イーロン・マスクの新戦略
◉X(旧Twitter)が、新たな方針を発表しました。広告収益配分のためには、フォロワーが500人以上・過去3カ月間の投稿に対するインプレッションが1500万件以上・Twitter Blueまたは認証済み組織にサブスクライブしている……といった条件があったのですが。もっともハードルが高いであろう過去3カ月間の1500万インプレッションが、500万インプレッションに大幅減となりました。これならば、フォロワー3000人から5000人ほどのアカウントなら、けっこうクリアできる可能性が高いですね。ハードルが一気に下がりました。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、イーロン・マスクっぽい猫、だそうです。
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■3000フォロワーから収益化?■
小森健太朗先生が公開されていた1ヶ月間のTwitterアナリスティックでは、340万インプレッションを越えておられましたね。小森先生のフォロワー数は5377人。自分の個人的な感触ですが、普通のアカウントはフォロワーの10%ぐらいのインプレッションを、通常のツイートで得られれば上々なんでよね。そういう状態では、あまりフォロワー数は増えませんが。それがアクティブなアカウントだと、だいたいフォロワー数ぐらいのインプレッションがもらえますね。それより多くなると、フォロワー数もどんどんと上がっていきます。
上は7月の、下は今月のスクショです。
自分の数字だと、28日間で698ツイート・1524万6187インプレッション。一日平均24.92ツイートで、1ツイートあたり2万1842.67インプレッション。まだ8000~9000フォロワーの状況でのこの数字ですから、かなりアクティブでしょう。そう考えると、比較的アクティブなアカウントなら、3000フォロワーから5000フォロワーもいれば、1日に10〜20ツイートし、フォロワー数と同じぐらいのインプレッションを得られる計算です。
アルファツイッタラーは1万人以上という、大まかな数字はありますが。個人的には3000人以上のフォロワーって、ひとつの目安です。ただし、なうちゃん尊師のようにフォローしまくってのフォロワー水増しはダメですし、フォロワー引くフォローの差が、その人の実力でしょう。フォロー&フォロワーの被り値という個人的な指標を用いれば、その人の実力が見えますけどね。ボウ芸術監督とか、149万人ものフォロワーが自慢でしたが、ご本人曰く自分から距離を取ってるので、インプレッション数激減ですし。
■ブルーバッジ増加計画?■
しかも、最低支払額も、50ドルから10ドルへ見直し。つまり、7000円ぐらいないと払う基準になかったアカウントが、1400円ぐらいまで支払いのハードルを下げると。そして、イーロン・マスクCEOがこのツイートに、被せてきました。これは…3ヶ月で500万インプレッションあるようなアカウントは、広告収益配分金が、ブルーバッジの月額料金ぐらいにはなるよ、ということでしょうか。つまり事実上、ブルーバッジが無料と。これは、絶妙な手に思えます。
どうせ実質無料なら、ブルーバッジことTwitterBlue(X Premium)を申し込む人も増えるでしょう。誤字の時間差修正もできるし、2000文字までツイートが拡大されるんですから。そうやって有料アカウントを増やして、ここら辺の3000フォロワーから5000フォロワーを持つボリュームゾーンのアカウントが、銀行口座と紐付けたアカウントになると……PayPal立ち上げメンバーのイーロン・マスク氏としては、やれることも広がるのでしょうね。例えば、たまった収益配分金を受け取らず、一種のクレジットとして、他のアカウントに投げ銭するユーザーが増えれば、Twitter内で金が回る構造になります。
■ボットやサブアカ排除?■
このツイートで重要な部分は「Note, only views from verified handles count, as scammers will otherwise use bots to spam views to infinity.(認証されたハンドルからのビューのみがカウントされることに注意してください。そうでない場合、詐欺師はボットを使用してビューを無限にスパム送信することになります。)」の部分。そう、今回の動きはボット対策も兼ねてるのですね。有象無象のインプレッションではなく、認証バッジを持ってる有料会員から、どれだけビューやリプライを集められるかが重要だと、イーロン・マスクCEOは明確にしているわけです。
万単位のフォロワーなのに、FF被り指数が0.001%とか、金で買ったような変なフォロワー数のアカウントは、たぶん評価されないでしょう。コミュニティノートも多数決ではなく、意見が異なる集団からも評価されないと、公開されないというアルゴリズムですから。偏ったエコーチェンバーの集団は、排除される方向を、イーロン・マスクCEOは思考していますね。あるいは、現場の技術者や統計学の専門家の、アドバイスでしょうか? さらに、炎上商法で情弱を煽ったり、botのビューを集める商法は、排除するアルゴリズムを用意してるよってことでしょうかね? FF被り指数に関しては、こちらのnoteを参照してください。
イーロン・マスクCEOとしては、Twitterの情報の精度をコミュニティノートで高め、広告スポンサーにさえコミュニティノートを打ち込んで、質の悪い言論を叩き出す方針なのかもしれません。金で買ったフォロワーや、サブアカを使った自作自演的なイイネ水増し、左右ともに極端な意見を持つ10%を自然に排除・淘汰することでTwitterの信用性を高め。一発芸ではなく、長期に渡って安定した、良質な情報を発信できるアカウントを優遇することで、結果的に優れたプラットフォームにする。難しいことですが、実現すると、SNSのクオリティペーパーになれます。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ