
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