20年でホームレスが8分の1に
◉X(旧Twitter)を読んでいたら、こんなポストが流れてきました。これ自体は、なんのエビデンス🦐もない、噂話程度の内容なんですが、「ホームレスはここ20年で8分の1にまで減少」という数字が気になって、調べてみました。すると、驚くべき数字が浮かんできました。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ホームレスで検索したら、出てきたイラストです。
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■本当に減っていた!■
検索したら、2021年の記事がヒットしました。2002年7月31日成立の『ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法』によって、2003年度で全国に2万5296人もいたホームレスは、2013年は8265人と32.6%に半分以下に。さらに20年後の2023年は3065人にと、2003年から12.1%にと激減。確かに、20年でほぼ8分の1ですね。ちゃんと根拠がある数字だったわけです。
重要なのは、こちらの表ですね。
自分が学生時代にバブルが弾け、ずっと平成は不況で。主にバブル崩壊後の1993年から2005年に学校卒業・就職活動していた年代を、就職氷河期世代と呼びますが。イメージ的には就職氷河期世代からアベノミクスまでずっと、ホームレスは増え続けていたような気がしていたのですが。むしろ2003年以降は劇的に減っていて、アベノミクス以前の2012年でも、半減どころか37%に減っていたわけで。けっきょく、ホームレスは経済の問題というよりも、支援の問題だったと言えそうです。
■境界知能の進級問題■
そこで、タイミングよく為末大さんの長文ポストが流れてきました。自分も、大学や専門学校、あるいはMANZEMI講座で人に物を教える立場ですが。美大生とかで、パースペクティブ(透視図法)を学ぶとき、分数の割り算とか必要なんですが、それが怪しい大学生とか、けっこういるんですよね。日本の、悪しき横並び主義の弊害ですね。義務教育レベルをクリアしていないのにも関わらず、横並びで卒業させちゃう。境界知能の判定も昔は、学校の匙加減ひとつで、特殊学級に入れず卒業させちゃう部分が、田舎の学校ではありました。
そもそも、うちの田舎には専門の教員不足で、特殊学級ができたのは小学校五年生のときで。クラスメイトとか、事業を邪魔されるぐらいならと、一日中外で遊んでいて。給食のときだけ教室に現れました。でも、特殊学級ができても、嫌がる親もいました。それって親が世間体を気にして、望んだことなんですよね。うちの子は普通だと、思いたい。その心情も理解できるので、だから学校ばかりも責められないんですよね。これは、同年代の地方の学校では、よくあったようです。でも、変えていかないとけっきょくは、子供が不幸になってしまうんです。
■行政のケアが問題?■
前にも書いた記憶がありますけれど、田舎にホームレスはほとんどいないんですよね。だから、片田舎の進学校だったうちの高校では、受験シーズンに各地の大学を受けに行くと、「広島駅にはいた」「福岡駅にもいた」「東京とかいっぱいいて、村みたいになってた」などと、報告し合ったものです。人口10万人の鹿児島の片田舎の都市には、ホームレスはいない。都会になるほど増えるんですよね。都会人にはホームレスは貧困の象徴でも、地方から見たら豊かさの象徴なんです。
で、田舎では横並びで境界知能の人間を中学校を卒業させても、地縁血縁でなんとか仕事を紹介する部分が、あるので。田舎の人間関係の濃厚さは、ときに煩わしくて嫌なものですが、そういう機能はある。でも都会では、それが機能しづらい面が。でも、都会のホームレスも法律を作って対応すれば、ここまで劇的に減るんです。もちろん、境界知能だけではなく、いろんな原因があると思いますが。最終的には、1000人台に減らせるのではないでしょうか? 2万5296人の3-5%ぐらいは、行政では救えない可能性が。
一部の海外出羽守は、「アメリカの時給はこんなです、日本はこんなに貧しくなりました!」みたいな話ばかり書きたがりますが。いくら日本より2.4倍も人口が多いとは言え、188倍もホームレスがいるって、どんだけ格差社会なのかと。というか、ホームレス支援する慈善団体がかなり多く、寄付も潤沢なのに、この数字は。あの手の団体が、むしろ行政のすべき努力を免罪していませんかね? ここらへんは、学者の研究に委ねますが。きちんと自立支援の制度を作って、公的に支援する。田舎の地縁血縁が今後、どんどん希薄になる時代に、必要なことでしょう。
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