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エネルギー関連:ダイヤモンド電池・液体合成燃料・洋上風力工事作業船

◉エネルギー問題関連の話題がいくつか溜まってきたので、まとめて。個人的には、ダイヤモンド電池の話題と液体合成燃料の話題ですかね。各有ご発電はいつになるかわかりませんが、やはり充電技術って大事ですからね。毎日スマホを充電してる身としては、数年間動く電池とか、理想ですから。

・電池交換不要のダイヤモンド電池
・水と二酸化炭素から液体合成燃料
・洋上風力工事作業船を約790億円で新造

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ダイヤモンドのイラストです。


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■ダイヤモンド電池■

まずは、数千年稼働するという、ダイヤモンドを使った電池の話題から。50年間発電し続ける原子力電池もありますが、これ自体はボイジャーなどの長期の活動をする宇宙船に積まれていたような記憶があります。ダイヤモンドだとそれが、さらに飛躍的に増える、マイクロワット級の電気を安全かつ持続的に供給できるとのこと。原理はよくわかりませんが、まさに夢の技術ですね。イギリス原子力公社(UKAEA)の発表ですし、与太話ではないようですし。そこまでの長期使用はともかく、購入したら2年間、ずっと充電する必要のないスマートフォンとかnote型パソコンとか発売されたら、もう文化が変わりますね。

【電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千年稼働」の世界】Newsweek

<充電不要で数千年稼働するダイヤモンド電池が発表された。炭素14の放射性崩壊を利用した仕組みは、極限環境での活躍を見込まれている>
何千年にもわたって医療機器や宇宙船に電力を供給し続けられるというダイヤモンド製の電池を研究チームが発表した。

この電池は、放射性同位元素の「炭素14」をダイヤモンドで取り囲んで電気を起こす。普通の電池に比べて飛躍的に長持ちすることから、医療機器や、宇宙空間のような極限環境でさえも使用できる。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/technology/2024/12/528726.php

記事によれば〔炭素14は放射性同位元素で、ベータ崩壊を起こして電子を放出する。〕とのことですから、原子力電池と原理は同じのようですね。言うまでもなく、ダイヤモンドは純粋な炭素の結晶体で、もっとも硬い物質です(瞬間的な衝撃には弱く、トンカチで叩くと割れます)。炭素14の半減期は約5730年ですから、マジにとんでもない長期間の仕様が可能。まぁ、あくまでも原理的に、ではありますが。核融合で潤沢な電気が供給できても、末端の機器はそうではないですからね。どんな形で転用できるかは、今後の研究でしょうけれども、期待したいですね。小型の機器の微弱な電流でも、塵も積もれば……ということで。

■二酸化炭素と水から合成燃料■

続いて、二酸化炭素と水から、液体合成燃料を効率的に製造する技術を、国立研究開発法人産業技術総合研究所が、開発したとのこと。こちらも、パッと聞くとアントニオ猪木さんが騙された、永久機関のようなインチキ話に思えますが。ルーツが通商産業省工業技術院の、独立行政法人の発表ですからね。そもそも石油やメタンだって、主成分は炭化水素、炭素と水素の化合物で構造自体は単純ですから。二酸化炭素はCO2で、水はH2Oですから、もっとも単純な構造の炭化水素であるメタンのCH4の合成に必要なものは、揃っていますからね。

【水+CO2 合成燃料一貫で 産総研、JPECと共同開発 エネルギー消費も削減 コスト圧縮課題】日経新聞

産業技術総合研究所(茨城県つくば市)は二酸化炭素(CO2)と水から液体合成燃料を効率的に製造する技術を開発した。CO2と水に由来するガスから触媒反応により燃料を作り出す。一貫製造できる小規模設備で連続運転に成功した。コスト低減などの研究を続け、脱炭素化に有望な石油代替燃料として実用化を目指す。

液体合成燃料を作るには、安定した性質のCO2をまず「逆水性ガスシフト」と呼ぶ反応により、反応性が高い一...

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https://www.nikkei.com/article/DGKKZO85339820Z01C24A2L60000/

化学系の分野が興味深いのは、新しい素材や手法の発見で、それまで無理だと思われていたことが、一気にブレイクするーするんですよね。アンモニアを合成するハーバー・ボッシュ法とか、シリコン系太陽光発電、高温超伝導物質も、そうですね。こういう合成には、電力が必要で、そこに再生可能エネルギーを当てるという研究もあるようですが。ベースロード電源になり得ない、風力発電や太陽光発電も、その電力で液体合成燃料を作り出し、それを貯蔵する形でなら「電気を貯めておく」事が可能です。できれば、こういう建設的な情報をベースに、議論したいものです。

■洋上風力工事作業船■

そして、油状風力発電所の、工事をする作業船2隻を、五洋建設が約790億円を投じて新造すると発表。五洋建設といえば、売上は連結で4478億8700万円(2022年3月期)という、海洋土木(マリコン)最大手としても知られる会社で、沈没船などのサルベージなどを行う大型基礎施工船を持つ、会社のイメージですね。ここが、そこまでの大型の投資を行うということは、経済産業省の再生可能エネルギー増加の方針に、ある程度の確証があるということでしょうね。確かに日本は、世界6位の排他的経済水域を持つ島国で、洋上風力発電は、広大な海域が活かせそうなんですが……。

【五洋建設、洋上風力工事作業船に790億円 国内で最大級】日経新聞

五洋建設は10日、約790億円を投じて洋上風力発電の工事に使う作業船2隻と作業機械を新造すると発表した。着床式洋上風力の基礎にあたる「モノパイル」を海底に据え付ける国内最大級のクレーン船やケーブルを敷設する船舶を建造する。2027年度以降の本格化を見込む洋上風力工事に大型船を導入し、工事を効率化する。

5000トンづりのクレーンを搭載する「大型基礎施工船(HLV)」を約1200億円で建造し、芙蓉総合リースと50%ずつ出資して共同保有する。25年1月に建造契約を結び、引き渡しは28年3月を予定する。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC106YD0Q4A211C2000000/

何度も書いていますが、風力発電とか太陽光発電は、ベースロード電源になりえません。なのに、地方の林や森を切り倒しまくって、メガソーラーを作っておいて、エコエコ言うのは疑問です。正直、こういう形で動き出すともう、止まらなくなる悪癖が、日本にはあります。大東亜戦争(太平洋戦争)がそうですし、戦後も八郎潟干拓事業とか長良川河口堰とか、いろいろありましたし。洋上風力発電自体は、福島県沖の洋上風力発電施設が、600億円の巨費を投じて、2020年に撤去の方針を発表。なのに、こういう流れになるのは、どんな勝算があるのか。こちらの動きも、しばらく追ったほうが良さそうですね。


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喜多野土竜
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