NAMIMONOGATARI2021のデタラメ運営に批判続出
◉HIP HOPの野外音楽フェスティバル『NAMIMONOGATARI2021』が、あまりにデタラメな運営がバレて、各方面から批判が続出です。愛知県の大村知事も、正式に抗議を申し入れるようですし、これは業界的には大打撃でしょうね。そもそも貸し出すな、という行政側に責任転嫁する声も、SNS上では見かけましたが。最初から疑って貸し出さないとか、それこそ事前検閲で大問題です。集会・結社の自由を認めた憲法への挑戦ですからね。
【愛知 常滑 野外音楽フェスで“密” “酒提供” 批判相次ぐ】NHKニュース
29日、愛知県の常滑市で開かれた野外の音楽フェスティバルで、会場に集まった人たちが密集し、新型コロナウイルスへの感染防止対策が徹底されず酒の提供も行われたとして愛知県や地元の常滑市などから批判が相次いでいます。
29日、常滑市の中部空港の空港島内にある県の施設で、野外の音楽フェスティバル、「NAMIMONOGATARI2021」が開かれました。
主催者側のホームページにあるガイドラインでは、会場内ではマスクを着用し、グループ間で1メートルのソーシャルディスタンスを保つこと、さらに公演中は歓声や声援で大声を出さないことなどが掲げられていました。
しかし、出演したアーティストや会場にいた人がSNSに投稿した動画には、多くの若者が密集し、マスクを外したり、歓声をあげたりしている様子が映っています。
ヘッダー写真はフォトギャラリーにあったものを、適当に。他意はありません。
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■怒りの常滑市市長■
今回の件でダメだなぁと思ったのは、こんなに密になってって問題ある内容なのに、出演者はもちろん観客が平気で会場の動画をSNS上にアップしていることでした。自分たちがやってることがデタラメな行為だという自覚が、ほとんどなかったようで。批判されて、慌てて動画を削除するミュージシャンやファンが続出しましたが。ZEEBRA氏など、一部には自己批判をされていましたが、参加したあるグループの公式アカウント、見に行ったら完全にダンマリでした。
そもそも、このイベント自体が2016年から2019年まで、りんくうビーチで開催されていて、その時からトラブル続出だったようですが。それでも、他人をむやみに疑って、法律によらない強権的な貸し出し不可はできませんからね。相手の言い分を信じるしかない。でも、案の定裏切られたわけで。常滑市長が怒りの声明文を出しています。あの規模のフェスだと、イギリスなどの事例から10%前後はコロナ感染するようですが。ワクチン接種状況を考えると、もっと多そう。
■頑張ってはいるが…■
さて、これで逆にこの問題を前例として、今後のイベントは拒否する大義名分になるでしょうね。もちろん、それだって厳密には法的根拠はどうなんだって話になるんですが。少なくとも、市民の後押しは得られますよね。こんな連中に貸し出すなんて、とんでもない、と。もちろん、それでトバッチリを食らうところもあるでしょう。しかし、五輪選手だと言うだけで、自体白開催中止に賛同しろと、大病から復活した女性選手に圧力をかけるトバッチリよりは、まだ理由があるんじゃないですか?
頑張っているところはありますし、そこは同情します。小さなライブハウスとか、死活問題でしょうし。しかし「客同士の距離が保たれていない」は真っ当な批判でしょう。例えばプロ野球は、五輪開催前の段階で1試合平均8800人の、累計400万人の観客が観戦していますが。大きなクラスターが発生したとい話はないですね(チームではなく観客に)。五輪の組織委員会も、そのクラスター対策のデータを提出してもらって、それでも東京五輪は無観客にしたんですが。
■五輪に責任転嫁するな■
そうやってプロ野球や映画館は、座席を一個飛ばしにして、さらに列ごとに空席位置をずらしで、強制的に蜜にならない工夫をしています。それをやっていないのは、写真からも明らか。フジロックもNAMIMONOGATARI2021も上記の邦楽ロックフェスも、そこを全く配慮しないんですね。それをやったら観客数が半減以下になり、儲けが出ないのかもしれませんが。正直、頑張ってるところでもこれでは、これはしばらく音楽関係のクラスター騒ぎは続きそうです。
五輪は開催されたから、オレらもって。対策のレベルが雲泥の差なのに、何を責任転嫁してるんだ、みっともないなぁ……としか思いません。五輪は選手や役員でコロナがわかったら、すぐ隔離してクラスターが起きないよう、対策していましたから。それは、現在開催中のパラリンピックも同じ。物事には完璧はないかもしれませんが、五輪が90点だとすればフジロック・フェスティバルは40点、NAMIMONOGATARI2021は20店かそれ以下でしょうに。どこまで業界内部の自浄作用が働くのか。正直、恐いです。どっとはらい。
■斯界の代表的人物の声明■
出演者であり、この音楽ジャンルの代表的人物ですから、こういうのは仕方がないですね。もちろん、「ZEEBRAは出演者だから主催者批判で逃げを打ってるだけ」という批判もありました。ZEEBRA氏の内心は解りませんが、出演していたBAD HOPのTwitter公式アカウントは現時点(2021年8月30日20時過ぎ)で、沈黙しています。少なくとも自分には、ZEEBRA氏の方がずっと誠実な態度に思えます。
そのライムスター宇多丸氏も、TBSラジオの自分の番組で言及されたようです。彼は直接の当事者ではありませんから、言及する必要はないです。ですが、DHCのユーザーであるということで、同社批判を番組でしたのに、自分の知り合いが何人も出演した音楽フェスで、自分が属する音楽ジャンルの不祥事に、言及しないのは不自然だと、自分は思います。
なお、DHC批判自体は何も問題はないと思います。そして、批判と製品は別だとも思います。ミュージシャンが薬物使用などで不祥事を起こしたとき、アルバムなどが販売停止になることに、自分は疑問を持っていますので。作品とミュージシャンは別。もちろん、自分の信念として不買や不使用もありでしょう。しかし、それを公共の電波で言った瞬間、それはある種の扇動や、言論の責任が生じるはず。
同じTBSラジオで伊集院光さんは、TBSテレビのサンデーモーニングでの張本勲さんの女子ボクシングへの暴言と、その謝罪の仕方のおかしさを批判し、サンモニ出演者の青木理氏に疑義をぶつけました。自分は、とてもとても誠実な態度に思えました。繰り返しますが、フェスの参加者でない宇多丸氏はダンマリを決め込んでも、それはひとつの選択肢でした。誠実な態度だと思います。自分に褒められても、1円の価値もないですが。