日本の新たな中南米政策
◉ゴールデンウィーク中の、岸田文雄総理大臣や主要閣僚の、各方面の外遊攻勢は凄かったのですが。個人的には、南米重視の姿勢が、興味深かったです。南米は、これから伸びていくであろう国が多く、資源的にも日本にとっては魅力です。実際、レアアースの輸出規制を中国が仕掛けてきたとき、オーストラリアと並んで、南米が輸入源として、たびたび名前が出てきましたからね。日本にとっては、地球の真裏ですが、非常に可能性がある場所だと思います。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、南米ボリビアのウユニ塩湖の写真です。きれいですねぇ。いつか行ってみたい場所のひとつです。
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■南米の可能性とTPP■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。ブラジルが興味深いのは、広大な土地に豊かな資源はもちろんなのですが、2億1339万人という人口。中国のように、人口が多すぎる地域は、それ自体が大きな足枷になるんですよね。貧富の差が大きくなり、国内に実質的な経済植民地ができる感じで。その意味では、面積で米国に次ぐ世界5位のブラジルは、バランスが良いんですよね。アメリカと中国は面積は似たようなものですが、アメリカの3億人に対して、中国の14億人は多すぎますから。これはインドも同じで、ブラジルの半分以下、アメリカのほぼ3分の1の面積で14億人は、多すぎます。
逆に、オーストラリアは人口が約2550万人と、大きさの割にマンパワーが少なすぎるというか。まぁ、砂漠地帯とか多いので、仕方がないのですが。日本は、幕末には2500 万人から2700万人ほどの人口と推計されています。金とか銀の地下資源こそありましたが、資源もない東洋の島国が、植民地にもならずに短期間に西欧列強に伍す国になれたのは、このマンパワー。でも、150年前の日本より少ないオーストラリアの人口は、その領土の広大さと了解の広さからも、プラスにもなればマイナスにもなる要因です。
そう考えると、面積は広いが人口が少ないオーストラリア、面積は世界的には大きいが人口が多すぎるインド、面積も人口もバランスが良いブラジルというのは、日本の今後を考えると、日米豪印戦略対話の絡みと、TPP(環太平洋パートナーシップ協定:Trans-Pacific Partnership)の絡みから、インド・オーストラリア・ブラジルというのは、軸になります。もちろん、それに加えて周辺国との関係も重要に。東南アジアなら台湾やタイやベトナム、フィリピンなど。インドなら、スリランカ。南米なら、パラグアイやアルゼンチン。
■対中国封じ込め政策■
日本とは、ブラジルの日系移民の関係で、縁が深い土地柄です。アントニオ猪木さんも、幼い頃に移民されて、日系ブラジル人というギミックでデビューされたので、アントニオという南米によくある名前になったとか。イタリア系アルゼンチン人の名レスラーの、アントニオ・ロッカから取ったとされますが。アルゼンチン・バックブリーカーの元祖ですね。現在は、先輩レスラーである豊登氏による死神酋長アントニオ、からというのが有力。それはともかく。外遊を、海外旅行で遊んでると勘違いしている人はともかく。今回の動きは、明らかに対中国封じ込めの動き。中国は電磁カタパルトを備えた空母・福建を、試験航海に出航させています。
空母福建は、艦載機を加速して発進させるのに、最新式の電磁式カタパルトが装備されており、遼寧や山東のようなスキージャンプ方式ではない、独自設計の正規空母です。個人的には、中国はハコモノに頼りすぎて、空母を運用するための人員やノウハウの蓄積が、イマイチに思えます。清朝も、定遠と鎮遠という、当時最新鋭の戦艦をドイツの発注し、日本を小国と侮っていました。なにしろ清朝は最盛期には、世界のGDPの半分とも3分の1とも言われるぐらい、圧倒的な国力差がありましたし。日本訪問の際には、長崎事件を起こすほど、驕り高ぶっていたのですが。日清戦争の結末は、御存知の通り。
■ロシア崩壊後の世界■
プーチン大統領の指示で、戦術核兵器を扱う部隊による軍事演習の準備を開始したと、ロシア国防省が先日発表しましたが。半分ブラフではあるのでしょうけれども、現状のロシアを考えれば、やりかねない部分も。ウクライナ軍は脅威の粘りを見せていますし、アメリカの下院議会がウクライナ支援予算案を承認、一気に量産体制に入るでしょう。そして、今夏にF-16が投入されたら、ロシアの戦闘機では制空権は維持できないでしょう。そうなったとき、最後の切り札として、使える武器は使ってしまえと、戦術核の使用に踏み切る可能性は、あるでしょうね。戦略核はともかく。
はっきり言えば、今回の各国歴訪は、ロシアがウクライナから撤退し、プーチン大統領が責任を問われてクーデターが起きたり、内乱状態になり。中国がその混乱に乗じて、怪しい動きをするのを見越して、先手を打ちにいった可能性を、自分は感じていますけどね。まぁ、ただの一般人の感想でしかないですが。でも、政治というのは、あらゆる可能性を勘案して、無駄に思えても手を打っておく必要がありますからね。この成果が出るのは、今夏なのか来年なのか、それとも三年後なのか、それは解りませんが。安倍晋三元総理が打っておいた布石が、いきてくるのは確実だと思います。知らんけど。
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