リチウムの脱中国
◉バッテリーに欠かせないリチウムの、国別産出量はオーストラリアが1位で、チリ、中国と続くのですが、記事によれば精製施設は、中国が多いんだそうで。これは、ちょっと意外ですが。生産から精製まで、一貫して行えばそれだけ、コストも削減できますしね。こういう部分はさすが、商売上手の華僑の国。しかし、尖閣衝突事件から10年以上、日本の地道の努力で、中国依存から上手く脱却できる目処が付いたようで。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、リチウム電池のイラストです。
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■輸入先は分散させるべし■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。リチウム以外にも、希土類は中国に多くあるのは事実ですが、それらも使用量を減らす技術や、代替物質の開発、リサイクルの効率化などなど、日本側も涙ぐましい努力で対応したわけで。ただ、この件で解ったのは、特定の物資を一国に頼る危険性ですね。実はコレ、食料も同じなんですよね。
昭和の頃、農水族議員が日米間の輸入交渉で「米は一粒も入れさせない」とか、息巻いていましたが。結果、1992年に米不足が起きると、二進も三進もいかなくなりました。自給率が200%ぐらいあるならともかく。日本のような国は、自給率が100%でも、輸入と輸出をある程度はすることで、いざというときのバッファにしておく必要があるんですよね。いわんや、工業製品の原材料をや。
韓国も、日本からの部材や化学物質に依存していたため、フッ化水素の輸入でホワイト国から外され、大打撃だったのですが。
■TPPが生きてくる事案■
リチウムは、北米と南米の両方に分散。オーストラリアも加えて、中国の比率を30%以下に抑えられれば、ワンオブゼムにすることが可能に。そもそも、アホな右派が反対しまくったTPP(環太平洋パートナーシップ協定)は本来、対中国経済包囲網がそのの正体。こういう形で、アジアと南北の米大陸とオセアニアが、経済的にWIN WINになれればベスト。
アメリカは、共和党がモンロー主義で、他国のことは二の次で、自国優先ですから。アメリカは合衆国、つまり複数の国が集まった連邦国家です。だから、アメリカ国内で、生産も消費も完結できる、巨大な文明圏でもあります。でも現実問題、自由貿易でもっとも恩恵を受けているのも、アメリカなんですよね。トランプ大統領は支持者受けを狙ってTPPから脱退しましたが、むしろ必要な存在です。
■水酸化リチウムは8割依存■
いくら中国産のリチウムが安く、高品質で、輸入も近くて楽とはいえ。依存しすぎると、そこは政治的な駆け引きに使われるだけ。水酸化リチウム調達の8割を中国に依存ってのは、明らかに急所を剥き出しにした状態です。『愛の剥き出し』は園子温監督作品。セクハラパワハラ以上のことを、中国は仕掛けてきますから。それが国際政治の現実ですから、道徳的にどうこういっても、しょうがないです。
中国は逆に、この豊富なリチウムを利要して、EV車に力を入れています。日本は、水素エンジンをトヨタが推していますが。ここら辺も、四方を海に囲まれた、山紫水明の八雲立つ日本故。今後暫くは、こういう部分は続くでしょう。コレも1点買いに走らず、ガソリン車の改良・ハイブリッド車・EV車・水素エンジン車など、リスクを分散させて研究開発重要かと。先に述べた食の安全保障と同じです。
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