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次世代原子炉・常陽が再稼働へ

◉ 日本原子力研究開発機構は、茨城県那珂郡東海村大字舟石川にあるのですが。高速炉・新型炉研究開発部門が、茨城県大洗町に研究所を持ち、第四世代原子炉の高温工学試験研究炉(HTTR)の実験用炉があるのですね。プルトニウムを利用する高速炉も大洗町にあり、こちらの事実上の再稼働が決まったとのこと。遅すぎるぐらいですが、ようやくですね。

【次世代原子炉「常陽」 茨城県と大洗町が事実上再稼働認める】NHKニュース

国が実用化を目指す次世代原子炉の一つで、プルトニウムを利用する高速炉の国内唯一の実験施設「常陽」について、地元の茨城県と大洗町は再稼働に必要な安全対策工事の開始を了解し、事実上、再稼働することを認めました。

茨城県大洗町にある「常陽」は、原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再び燃料に使う高速炉を開発するための小型の実験炉で、事業者の日本原子力研究開発機構は、原子炉の冷却や事故対策などの安全対策工事を行ったうえで2026年度半ばの再稼働を目指しています。

この安全対策工事について茨城県と大洗町は、「常陽」の安全性や必要性を確認したほか、周辺自治体からも異論がなかったことなどから6日、工事の開始を了解しました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240906/k10014574191000.html

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、大洗磯前神社の写真です。

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詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。無能な方の菅元総理のせいで、大洗の高温工学試験研究炉(HTTR)も止められて、けっきょく10年間も可動できず。当時は、世界記録となる高温を出すなど、順調だった試験研究炉でしたが、その間に中国の高温ガス炉のほうは商用実証炉が臨界に達し。アメリカとイギリスは2029年の商用炉稼働を目指しています。ハッキリ言って、追い抜かれちゃった。まぁ、菅直人氏にとっては、それこそが真の目的だったのかもしれませんが。外国人献金問題、有耶無耶になりましたが。

で、今回の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを、再び燃料に使う高速増殖炉の研究用炉・常陽ですが。どっかの銀行のような名前ですが、常陽は墨田区を墨東と呼ぶように、常陸国の中国風の異名なんだそうでして。2007年に炉内の実験装置が破損、稼働を停止していました。そこから、2014年11月28日には復旧完了したのですが、2011年の東日本大震災と福島第一原発事故を挟んでしまい。原子力規制委員会も厳しい態度で、地元の理解とかアホなことを言い出し、紆余曲折を経た部分が。高速増殖炉に関しては、もんじゅの事故もありましたし。

けっきょく地元民の不安とか、マスコミが煽った部分が大きいとは思いますが。ALPS処理済み水と同じで、煽ったモン勝ちの面が。資源の少ない日本では、ウランを利用する現状の原子炉からでるプルトニウムを、再利用する高速増殖炉は、かなり重要な技術であり、エネルギー政策が大きく変わる可能性を秘めています。核融合発電は理想ですが、実際には商用路の稼働なんてまだ未知数。実際に稼働しても、火力発電や水力発電同様に、核分裂反応の旧来の原子炉は、まだまだ長いスパンで大事なエネルギー源ですから。さらに常陽には、こんな用途も。

【高速炉「常陽」、アクチニウム225製造も目的に がん治療に活用へ】朝日新聞

 日本原子力研究開発機構は7日、原子力規制委員会に対して、高速実験炉「常陽」(茨城県大洗町)で医療用ラジオアイソトープ生産を使用目的に追加するための申請をした、と発表した。機構は常陽を使って、がん治療薬として期待がかかる放射性物質の製造を目指す。

 機構によると、放射性物質の名前は「アクチニウム225」。これを組み込んだ薬剤を体内に注射することで、がん細胞のみをピンポイントにたたいて治療につなげたい考え。高速炉でアクチニウム225を製造するのは世界的にも珍しいといい、2026年度中に製造したいとしている。

https://www.asahi.com/articles/ASS277QYWS27UJHB00N.html

医療用ラジオアイソトープ生産……放射性物質アクチニウム225を組み込んだ薬剤を体内に注射し、癌細胞のみをピンポイントに攻撃して治療するので、副作用も少ないのでしょう。素晴らしいですね。反原発派は、ヒステリックに全否定してきますが、科学というのはけっきょく、使う人間次第で天使にも悪魔にもなる、中立な存在だと、自分は思っています。しかし、大洗は第四世代原子炉に高速増殖炉と、本当に日本の未来のために必要な、科学技術研究の場です。『ガールズ&パンツァー』で知られる大洗ですが、先端技術研究の場として、大切にしたいです。


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