『花咲くいろは』ぼんぼり祭り
◉この『花咲くいろは』という作品は、2011年4月から9月まで放送された作品で、少女が東京の大都会から地方に移住し、そこで文化に触れながら成長するという骨太な作品で、後の作品に大きな影響を与えたとされます。制作したアニメスタジオP.A.WORKSは、地方に本社と機能を置くアニメ制作スタジオで、アニメ制作会社の地方進出という点で、京都アニメーションと並ぶ成功例。本作は同社の、お仕事シリーズ第一弾に相当する作品です。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、『金沢の奥座敷・湯涌温泉を着物で街歩き』というタイトルでした。
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元々は、作中に描かれた架空のお祭りが、現実のものになる。これって、後の聖地巡礼やアニメで村興し町興しの、雛形になった部分でも、大きいですね(ぼんぼり祭り自体は鎌倉など、各地で既にあります)。茨城県東茨城郡大洗町で行われているあんこう祭は、1998年から行われていましたが、アニメ『ガールズアンドパンツァー』はこれと上手くコラボし、大幅に認知が上がりましたし。
湯涌ぼんぼり祭り公式サイトはコチラから。開催日は2023年10月21日(土曜日)。「当日の天候及び進行状況により予告なしに中止、開催時間の変更となる場合がございます。予めご了承ください。」とのことです。
まぁ、安易にアニメで町興し、という地方もあるのですが。成功した作品も多く。『やくならマグカップも』の多治見市とか、ご当地の紹介も兼ねての声優陣の食事や陶芸体験など、地域の解説としても優れていました。ご当地アニメというジャンルが確立され、いろんなアニメツーリズムなんて言葉も生まれました。国内旅行でカネを落としてくれるファンは、地元にとってもありがたい存在ですし。御朱印とか設置している地域も多く、こういう動きは、いいですね。著名な漫画家の、記念館も増えましたし。
自分の中の人の一人は、『放課後ていぼう日誌』の地元なんですが、あのアニメで小さな片田舎が、聖地として特別な意味を持つことに。『花咲くいろは』でも、何気ない学校の裏の用水路が、ファンにとってはあのシーンで出てきた場所だと、特別な存在=聖地になるんですよね。国宝と重要文化財の茶碗の違いは、だいたいが来歴なんですよね。同じ茶碗でも大名に下賜されたものは重要文化財に、信長や秀吉や家康など天下人が愛用すると、来歴が付いて国宝に。作品の感動が、その舞台となった地域を特別な存在にする。これ、来歴と同じで重要だと思うのです。
個人的には、こういうファンのマナーの良さも大事ですね。中には聖地で記念にと、民家の植木鉢を勝手に持っていくアホもいますが。地元からも歓迎される、これって本当に大事です。1989年の、宮崎勤の東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件(警察庁広域重要指定117号事件)のせいで、漫画やアニメやコミケに、どれほどの偏見が浴びせられたことか。しかしコミケは、献血への協力とかで、地道に信頼を築いてきましたし。多くのアニメファンが常識を持って、好きな作品の舞台を堪能する。まさにWin-Winの関係かと。
昔は、大河ドラマが村興し町興しの、起爆剤になったんですが。今は、アニメがそうなる。ご当地アニメの一覧を見ても、まだまだ開拓の余地はありそうですね。前にも書いたような気がしますが、大洗のある茨城の地方局とか、それこそ地元の企業や個人の浄財を集めて、制作したアクタスに依頼し、地元のみ放映の10分アニメとかを、あんこう祭りの時期のみ放映するとかしても良いような。全国放送でないからこそ、大洗に行く意味ができると思うんですよね。それは、P.A.WORKSと湯涌と富山県も同じですが。
叶うなら、100年後も湯涌ぼんぼり祭りが続いていますように。それが、文化が生まれ、定着し、いつしか生活の一部になるということですから。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ
売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ