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捕鯨の話題をいくつか

◉クジラの話題が、ちょっと溜まったので、まとめてご紹介を。安倍氏像内閣が、国際捕鯨取締条約からの脱退を決定し、国際捕鯨委員会(IWC)へ脱退通知を送ったのが2018年の12月26日でした。あれから6年以上が経ち、日本の捕鯨状況も、変わりつつありますね。

【鯨肉供給3割増へ 価格安定、消費定着は道半ば】日経新聞

日本が国際捕鯨委員会(IWC)脱退を表明して6年がたった。2024年は新たな捕鯨母船が就航し、捕獲対象も広がった。捕鯨大手は25年度の国産供給量を前年比で3割増やす計画だが、街中で鯨肉を見る機会はまだ少ない。消費機会の創出が業界の課題だ。

12月中旬、今年の操業を終えた捕鯨母船「関鯨丸」が山口県下関市に帰港した。捕鯨大手の共同船舶(東京・中央)が今春に就航した船だ。従来船より大きなクジラを水揚げ...

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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB177L20X11C24A2000000/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、クジラのイラストです。


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■国際捕鯨委員会脱退■

詳しくは、上記リンク先の全文(ただし会員限定記事)を、ぜひお読みいただくとして。捕鯨は、日本ではもともと沿岸で行われ、大規模な捕鯨が行われるようになったのは、戦国時代の水軍から派生した、専門的な捕鯨集団が各地に出現するようになった江戸時代から。鯨組とも呼ばれる、この集団は紀州や長崎などで活躍。後に、鯨油を使った稲作の害虫ウンカの駆除方法が確立されると、鯨油の需要は一気に高まり。四方を海に囲まれた日本人にとって、身近な生き物だったのは疑いなく。無知なグリーンピース・ジャパンの方が、雁屋哲先生に週刊ポスト誌上の討論で論破されていましたが、鯨の塩漬け肉は山間地や江戸でも食され、商家では煤払いの後の鯨汁は名物でした。

でも、本来は科学的な調査目的のIWCが、欧米のエスノセントリズムの蔓延と、政治的な介入によって、おかしくなってしまい。日本は正論で説き伏せようとしましたが、鯨を神聖視するのは旧約聖書のヨナの記述にも端を発する宗教的信念。宗教の狂気を、変えることは難しく。IWC脱退を決めた時、左派は松岡洋右外相の国際連盟脱退に例えて、批判しましたが。国際政治においては優秀なブレーンがついていた安倍元総理は、伝統保存のための沿岸捕鯨はセーフという、アメリカの屁理屈を上手く突き、排他的経済水域内の捕鯨で、批判をかわし。けっきょく、国際社会は特に制裁も掛けられず、むしろ日本脱退でIWCは財政難に。

■下関の母船方式捕鯨■

山口県下関といえば、昔は捕鯨の基地で。プロ野球の大洋ホエールズのオーナー企業だった大洋漁業株式会社(現在のマルハニチログループ)も、昔は下関が本社でしたしね。戦後は南氷洋に出かけて捕鯨していたのですが、いまは地産地消が基本に。そんな中、下関市を母港とする共同船舶の新母船・ 関鯨丸が5月から12月の長い漁を終え、帰港したのが今月17日。昔のように、何年も帰ってこないような長期の漁も少なくなった現在、半年以上の長期航海は、海の男という感じですね。関鯨丸は母船方式の捕鯨をする、世界で唯一の船だそうです。全長が112.6メートルで全幅が21メートル、総トン数 9299トンと、かなり大型。

今年の能登半島地震で活躍した、おおすみ型輸送艦の全長が178.0メートルで最大幅25.8メートルながら、基準排水量が8900トンであることを思えば、かなりの大型の船舶ですね。乗組員は100人ですから、大勢のスタッフが働いているのが、イメージできます。昔見た、鯨の解体用の母船は、大型の鯨類でも解体できるような、広い甲板に、薙刀のような解体刀を持った人たちがいて、ナガスクジラ系の大型のクジラの腹をスーッときると、一気に内蔵が飛び出してきて、その切れ味に驚きました。関鯨丸の船尾には、大型鯨類を引き揚げられるように傾斜をつけたスリップウェーがあり、そういう意味でも軍艦に近いですね。

ちなみに母船式の捕鯨とは、母船と小型船で船団を組む方式の捕鯨。 小回りがきき速度の早い小型船が捕獲した鯨を、大型の母船で回収して解体や鯨肉を冷凍します。 小型船が集団で漁に出て、日帰りで漁に出る沿岸捕鯨が、現在の日本では主流です。千葉県の南房総市のツチクジラ漁や、和歌山県太地町のイルカ漁などがそれ。個人的には、捕鯨は地産地消の沿岸捕鯨でいいと思いますし、安くなったら買うとかいう人間は無視して、高くても買う客をきちんと捉えていくのが大事とは思います。ただ、安定した供給(≠大量供給)を考えれば、こういう母船も必要ですから。

【「関鯨丸」が帰港した山口県下関市で「ナガス鯨フェア」始まる…特においしい鯨種、25の飲食店で提供】読売新聞

 山口県下関市を母港とする捕鯨会社「共同船舶」(東京)の新母船「 関鯨丸」が5月の初出漁以降、初めて帰港した17日、着岸した国際物流拠点・長州出島(人工島)では同社の関係者らが出迎えた。鯨肉に親しんでもらい、「鯨の街」づくりの機運も高めようと、市内では同日から「ナガス鯨フェア」が始まり、21日には「くじら祭り」が企画されている。(平木和頼)

https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20241218-OYTNT50051/

■北海道でも鯨肉好評■

鯨肉、北海道でも好評のようです。捕鯨というと、7メートル前後の小型のミンククジラのイメージがありますが。これは、資源保護のための面もあり、大型鯨類が捕れなかったため。これが江戸時代は、鯨といえばセミクジラ。セミクジラは、脂肪分が多いので、死んだ後も体が沈まないんですよね。あと、マッコウクジラのように、平均で60分間、最長で90分間も潜っていられる鯨と違って、息継ぎが時間も30分から40分で、長くても50分ぐらいなので、捕獲しやすい面もあったようです。で、味に関してはナガスクジラやイワシクジラ、ニタリクジラなどが美味しいというのが、定説。特に尾の身は絶品。

【初の「生のナガスクジラ」が札幌のスーパーに…爆売れ!試食も…長岡記者も食べてみた「甘い」】Yahooニュース

新たに商業捕鯨の対象に追加されたナガスクジラが、2024年12月12日から札幌市内のスーパーに並びました。

初となる国産ナガスクジラの生の肉は、一体どんな味なのでしょうか。

https://news.yahoo.co.jp/articles/32bc109d66e135fd5854bf3d48dd0ab00e7d81d0

回遊するクジラを、国産というのもいかがなものかとは思うのですが。ナガスクジラは、最大種のシロナガスクジラに次ぐ大きさで、体長20-26メートル、体重30-80トンぐらいが平均。、イワシクジラは最大で体長19.5メートルですから、こちらも大型鯨類のひとつ。ニタリクジラは、その名の通りイワシクジラに外見がよくにていて、昔は同じイワシクジラと思われており、この名があります。体長は最大で15.5メートルと、やはりミンククジラとは大きさがかなり違いますね。数が少ない大型鯨類のほうが、味が良いというのも、なかなか難しい部分ですが。あくまでも、科学的根拠の上での捕鯨ですから。今後も、流通経路は増えてほしいですね。


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