軍事音痴な方々
◉言論人としてはすっかり、ツッコミを入れられる人になってしまった、内田樹先生。平田オリザ氏の珍妙な地方移住論を紹介したりで、困った知識人化が顕著です。昔はもっと、真っ当な意見を述べていたんですが……自分も著書を何冊か、持っていますしね。実際の政治にアドバイザー的に関わり、そこでの成果を橋下徹氏にボロクソに批判され、それ以降どんどん変な方向に行ってしまったという印象です。このF-35の評価はズレています。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、戦車とミサイルのイラストの、色違いバージョンです。
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■F-35は在庫処分の不良在庫■
F-35は、空軍用のA型・海軍や海兵隊用のB型・空母艦載機のC型と3種類もあり、開発が難航したのは事実です。第5世代のステルス戦闘機でもありますから、新技術も多いですし。しかし現在は様々な問題点が克服され、空母艦載機のC型以外は、順次配備されていますし。トランプ前大統領の商売人としての上手さもあって、値段を下げたことによって購入しやすくなり、もう F-4ファントムやF-15イーグル並みのベストセラー機になるのは確実です。
元記事のリンク貼っていないので、内容の真偽はわかりませんが。あの、F-35とか A型が7790万USドルで、B型が1億130万USドルもしますので、こんなの受注生産ですよ。売りさばく宛もないのに生産して、在庫処分とかありえませんから。性能に関して言えば、アイダホ州のマウンテンホーム空軍基地において実施されたF-35A運用評価試験演習にて、88回の出撃計画で88回出撃し、任務出撃率100%を達成しています。
F-15は第4世代の戦闘機ですが、公式にはまだ一機も撃墜されていない、極めて優秀な戦闘機です。下手したら、ロシア連邦軍の第5世代ステルス戦闘機Su-57でさえ、勝利できないかもしれない可能性があります。にもかかわらず、F-35に完敗。しかもこれ2016年の段階での試験演習なんですよね。この時からさらに細部がブラッシュアップされ、性能的にはレベルアップ。空母どころか強襲揚陸艦のF-35Bで、中華空母艦の載機全滅の可能性さえ。
■ミサイル攻撃への誤解■
そして、落語家の立川談四楼師匠は、日本国政府が2113億円をかけて配備することを決定した巡航ミサイル・トマホークについて、批判を展開されているのですが……。どうもトマホークについても、中国製の極音速ミサイルについても、ちょっと知識が偏っているように見えます。落語家としては好きな師匠なのですが、こちらも軍事に関しては自分程度の素人よりも、基本的な知識が不足されているように思います。
元ネタは、ここらへんですかね?
そもそもトマホークは巡航ミサイルであって、中華製の極音速ミサイルに対する迎撃ミサイルではありませんので。スピードはそもそも関係ありません。また、旧式だから低速で低高度を飛ぶのではなく、レーダーに補足されないように低い高度を飛びます。そのスピードにしたって、巡航ミサイルはそもそも飛行機のようなミサイルですから。スピード的にはジェット旅客機よりはるかに早く、命中精度も高いのが特徴です。
中華製の極超音速ミサイルは、部分軌道爆撃システムと呼ばれるタイプのミサイルです。打ち上げられると大気圏を突破して、南極を回る極軌道に入り、地球をぐるりと一周回って、アメリカがそれまであまり警戒していなかった南側から攻撃を繰り出すのが特徴。打ち上げから60-90分で、ワシントンDCを攻撃するそうですから。立川談四楼師匠が想像しているような攻撃の仕方ではありません。
■周回遅れのコスタリカ称賛■
もうひとつ、Twitter で相変わらず周回遅れのコスタリカ賞賛の、軍事音痴ツイートが10000イイネを超えていて、自分のタイムラインにも表示されました。今頃コスタリカは軍隊がないとか、10年以上前に論破されてるんですけどね。何か、否定しても否定しても周期的に出現する都市伝説と一緒で、帯状疱疹かとツッコみたくなります。いちおう自分なりに考えて、模範解答を考えてあげました。
「先生は、朝日新聞や赤旗を鵜呑みにして、情報をアップデートできてなかったんだけど。コスタリカは警察が軍隊を兼ねる制度で、軍隊がないってのは誤魔化しなんだよ。自衛隊は軍隊ではないって言われたら、先生も昔は怒ってたから。そもそも米軍の軍事力に依存してて、その点でも日本と似てるよね。しかも状況に応じて徴兵制もあるし、国内に公安部隊があって、先生みたいな人は逮捕されるかもしれないんだ」
「そもそも、ウクライナにロシアが非武装化と中立化を求めて、攻め込んだから。周辺国とか国際世論とか、過剰な期待は禁物なんだよ。そもそもコスタリカと違って日本は、ロシア連邦・中華人民共和国・北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)といった、核保有国で・軍事独裁国家で・日本と領土問題を抱えた国が、三つも国境を接しているんだよ。キミが親からの受け売りでした「先ず結論ありきの、誘導のための質問」は、とっくに破綻してるんだよ」
■専守防衛≠非武装中立■
こちらのアカウント、本業である農業関連については、幅広い知識があり、歴史的な由来についての解説も的確で、非常に勉強になるツイートが多いのですが……。ひとたび政治的なツイートになると、途端にバイアスが強くかかり、精度も知識も論理的な思考展開も、疑問符がつく内容が多いんですよね。専守防衛のドグマ自体は自分も否定しませんが、それはお花畑の非武装中立論や、憲法9条で国際世論が味方につく論とは、異なるはずです。
いやいや、国際世論という言葉に、こちらも幻想を持ちすぎ。国際世論がどんなに批判し、制裁まで課しても、北朝鮮は核開発のミサイル発射も、ちっとも止めはしませんよね。鉄血宰相オットー・フォン・ビスマルクが、岩倉使節団に1873年に語ったこの言葉が今でも、国際社会の真実ではないでしょうかね。150年近く経っても政治の本質は変わっていません。いや、帝政ロシアの時代や皇帝制度の時代、李氏朝鮮の時代に戻したい隣国が、日本と国境を接しているんですよ?
ウクライナはきっちり反撃していましたし、そもそもクリミア半島問題で、きちんとした対応をしていなかったから舐められてさらなる侵攻を招いたわけですから。なんかもう議論の前提が、違い過ぎると言うか。専守防衛のドグマは、国民の生命財産を守ることが最優先という前提の上での方策でしかありません。敵基地攻撃能力を保有することによって、抑止力になるのであれば、そちらを持つのは集団的自衛権の観点からも当然でしょう。
■大将を前線に立たせる愚策■
イーロン・マスク新CEOのTwitter買収以降、すっかり影が薄くなった滑稽新聞アカウントのこういった皮肉も、名作『はだしのゲン』などでも展開されていた古典的なパターンですが……。オーストリア出身のチョビ髭オジサンって、若い頃は軍人として実際に前線に立ち、いくつかの勲章を授与される程度には伝令役として活躍し、名誉の負傷をして退役。後にドイツ国籍を取って、ついには総統と呼ばれる地位にまで上り詰めたわけですが。それでもいいんですか?
福島第一原発事故の処理水を「飲んでみろ!」とか言うヒステリーと同じでしょうね。そもそも内閣総理大臣は、陸海空三軍の長です。トップが現場に行ってどうするって話です。ウクライナのゼレンスキー大統領が、前線に立ったら士気は上がるでしょうけれど……。ゼレンスキー大統領が討ち取られた瞬間に、ウクライナはほぼ敗北。少なくとも、ダメージの方が大きいでしょうね。
■現場重視の現場混乱?■
だいたい、東工大卒の学歴を鼻にかけ「俺は原発に詳しいんだ」と事故現場に乗り込んだどこかの総理大臣は、現場を混乱させただけですね。自衛隊の予備役でもない素人が現場にしゃしゃり出て、混乱をもたらすのが目に見えています。高度に専門化・機械化された現在の軍隊では、一定の訓練を受けた兵士以外が数だけ前線に送り込まれても、足手まといになるだけですから。これも軍隊の仕事内容を軽視する、軍事音痴のパターン。
それこそ「まず、戦争は話し合いで解決できると言ってた人から前線へ。」と言われたらどうするんですか? あるいは「もし本当に中国や韓国が攻めてくるというのなら、僕が九州の玄関口で、とことん話して、酒を飲んで、遊んで、食い止めます。それが本当の抑止力でしょう?」と言ってたSEALDsの福岡の集会で登壇した学生も、「まずあなたから前線へどうぞ」と言われたら、どんな言い訳をするのでしょうか? 壮大なブーメランです。
■福島瑞穂投手の締めの言葉■
それでは、軍事音痴の女王であられる、非武装中立論の正統継承者であられる福島瑞穂社民党代表のお言葉で、締めておきますかね。
さすが軍事音痴で、経済音痴で、外交音痴で、何よりも政治音痴であらせられる福島瑞穂党首らしい、お言葉ですね。憲法九条を写経して、ロシア連邦や中華人民共和国や北朝(鮮朝鮮民主主義人民共和国)へ送ってください。きっと世界は平和になるでしょう。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ
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